真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

ふたたびガンジー主義

[非暴力・不服従(消極的抵抗)]
◎インド独立の父、マハトマガンジー。彼は非暴力・不服従(消極的抵抗)を提唱した。この思想はインドを独立に導き、政治的信条として世界中で植民地解放運動や(例えば、キング牧師主導の)人権運動の分野で平和主義的方法論として多大の影響を及ぼした。
[人格の高潔さ]
ガンジー主義を私はこう見る。一つ目は、品格よりも更に上をゆく、人格の高潔さ(高い精神性)である。彼は断食を行うことによって抗議した。これは自分の命をかけているとの宣言でもある。高潔とは自分のためという意識がほとんどない自己犠牲(全面的社会奉仕)的性格をいう。
[民衆の支持(民衆の期待との一致)]
◎二つ目は、民衆の支持(民衆の期待との一致、高い社会性)である。これはもちろん最初の人格の高潔さによって信頼が勝ち取られる。私心(私欲)が見え隠れする人物ではいずれみんな離れてゆく。日本においても、明治維新ではそのような高潔の士が多数輩出した。
[弱者が強者に勝てるのは数]
ガンジー主義の実践は、民衆の支持、しかも圧倒的支持、がなければ出来ない。弱者が強者に勝てるのは数(ロングテール)である。強者といえでも数で来られたら躊躇するだろう。インドの独立は、世界世論を意識する大国(紳士の国イギリス)と、そこへ向けての強力なアピールによるところも大きい。
[小泉首相ガンジー主義者!?]
◎これには賛成が少ないかもしれないけれども、小泉首相もその手を使ってきた。強者(自民党内多数)に勝つには同じく数の支援が必要である。自民党内にあって支援(支持)者の少ない彼が、自分の目的を果たすための手段が民衆(国民・投票権を持つ)の支持・援護射撃である。
[弱者(国民大衆)の側にアピール]
◎外向的な彼はこう言った。"自民党をぶっ壊す"と。これは企業・官僚・自民党(強者)の側に立つのではなく、国民一般の側に立つとの宣言である。つまり、この言葉で、民衆の支持を求めた。彼は風を読めたのであろう。彼は強者の側に目線を向けたのではなく、弱者(国民大衆)の側にアピールした。
[強者による政治から弱者による政治への転換]
◎改革、これも企業・官僚・自民党(強者)の側に立つのではなく、国民一般の側に立つとの宣言である。そして見事に(衆議院選挙での)大勝利した。これは強者(トールヘッド)による、強者のための政治から、弱者(ロングテール)による弱者のための政治への転換を意味する。政治家はこの事実を心すべきである。といっても彼が本当に国民の側に立ったかの判断はさて置くとして。
[滋賀の知事選挙で見事に証明]
◎これは極最近も、滋賀の知事選挙で見事に証明されたともいえる。これはすでに長野県でも実証済みであったが。滋賀知事も善良な人柄や高潔さがテレビでうかがえた。これは政党を支持するよりも、人柄(宮崎知事選挙でもそうだった)を支持する傾向を持っていることを示す。小泉元首相の場合にもそれが言える。
[おごる平家は久しからずや]
◎さらに大阪府東大阪市市長選挙でも表面化した。これは自民党(強者)のおごりが原因だったのではあるが。おごる平家は久しからずや。自民党が分裂して二人が立候補し共倒れで、漁夫の利を共産党にさらって行かれた恰好であった。格好の悪い話である。
[アメリカ同時多発テロ事件]
◎2001年9月11日にアメリカ合衆国で起きたアメリカ同時多発テロ事件は、弱者が強者に勝てる手法である。この事件は戦争の転換点かもしれない。とはいえ、この事件は非暴力・不服従を提唱したガンジー主義とは無縁だが。しかしテロも一部の国では民衆の支持を得ているようだ。
[弱者が強者に勝てる手法]
◎今まで上げた事例の共通点は、弱者が強者に勝てる手法である。弱者が強者に勝てる合法的手法は"民衆(多数)を味方につける"である。というよりも、民衆の望む方向を汲み取って体現(具体化・実現)させるという手段である。それに対して強者は民衆から遊離して一部の利益団体に顔を向けている。
[民主主義的手法]
◎この、弱者が強者に勝てる手法は民主主義的手法といえる。民主主義的手法とは、今までのトップダウン型選挙(自民党的組織型選挙)とは反対に、ボトムアップ型選挙(草の根型選挙・民衆に担がれる御輿型選挙)である。今回の参議院選挙(2007/7/29)でも、トップダウン型選挙が効かないことを証明した。
[トップとボトム]
トップダウンを少し説明する。トップには社長(時には会長が実権を握っている院政体制もあるが)がおり、ボトムには課員(俗にいう平社員)がいる。
[トップダウン型とは]
トップダウン型とは、例えで言えば、社長が陣頭指揮を執って社長の命令一下、全員がその手足となって働く方式である。専制政治がそうであった。独裁政権もしかり。
[ボトムアップ型とは]
◎逆にボトムアップ型とは、平社員(現場職員)からの証言、事例、報告を上に上げてゆき、それらを総合判断した結果を組織の目標として掲げ、それの実現を目指して組織が動く方式である。日本にもアメリカにもその方式の会社が先端企業の間で増えつつある。その手段としてメール中心からみんなが見れるブログ中心へと移行しつつある。
[日本も少しずつ民主主義が浸透]
◎このようなことを考えると、日本も少しずつ民主主義が浸透し始めたのかなと期待が持てるぞと少しにんまりする。大きなうねりとしていよいよ本当の民主主義の上陸かなと。