真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

集団自決への日本軍の強制に関する教科書検定問題

[日本軍の強制を削除]
◎今回は、文部科学省が、沖縄戦での「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した、教科書検定問題を考えたい。
[物的証拠、状況証拠や供述証拠]
◎日本軍の強制を実証する証拠がないというのがその論拠らしい。物的証拠はなくとも、状況証拠や供述証拠は提示されている。裁判例などでも、物的証拠がなくても、状況証拠や供述証拠で十分有罪を勝ち取れる。
[沖縄タイムス]
◎私はこの問題にはたいへん知識不足なので、「軍の強制」明記/執筆者坂本氏申請へ(from沖縄タイムス)を参考(参考にし過ぎかなと感じるが)にしながら述べてみたい。
[教科書執筆者、坂本昇]
◎教科書執筆者の高校教諭、坂本昇さん(51)は、東京都内で記者会見した。その中で、自分が執筆する教科書に、「日本軍によって”集団自決”を強いられた」と、の記述を明記して、文部科学省に訂正申請する方向で、準備していることを明らかにした。これは本当に勇気のいる行動だと感心させられる。
[検定意見撤回を求める沖縄県民大会]
◎事の発端は、教科書検定で日本軍の強制記述が消えた、消されたことだった。その結果、検定意見撤回を求める沖縄県民大会が大きな盛り上がりを見せた。新聞や報道などでも大きく取り上げられた。
[文部科学省へ訂正申請]
◎そのような状況の中で、坂本さんは、「日本軍の強制」を盛り込む形で、文部科学省へ訂正申請する内容を、今回記者会見という形で公表した。
[異議を申し立てる機会]
◎さりながら、教科書検定については、制度上は、教科書検定審議会が出した検定意見に、異議を申し立てる機会が設けられている。
[異議申し立ては機能しない]
◎所が、「異議を申し立てても、判定するのは文科省の同じ調査官。検事と裁判官が一緒になったようなもの」だから、実際には、形式はあるにはあるが、異議の申し立ては機能しないといえる。文科省調査官は、自分で自分を裁く権利を持っているのだから。正義が期待できるとは考えられない。
[記述内容の公表を禁じた]
◎今回の訂正申請でも、文科省は検定規則の細則を根拠に、申請後の記述内容の公表を教科書会社に禁じた。
[審議過程の密室性]
◎今回の教科書検定に県民が強く反発したのは、検定意見が付されるまでの審議過程に「密室性」が極めて強かったことが一因であるという。
[県民不在の密室処理]
◎だから、記述内容が事前に公表されないならば、文科省が修正を要求した際のやりとりが、再び県民不在の「密室」内で処理される懸念は強い。
[事前発表の形で訂正申請内容を公表]
◎そういう形式なので、文部科学省が申請内容に異を唱えることも大いに予想される。がしかし、坂本さんが、勇気ある、事前発表という形で、訂正申請内容を公表したことによって、今回は記述の修正過程の「透明性」がある程度確保される。
[文科省への抑止力]
◎そういう意味で、申請前に記述内容を発表した坂本さんの対応は、文科省への「抑止力」にもなり得る画期的な取り組みといえる。
[選択肢の中から自らの判断]
◎しかし、私が教科書で期待したいのは、確定した知識だけを与えるのではなく、いくつもの選択肢の中から、自らの判断力を養うことによって、自力獲得、自力確定する能力を育成する方向に、教育が向かうことである。
[自立性、自主性、個性の醸成を期待]
◎これによって、自立性、自主性、個性、深い知識追求の醸成が大きく期待できる。これらが、これからの日本人に持っておくべき能力であると思う。先進諸国においては、知識よりも運用能力が絶対条件である。