真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

田中前長野知事と民主党小沢代表と

[田中現長野知事が敗北]
◎もう古いネタ(一年前のブログ記事の再掲)で申し訳ないのですが、2006年8月6日の長野県知事選で、田中長野知事が敗北した。直前のテレビ報道では、田中氏と村井氏は互角の戦いと報じていたので何故だろうと不思議に思った。
[田中氏に対する"No"であった]
◎新聞、テレビ、ネットで調べてみると、長野知事選(戦)に初当選を果たした村井仁氏(69)の当選は、6年間に田中政権が巻き起こした混乱に対する反対票(つまり、村井氏に対する積極的な賛成票ではないという意味で)を拾い集めたように思う。村井氏に対する"Yes"ではなく、田中氏に対する"No"であったのだ。今年(2007)の参院選挙がそうであったように。
[女性学者候補が有力候補を逆転勝利]
◎最近、テレビや新聞で大きく報じられたので、みなさんご存じだと思うが、滋賀県知事選では、田中長野知事と同じように、ダム建設反対、新駅凍結(or)中止などを掲げて、女性学者候補が見事有力候補をまさかの逆転勝利した。
[昔ながらの政治手法に対する反旗]
弁証法的に言えば、田中長野県知事も、滋賀県嘉田由紀子知事も、今までの自民党的正(箱物行政)に対して、反(建設反対)を掲げて、見事当選を果たした。昔ながらの政治手法に対する反旗であった。これも今回の参院選でも当てはまる。
[自民党的政策を止めて改革を進めた]
田中康夫氏は、旧体制の破壊を旗印に華々しく登場した。6年間の実績として、今までの自民党的政策を止めて改革を進めたという実績は地元でも認められているようだ。
[根回しを嫌って独断専行]
◎しかしながら、さまざまな報道内容を要約すれば、議会や後援会、支持団体などとの話し合いは少なく、根回しを嫌ってトップダウン方式で物事を決める政治手法は独断専行として批判を浴びたということだ。これは対話を最優先する滋賀県嘉田由紀子知事と大きな違いである。これはいわば包容力の差とも言える。だだっ子の田中と肝っ玉母さん的嘉田。
[テレビへの派手なパフォーマンス]
◎田中氏は、小泉首相と同じような劇場型で、テレビへの派手なパフォーマンスが注目を集めたが、その反面目立つことが好きなだけとの批判も多かった。新党旗揚げは子どものようなはしゃぎっぷりであった。気持ちは子どもなのだろう、良い意味でも悪い意味でも。だから今回も彼からの離反が続いた。
[行政の停滞だと失望感]
◎また、議会などとの対立を深めるばかりで結果として改革も行き詰まり、有権者(県民)にも行政の停滞だとして失望感がまん延した。それを如実に表すように、地元での支持率はピーク時85%だったが、その後48%と大きく落ち込んでいる。自民党党首よりは遙かにましな数字だが。
[田中氏は自分勝手]
◎新聞では次のような記事を載せていた。ある陣営関係者は、県民に"田中氏は自分勝手だ"という思いが広がっているのを感じたと指摘。ある有権者の中年男性は投票前に"ワンマンでもう任せられない"と怒りを見せ、中年の女性も"いつもヒステリックな感じ"と嫌気が差した様子だった。
[現状を破壊して改革を進める]
◎田中前長野知事は、現状を破壊して改革を進めるという点で、織田信長を思い浮かべる。小泉首相も改革を国民に訴えて勝利した。滋賀県新知事も同様だ。
[中途半端で終わる]
滋賀県新知事は大成功に終わりそうである。だが、残り三人(田中・織田・小泉)に共通するのは、現状を破壊して改革するという点である。織田信長は途中で味方に(余りの独断専行故に)討たれて倒れた。小泉首相も改革を進めたがいかにも中途半端(味方は武部幹事長のみか)で終わっている。田中長野知事も独断専行で支持者が離れていった。
[織田信長(現状破壊)と徳川家康(新体制建設)]
◎それに対する解答的事例として、本田技研の、本田宗一郎藤沢武夫という名コンビを思い浮かべる。あるいは歴史上では、織田信長(現状破壊)と徳川家康(新体制建設)。つまり、実行者と理論派、実践者と実務者、役者と黒子。
[明確な進むべき未来予想図、将来設計図を提示]
◎破壊したとしてもその後にかなり明確な進むべき未来予想図、将来設計図を提示しなければならない。弁証法的に、正(現状維持)に対しての反(現状破壊、改革)とその後での合(新制度建設)へと進まねばならない。
[その後の設計図があったと思えない]
小泉首相にも、田中長野知事にも、進むべき明確な未来予想図、将来設計図があったようには思えない。織田信長には全国統一という目標があっただろうが、その後の設計図があったとも思えない。
[実務派的な安倍元官房長官が後継者]
◎その結果が田中現知事に対する、実務派的な村井氏が当選したのだと思う。また、国政では、改革断行の小泉首相に対する、実務派的な安倍元官房長官が後継者になるのだと思える。織田信長豊臣秀吉の後に、徳川家康が後継者となったように。
[民主党の小沢党首はどう舞を舞うか]
◎そこで気がかりなのが、民主党の小沢党首(代表)である。彼もどちらかといえば、田中康夫的な独断専行型とも言える。織田信長的に大立ち回りをして、すぐに実務派的な人物とバトンタッチするという手もあるだろう。今年から来年前半までが楽しみである。