真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

薬害C型肝炎と情報隠し

[薬害C型肝炎]
◎今回は、薬害C型肝炎について考えてみた。それに関する当事者は、患者、医師、製薬会社、厚生労働省の四者が考えられる。
[多くの産婦が集団感染]
◎製薬会社とは、旧ミドリ十字(→三菱ウェルファーマ田辺三菱製薬)である。そこで製造された血液製剤フィブリノゲン”によって、多くの産婦が集団感染した。厚生省はその製薬会社に、同様の症例を調べて報告するよう指示した。
[情報は厚生省が持っていた]
◎それへの原因に関する資料は、すでに1987年に製薬会社から当時の厚生省に届いていた。情報は厚生省が持っていた。
[患者に事実を伝えず]
◎このように、個人を特定できる情報があることを知りながら、患者に事実関係を伝えていなかった。何故なのか。厚生省はどちらを向いているのだろうか。患者の方だろうか、製薬会社の方だろうか、それとも自分たち自身の方だろうか。
[告知のプラスとマイナス]
◎本人への告知は、患者にとってプラスだ。だが、 医師、製薬会社、厚生労働省にとっては、社会的な問題になることや、訴訟などの大きなマイナスを抱え込むことになる。患者の命や生活よりも、自分たちが被る災難を避けたいとの思いが強いのだろう。
[副作用報告制度]
◎そのようなこともあり、薬害エイズ事件を機に1997年、製薬会社に報告義務があることを薬事法の条文(副作用報告制度)に明記した。
[問題発覚後に投与を認めた]
◎その結果、ある女性は、薬害肝炎の疑いが強い症例リストに該当し、国や製薬会社も約20年前に把握していたが、彼女へは告知しなかった。訴訟でも、白々しくも国などは投与を否定していた。所が、今回の問題発覚を受けて、一転して投与を認めた。
[不利な資料は隠す]
◎自分たちの不利になるような資料は隠して公表しない。国や製薬会社は情報隠しだとは認めていないが、どう考えても、隠したとしか考えられない。防衛省の件でも、情報を操作したとまでいえないとしても、事実を隠していた。
[責任の所在を明らかにする]
◎また、いつもながら責任の所在を明らかにするという手続きがない。権限を持つということは、同時に責任を引き受けるということである。重大な不祥事(この場合には適切な対応を怠った結果の甚大な被害の引き起こし)を発生させてしまったら、責任をとるべきだ。
[情報隠しに歯止めをかける制度]
◎事実隠し、情報隠しに歯止めをかけるような制度があるのだろうか。現在の制度では、あったとしても、全く機能していない。
[内部告発]
◎歯止めへの一つの手としては、内部告発を期待する。告発者の保護は法律で明文化されている。とはいえども、現実には、自分の地位身分をかけて実行せねばならない。いまだに、解雇や左遷などが横行している。だから、人生をかけての告発となる。
[告発の窓口]
◎すでにやっていることではあるが、新聞、報道、行政機関、政党、ネット上のサイトなどが告発の窓口として受け入れる。告発の窓口の多様化が期待される。
[刑事告発]
◎もう一つは、刑事告発をする。社会保険庁で、国民から受け取った年金を横領・着服した場合には、今回何人かが刑事告発されることとなった。告発せずに、内部処理をした場合には、処理した者が全責任を負うという制度を作るべきだろう。
[全省庁的ネットワーク]
◎このような事例を積み上げて、情報隠しや告発なしの内部処理などがあれば、事例に沿って、厳格に対処する仕組みを、全省庁的ネットワーク(全省庁の統括本部)として機能する制度を確立すべきだと思う。
[効果はかなり限定的]
◎とはいえ、次の事例で見る限り、同じことが繰り返されるのだから、効果はかなり限定されそうだ。
薬害エイズ問題では、帝京大病院医師安部英、厚生官僚松村明仁、製薬会社ミドリ十字代表取締役三名が業務上過失致死容疑で逮捕・起訴された。この裁判は2000年にミドリ十字の3被告人に実刑判決、2001年3月に安部医師に無罪判決、9月に松村に有罪判決が出た。(Wikipediaから抜粋引用)