真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

不寛容が生むすくみ現象

[失敗を重ねながら成長]
◎私たちは、失敗を重ねながら成長してゆく。若いということは、失敗が許されるという特権を持つことだと思う。
[人を練習台にして]
◎実を言えば、教師や医師は人を練習台にして、技術を伸ばしていく職業である。もちろん、気持ちの上では、人を「練習台」とは見ていないが。
[経験と技術が伴わない]
◎彼ら(若い教師や医師たち)は真剣勝負で臨んでいても、悲しいかな、経験と技術が伴わない。結果、多くが失敗(不満足)に終わる。それを大先輩から激励の言葉として言わせれば、人を「練習台」として伸びてゆく以外に道はないとなる。
[すくみ現象]
◎しかしながら、経験と技術が伴わない若輩者には、失敗を許されない場面では、足がすくむ、身がすくむ「すくみ現象」をもたらしてしまうのも致し方ない。
[失敗に対して訴訟や告発]
◎ましてや、昨今のように、失敗に対して、訴訟や告発が控えているとなれば、失敗をするわけにはいかない。ますます「すくみ現象」の登場場面が増えてくる。
[緒川たまき]
◎私は、毎回、テレビ番組「Tomorrow」(日曜、21:00)を楽しみにして見ている。ここで「緒川たまき」を発見した。彼女の斜に構える顔が実にいい、ムチを持たせると更にいい、なんちゃって。でも、彼女の冷たい態度の裏(奥)にはちらちらと暖かい血を感じる。後半の彼女の展開が楽しみである。
[医療ミスを乗り越えてゆく]
◎この番組の基本テーマは、8年前の医療ミスを、本人が、被害者たちが、(医療)関係者たちが、患者たちが、いかに乗り越えてゆくかではないかと思える。
[失敗に不寛容になりすぎ]
◎最近気になるのは、日本は余りにも、「失敗に不寛容になりすぎている」のではないかということである。
[完成(完璧)度の高さを求める余り]
◎不寛容に傾きすぎる原因は、「完成(完璧)度の高さを求める余り」であるように思える。完成度の高さは、不備の排除によって進む。あまりに過度を求めると、成熟、爛熟から腐敗へと進みかねない。
[完成度の低さは失敗]
◎成熟世界では、完成度の低さは失敗と見なされてしまう。本来はグラデーション(滑らかに連続して変化してゆく表現)であるべき判断が、失敗と成功とに二分されてしまう。ここでも、アナログからデジタルへと変換されてしまった。
参考資料→(私のブログ)「善のもつ光と陰」
参考資料→(私のブログ)「日本は無菌保育室になっていないか」
[本態性振戦]
◎「Tomorrow」の中でも、森山医師の同僚医師(安達=袴田吉彦)が、精神的なものから来る、「すくみ現象」ともいえる、「本態性振戦」にかかっていた。彼はそれを必死に隠そうとしている。
[失敗することへの恐怖]
◎彼の場合には、「失敗することへの恐怖」から来ているものと思われる。一般的なものでは、「人前で綺麗な字を書こう」とする緊張から、手が震えて逆にまともな字が書けなくなってしまう「すくみ現象」(振戦)が知られている。
[発症する、発覚する]
◎「Tomorrow」でも、同僚医師(安達)が森山医師の腕の傷を外科手術する場面で、「すくみ現象」(振戦)が発症する、発覚する。
[落ち着かせる]
◎それを森山医師が彼を落ち着かせることによって克服させ無事手術は成功する。ちょっと安易すぎるとは思えるが。これが1時間ドラマの限界だろう。
[不登校もすくみ現象]
◎「すくみ現象」をネットで調べていたら、偶然に不登校を扱うページで、この「すくみ現象」を取り上げていた。不登校もやはり「すくみ現象」と捉えているようだった。もちろんすべてがそれではないだろうが。
[せかさないで]
不登校児への対応を一言で言えば、「せかさないで」であった。森山医師も同僚医師(安達)への声かけも、落ち着かせることを目的としたものだった。
[強い叱責、高い責任]
◎急かせる、過度の要求をする、完璧さを求める、過度の完成度を追求する。しかも、それに失敗したときに、強い叱責を浴びせる、高い責任をかぶせる。
[高い断崖の前に立たされる]
◎そうなれば、人は、高い断崖の前に立たされたときのように、失敗が落下と直結する。緊張で身も心もすくんでしまう。
[よほどの無知な人]
◎これで、「すくみ現象」を起こさずにいられるのは、よほどの強い精神力の持ち主か、よほどの肝の据わった御仁だけであろう。はたまたよほどの無知な人(「知らぬが仏」)だろう。