[哲学は難しい]
◎哲学はとてつもなく難しい。私は、以前、世界的ベストセラーになった"ソフィーの世界"(哲学への導きの書)を英語版で読もうとして、本(ペーパーバック)を買ったが、余りの難しさに一日でへこたれてしまった。と言っても哲学以前に英語にへし折れたのだが。
[哲学語はチンプンカンプン]
◎哲学の言葉はチンプンカンプンである。これは本当に日本語なのだろうかと目を疑う。今まで見たことも聞いたこともない言葉が哲学書の中に満員電車のようにすし詰めになっている。一ページ見ただけでめまいがする。虎やライオンが潜んでいるジャングルに分け入る気分である。
[日常生活と何ら関係がない]
◎そんなこんなで、哲学なんて自分には関係ない。と思う人も大勢おられるだろう。私も哲学に興味を持ったのは40歳をかなり越えてからである。それまでは日常生活と何ら関係がない雲の上の世界の話でしかないと思っていた。
[哲学は学者のお遊び]
◎それまでは、哲学は”学者のお遊び”、だろうと考えていた。暇な老人がすなる学者遊び、言葉遊び。政治家はどちらかと言えば芸者遊びの方を好むだろうと思うが。
[さまざまな経験を統合する]
◎しかし実際は、哲学するとは、さまざまな経験を統合する基本的観点をつくる知的努力だと、”マイペディア”は言う。つまり、哲学するとは、知識、体験を一つの体系にまとめ上げることである。それが宇宙全体にある知識(法則･原理)であろうが、人類の経験であろうが、一人の人間の経験であろうが構わない。
[誰にも大いに関係がある]
◎哲学するとは、自分、世界、宇宙を一つにまとめ上げることであるから、誰にも大いに関係があることである。誰もが自分の知識や体験を持ち合わせているのだから。哲学者 は日常の事柄を極端にまで抽象化する。それが我々を哲学から遠ざける。と言って私は哲学者を中傷しているわけではない。
[ぶれない人間になる]
◎だから誰もが小泉首相(??)のように、ぶれない(時によって言うことに大きなずれがある人がいますよね、朝令暮改人、怪人ではないが)人間になるために、自分の知識体験を一つにまとめ上げる作業をしてみては如何ですか。
[ぶれは思いつき判断]
◎ぶれるのは、その時々の思いつきで、判断するからだ。数学などでは誰がしても同じ答えになるのは、法則が完成されているからである。その法則、体系に照らし合わせれば、自ずと答えが出て来る。それ故にぶれないのだ。準拠する体系を持っているからだ。
[知識は自然にはまとまらない]
◎とは言っても、残念ながら、私たちの知識や体験はほっておいては自然に一つの体系にまとまってはゆかない。一本の大木のように、自分内の知識と経験をすべて相互に関連づけて一つの体系にしてゆくのが好ましい。
[神経は知識同士を結びつける]
◎科学が言うには、脳に保存されている知識や体験を関連付けると、神経細胞が、タコが足を伸ばすように、突起を延ばして知識同士を結びつける。互いに結びつけて 回路(ネットワーク)を造るそうである。鉄を互いに酸化(参加とからめたダジャレです_(._.)_)させると、温かいカイロになるのだが。
[一つの知識が関連知識を呼び寄せる]
◎知識がどんどん結びついてゆくと、一つの知識が他の関連ある知識を呼び寄せる。別な言い方をすれば、意識がある言葉を思い浮かべると、それと関連ある知識群、体験群が意識に吸い上げられる。
[言葉は同意語や反意語で互いに結びつく]
◎つまり、言葉は同意語、反意語、近接語、関連語などで互いに結びつく。たとえば、筆箱、鉛筆、消しゴム、シャーペンなどは、文房具という言葉でひとまとめにくくられる。つまり、文房具は鉛筆の上位語(階層上位語)と言うことになる。文房具のさらに上位語は学習用具である。学習用具のさらに上位語は学用品(学校で使うあらゆる道具)である。
[知識(経験)は階層構造を成す]
◎このように知識(経験)は階層構造を成している。地層が古い順に上へ上へと積み重ねられているように、階段を上がるように、知識は階層構造的に上へ重ね上げられる。そして、ついには、すべてを束ねる階層最上位語が出現する。
[グーグルはネット上のあらゆる知識を体系化]
◎これは"Google"(グーグル)が目指す方向と同じである。グーグルは、ネット上にある、あらゆる知識を体系付けるという使命で活動をしていると聞く。グーグルはネット上の知識を哲学しているといえそうである。
[一度の検索でたくさんの知識が吸い上げられる]
◎話を戻すと、知識が体系付けられれば、体系付けられるほどますます一度の検索でたくさんの知識が吸い上げられる。ネット上でも、脳内でも。逆に極端に知識が完全分断している人は人格間の相互交通のない多重人格であるかも。
[哲学をしてみては如何だろう]
◎グーグルはネット上のあらゆる知識を体系付けようとしているが、あなたも自分の脳内にある知識･体験を体系付けるという哲学をしてみられては如何だろうか。
