真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

トップがしなければならない大きな二つの仕事

[リーダーによって組織は変わる]
◎私はさまざまな組織を渡り歩いてきた。そして、その組織のリーダーを観察する機会にも恵まれた。そのような経験から感じるのは、リーダーによって組織が大きく変わる、大きく左右されると言うことである。リーダーのタイプによって、組織の傾向が見えてくる。そこで今日は、リーダーのすべき仕事について書きたい。
[相反する大きな二つの仕事]
◎リーダー(トップ)が しなければならない大きな二つの仕事は、かなり相反する内容である。それらとは、組織の発展と部下の育成である。それらが何故相反するのだろうか。
[組織を発展させる仕事]
◎組織なり会社なりを盛り立てる、盛り上げる、発展させる仕事に意を注がないリーダーはいないだろう。これをしないリーダーであれば、欠陥リーダーである。
[後継者の育成]
◎もう一つは、部下を育てることである。部下を育てるとは、いずれ自分が引退したときに、自分と同じほど、あるいは、自分以上に、組織を発展させる能力、実力を身につけさせねばならない。つまり、後継者の育成である。
[組織を引っ張ってゆく]
◎組織を盛り立てるには、ある程度自分が先頭に立って働かねばならない。自分が中心に立たねばならない。組織を引っ張ってゆく気概を示さねばならない。しかし、他方、部下を育てるには、リーダー自身がしている仕事を、部下自身に身を持って体験させてゆかねばならない。つまり、徐々に権限委譲していかねばならない。
[自分が立つ位置を部下に譲る]
◎つまり、リーダーが組織発展に力を注ぎすぎると、部下が育ってゆかない。自分が立っている位置を部下に譲ってゆかねば部下は育ってゆかないのだから。
[バランス感覚が難しい]
◎このバランス感覚が難しい。どのようなことでもそうなのだが、一つの方向に走り過ぎてはゆがみが生じる。時には復元が不可能なほど傾いてしまう。中庸、中道が言われるゆえんである。
[強い個性の創業者]
◎しかし、創業者はどちらかといえば、自分が中心に立たねば気が済まないタイプが多い。その人の個性、強い個性が成功へと導いた側面も大きいからだ。その結果、創業者の子孫からは実力のある後継者が育ちにくい。
[創業者の子孫から立派な後継者が出ない]
◎これは少し趣旨が違っているが、昔から、"売家と唐様で書く三代目"という言葉がよく知られている。これはどちらかといえば、苦労を知らずにわがままに育てられて鍛えられていないことを言うのだが。どちらにしても、すばらしい創業者の子孫から立派な後継者が出てこないことが多い。
[立派な親の子供は苦労する]
◎立派な親を持つと子供は苦労する。他人からはうらやましがられるし、できて当然と思われる。しかし、高い山を目の前にすると、征服する気概が失せてしまう場合も多い。最初から上るのをあきらめてしまう場合もある。山とは反対方向に向かう子供も多い。
[優秀な部下がやめてゆく]
◎もう一つ気をつけねばならないのは、創業者が活躍する企業では、優秀な部下がやめてゆき、そうでない部下だけが残るという傾向もある。その理由は、優秀な部下に(無意識的に)嫉妬したり、活躍の場を与えないでいたり、素晴らしい企画であっても、自分の気に入らないものは取り上げなかったりと、ワンマンが過ぎる場合があるからだ。これは人的資産を残していないことでもある。
[二人三脚で組織運営]
◎これなどは組織の発展にばかり気が行って、部下の育成を忘れているからだろう。これを避けるために、賢いリーダーは、自分とはタイプが正反対の対等に近い同士を近くに置く場合がある。彼に、自分が持っていない、できない部分を分担してもらうのだ。つまり、二人三脚で組織運営をする。あるいは、自分の中に異なる(相反する)性格を形成するか。これが正解かもしれない。