真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

学問の重層構造

[重層構造を成す知識体系]
◎今日は、学問が、知識体系が、重層構造を成していることを述べたい。具体的には、物理学→化学→生物学→心理学→哲学→宗教。というように下から次々と上昇していると。
[あらゆるものは限界と範囲を持つ]
◎つまり、これは別の観点から述べると、学問世界に限らず、あらゆるものは、限界、範囲を持っていることを示す。範囲を超え出ることを、相転移という。氷が相転移して水となり、水が相転移して蒸気となるように。
[科学はすべてを覆い尽くす学問体系ではない]
◎ 科学はすべてを覆い尽くす法則を取り出し得ない。科学はすべてを覆い尽くす学問体系ではあり得ない。このあたりが、今さまざまな面で行き詰まっている元凶である。この行き詰まりは、科学が取り扱い得ない分野、範囲でありながら、科学以外で解決しようとしないことから来る。
[それぞれは固有の領域に生きよ]
◎上に示したように、科学は物理学→化学→生物学が取り扱える領域である。科学が守備範囲とするのはここまでである。しかしながら、心理学も科学たろうと無理をしているようだが。それが心理学が大きく発展しない理由でもある。科学では扱い得ない範囲なのに、科学という狭い範囲にとどまろうとする。
[科学の領域侵犯]
◎本来なら心理学もだが、科学を超える範囲は、哲学が、哲学を超える範囲は、宗教がそれぞれ守備範囲にしている。心理学も科学を超出すべきなのに。
[非科学的と罵倒]
◎しかし、不思議なことに、科学で取り扱えない範囲を、科学は図々しくも非科学的と罵倒する。そして、罵倒された学問はどうにかして科学(的)たろうと悪あがきする。いまや科学でなくば学問にあらずという有様である。
[科学は謙虚になるべき]
◎ 本当は、科学の方が謙虚になるべきである。つまり、自分の守備範囲をわきまえるべきである。そのことによって、哲学や宗教は科学の呪縛から解き放たれて、本来の能力を発揮できる。すべては実践によって、実証することを旨とすべきで、確率で表現すべきであろう。数々の実践によって、各々のことが高い確率で実証できたと。
[物理学と化学の領域]
◎各学問領域を考える。物質が結合して変化する事態を化学が取り扱う。それまでの範囲は物理学が面倒見る。物質が結合して、細胞が完成するまで(最上限)が化学が取り扱う範囲である。細胞の完成によって、命が生まれ出でた。
[生物学と心理学の領域]
◎それ(細胞)を越えた時点、生命が生まれ出でた時点から、生物学が受け継ぐ。そして、進化の頂点として人間が完成するまで(最上限)を生物学が領域とする。人間が完成した時点から、心理学(主に感覚と感情と知性)が受け継ぐ。そして、それは主に心理に範囲限定される。なお、知の領域も、感覚→感情→知性→理性と重層構造を成す。
[哲学の最終目標は精神の完成]
◎その後を、社会(集団・組織)の中でいかに精神(知性と理性、中心は理性)を完成させるかを哲学が受け持つ。哲学の最終目標は精神の完成、いかにして理性を最大限、最高水準にまで引き上げるかを問いかける。
[精神を越え出て霊性が生まれる]
◎しかし、人間は最大限、最高水準の精神の育成でとどまらない。精神を越え出て霊性が問題となる時点で、宗教へとバトンタッチする。宗教は、霊性に磨きをかけて、仏教では仏にまで昇華することを目指す。仏教は言う、悉有仏性と。
[知の領域は感覚→感情→知性→理性→霊性]
◎人間は、このように、心理(心理学、主に感覚→感情→知性)→精神(哲学、理性)→霊性(宗教)の開発を目指すようにと呼びかけられている。あなたはその呼びかけに応えていますか。