真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

テロ・ゲリラは戦争形態を変えた

[北朝鮮のミサイル発射]
北朝鮮が核開発をしているとか、ミサイルを発射したとかで日本は大騒ぎをした。核兵器と聞いて平気でいられる日本人はいないだろう。今日は兵器について考えたい。
[世界や歴史を動かしてきたのは戦争・兵器]
◎兵器の質(石槍と刀など)による絶対的な兵器差は、戦いの歴史を、あるいは歴史そのものを変えて来た。世界や歴史を動かしてきたのは戦争、兵器ともいえるかもしれない。
[縄文人から弥生人へ]
◎それをまず日本で見てゆく。渡来人である弥生人は稲作と金属器とを日本に導入した。それに対して、弥生人の渡来以前から日本列島に住んでいた縄文人の方は石の武器、石器である。この文化の違いが主役の交代を促した。
[鉄が石に勝った]
◎つまり、このことによって、日本は縄文時代から弥生時代へと切り替わっていった。鉄が石に勝ったともいえよう。もちろん鉄製武器だけが勝った要因ではないだろうが。ともかく狩猟・漁労・採取中心の縄文時代から、稲作の弥生時代へ転換した。
[信長の足軽鉄砲隊]
◎鉄製武器(主に刀)の時代が長かったが、1543 年に鉄砲がポルトガル人によって初めて種子島に伝来した。早くも30数年後の1575年には戦国武将の織田信長が鉄砲を有効に使った。長篠の戦いでは、信長方の足軽鉄砲隊が、無敵といわれた武田騎馬軍団を撃破した。こうして鉄砲が戦さで用いられるようになり、長い間続いた戦国の乱世を天下統一へと向かわせた。
[艦隊の日本と航空機のアメリカ]
◎とんでもないといわれようが、話・歴史は飛んで、ロシア帝国を相手とする日露戦争が起こる。大国ロシア相手の日本は日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃滅した。そのようにして海軍力の大半を失ったためもあって日本勝利に終わった。その後も船を主力とする日本に対して、アメリカは航空機を重視した。熊に群がる蜂が熊を刺し殺すように、日本艦隊はアメリカ空軍に撃沈されていった。さらに飛行機によって本土空襲という民間人殺戮にまで発展した。
[敵地攻撃を目的とする航空機主体]
◎さらに航空機は核爆弾まで積み敵地に飛来して投下することが出来たのである。このようにして日本は、兵士の大量輸送を目的とする艦隊中心と、敵地攻撃を目的とする航空機主体のアメリカとの差を見せつけられることとなった。
[ミサイルの開発]
◎しかしその航空機を打ち落とすことを目的として、もちろんそれだけを目標とするのではないが、ミサイルが開発された。今回(以前にもあったが)北朝鮮が発射したのがこれである。
[自国に居ながらにして敵地や敵を攻撃]
◎飛行機の場合、そこまで飛んでゆかねばならない(今では無人飛行機もあるけれども)が、ミサイルは自国に居ながらにして敵地や敵を攻撃できる。しかも現在ではミサイルには核爆弾を搭載することも可能である。
[ミサイルが最も優秀な武器?]
◎現在の所、このミサイルが最も優秀な武器であろう。まだこれを越える武器(核兵器はミサイルに搭載可能なので核兵器はミサイルに含まれる)はまだ開発されていないだろう。ミサイルはそれ以外にもさまざまな武器(細菌兵器)を搭載可能である。
[遠隔操作戦争の時代]
◎このように今や敵地に赴かずして敵を攻撃するという遠隔操作戦争の時代に入っている。極端に言えば、避暑地で水泳をしながら敵と戦うというマンガが出来そうである。
[9.11]
◎話は少しそれるかもしれない(実はそうではないのだ)が、9.11という数字をご存じだろうか。
[アメリカ同時多発テロ事件]
◎それは2001年9月11日にアメリカ合衆国で起きたアメリカ同時多発テロ事件を指し示す。アメリカ、世界貿易センタービルの崩壊の映像は世界を驚愕させた。私も朝のテレビでこれを見たが、初めはこの映像が何を意味するのかわからなかった。
[弱小国が強大国に反撃する方法]
◎ これは弱小国が強大国に反撃する方法(テロ)ありと教えた瞬間でもあった。ミサイルが最も優秀な武器ではあるかもしれないが、それによってテロを防ぐことは出来ないと教えた瞬間でもあった。本土が戦地になるという経験を持たないアメリカに戦争の怖さを見せつけた瞬間でもあった。
注)もちろん、南北戦争のような内戦は別ですが。
[小規模、地域線に持ち込む弱小国]
アメリカはテロ的な攻撃(ゲリラ戦)をさんざん経験してきたはずなのに、ベトナムで。大規模戦争、攻撃を得意とする強大国に対して、小規模、地域線に持ち込む弱小国。これをやられると戦争はなかなか終わらない。アメリカも学習しない国である、まったく。
[テロやゲリラは民衆を利用する]
◎テロやゲリラは必ず民衆を利用する。民衆の中に紛れ込む。ある意味民衆を楯に戦いをすることである。今回のタリバンの韓国人人質もその一つの方法である。また民衆もテロやゲリラを背後で支援する。そうなれば、武器を持たない民衆と、武器を持つテロ・ゲリラ集団とを峻別しなければならなくなる。
[正義の戦いとは?]
◎そのわけは、民衆を殺してしまえば、正義の戦いとはいえなくなってしまう。そうなれば今まで有効であった強力な武器が使えなくなってしまう。ゲリラと同じ戦闘方法をとらざるを得なくなってしまう。形態は違うが、ガンジーもその手を使ってきた。イギリスに対して。背後に民衆を抱え込んだ方が勝ちである。
[テロ・ゲリラは戦争形態を変えた]
◎ある意味でテロ・ゲリラは戦争形態を変えてしまったのかもしれない。弱者が強者に勝つ有効な手段でもあろう。しかし、強大国は未だに大国的な戦争形態で勝てると信じている。
[トールベッドとロングテール]
◎話は変わるが、リアル世界とネット世界との比較でいえば、リアル世界はトールヘッド(恐竜の首)が有利だが、ネット世界ではロングテール(恐竜の尻尾)を味方にしたものが有利である。今さまざまな世界での勝利は、ロングテールをいかに味方につけるかにかかっている。