真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

偽装発覚のきっかけは内部告発

[ニチアスの耐火材偽装]
◎建材メーカー大手の「ニチアス」は、耐火材の性能試験で、試験体である建材をあらかじめ水槽につけて水を含ませたり、実際に販売するものより耐火性能の高い材料にすり替えるという偽装を施した上で、国土交通相の認定を受けた。
[耐火性能基準を満たさず]
◎その結果、約4万棟分は認定の耐火性能基準を満たしていない。製品が使われている物件の把握を進め、交換補修などの対応を始めるとニチアスはいう。
[内部告発の動きを受けて公表]
◎同社内では2006年10月の時点で、社内製品調査で不正が判明していた。所が、内部告発の動きを受けて10月17日、初めて国交省に報告し、10月30日に偽装事実公表の記者会見した。しかし、記者会見寸前まで事実を公表せず出荷を続けた。
[詐欺罪が成立]
◎冬柴国交省大臣はニチアス問題について、”性能不十分なものを大臣認定を受けたと偽って販売した詐欺罪が成立すると思う”という考えを表明した。
[改修に約300億円の費用]
ニチアスは1日、約4万棟分の建材の取り換えと改修に約300億円の費用がかかる見通しだと発表した。偽装でもうけた以上の吐き出しであろう。目先の利益のために、信用とお金とを地獄にまで落としてしまった。信用を取り戻すためには、誰かが地獄に堕ちねばならない。
[過去しか見ない役人の悪癖]
国交省は記者会見で、犯罪事実が確認できればニチアスを告発することを検討すると述べた。所が、”過去の例から見ると(告発は)難しいのではないか”という。前へ進むために、新しい前例を作るべきだろう、過去ばかり見ないで。過去しか見ないのは役人の悪い癖だ。
[事件が起こるたびに法律が徐々に完備]
建築基準法にも、試験で不正をしたニチアスに対する処分の規定はないという。これも、事件が起こるたびに、法律が徐々に完備されてゆく。仕方ないのかもしれない。
[内部告発が功を奏した]
内部告発によって企業の諸々の不正が発覚する事態が急増している。今回でも、内部告発が功を奏した。 ニチアスが偽装を公表したのも、匿名の告発文書が会社に届いたからだった。内部告発がなければ、偽装をこのまま続けていただろうから、社会正義をもたらすのに、内部告発は大きな力となりつつある。
[それでも内部告発はやまなかった]
◎老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)での、不正告発の電話が同社関係者から東海農政局にかかった。通報者は手口(製造日の改ざんなど)を詳細に説明した。結果として、三重県が2度立ち入り検査したが、それら不正を確認できなかった。それでも内部告発はやまなかった。
[発覚端緒は一通の内部告発メール]
◎また、石屋製菓では、「白い恋人」の賞味期限改ざんなど次々と不祥事が発覚した。事件の発覚端緒は石屋製菓への一通の内部告発メールの受信だった。
[発覚のきっかけはほとんどが内部告発]
◎このように、食品偽装の発覚のきっかけは、ほとんどが内部告発である。10月29日に発覚した高級料亭「吉兆」グループの「船場吉兆」が期限切れの菓子を販売していた偽装問題も、保健所への匿名の通報が発端だった。
[内部告発が引き金となって事件化]
◎さらには、比内鶏社の場合は保健所に情報提供があった。さらにまた、過去の偽装事件(雪印食品)における内部告発では、BSE(牛海綿状脳症)対策の牛肉買い上げ制度を悪用し、輸入牛肉を国産牛肉との偽装を暴いた。この場合は、倉庫会社社長による内部告発が引き金となって事件化した。それが今映画化されている。
[食品の不正行為に関する告発が急増]
◎このところ、食品の不正行為に関する告発が急増している。ミートホープの食肉偽装事件を契機に農林水産省への告発が一気に増えた。6―9月(3ヶ月)は前年同期の2.7倍に当たる1241件に達した。偽装手口を具体的に説明する内部告発が目立つ。
[製品を自主回収する動き]
◎逆にまた、食品業者の方が事件化するのを恐れて、製品を自主的に回収する動きも急増し、1―9月で昨年1年間の 2.2倍の527件に上っている。
[見て見ぬふりして隠蔽]
◎内部の恥をさらすな的に、都合の悪い情報は、業界ぐるみ、監督官庁ぐるみ、企業ぐるみで、見て見ぬふりして隠蔽する。互いに持ちつ持たれつで隠すから誰も罪悪感を感じない。見つかっても、誰も責任を取ろうとしない。
[国民消費者の目線に立つ意識改革]
◎指導する側の行政は、今までのような業界保護と縦割行政から脱皮して、新たに国民消費者の目線に立つという意識改革と仕組み・法改正すべきだろう。最近は、行政への批判も強くなって、少しは動きが軽きなってきたが、今までは受け付けた内部告発たらいまわしにしたり、あえて放置したりなど、本当に腰が重かった。
参考資料⇒「消費者庁」=from"Wikipedia"/福田康夫内閣総理大臣による施政方針演説(2008年1月18日)から。

今年を「生活者や消費者が主役となる社会」へ向けたスタートの年と位置付け、あらゆる制度を見直していきます。現在進めている法律や制度の「国民目線の総点検」に加えて、食品表示の偽装問題への対応など、各省庁縦割りになっている消費者行政を統一的・一元的に推進するための、強い権限を持つ新組織を発足させます。併せて消費者行政担当大臣を常設します。新組織は、国民の意見や苦情の窓口となり、政策に直結させ、消費者を主役とする政府の舵取り役になるものです
[不正を隠し通せる時代ではない]
◎偽装指示などは、会社側が社員は自分たちの思い通りに動くと信じていたからだろう。ところが、今では終身雇用が無くなって会社に忠誠を尽くす滅私奉公は完全に吹っ飛んでいる。不正を隠し通せる時代ではない。不正隠しは結局は会社を傾かせると、経営者は肝に銘じるべきだ。