真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

国際学習到達度調査(PISA)の結果から見えるもの

[国際学習到達度調査関連記事]
◎今回のこの記事(ブログ)は、グーグルニュースに載った、国際学習到達度調査関連記事から引用抜粋して構成した。若干私語が入りますが。
[報道機関の学習到達度調査にもなった]
◎なお、十数社の記事を読んで、報道機関、編集者、記者の、能力、意欲、取り組み姿勢が見えてきて面白かった。おざなりの記事しか書けない(あえて書かない?) 報道機関は淘汰されるのでは。今回は、私にとって、報道機関の学習到達度調査にもなった。
[順位が低下]
経済協力開発機構(OECD)が行った2006年国際学習到達度調査(PISA)で、前回調査(2003年)から順位が低下した。なお、日本は全国から抽出した約6000人の高校1年生が参加。
[全分野で順位を下げた]
◎具体的には、2位から6位に転落した「科学的応用力」、6位から10位へ「数学的応用力」、14位から15位へ「読解力」と、全(3)分野で順位を下げた。
[アジアの国がトップグループをほぼ独占]
◎上位国は、台湾が1位、香港が3位、韓国が4位で、アジアの国がトップグループをほぼ独占した。
参照→OECD 調査の分野別ベスト5
[学びへの関心や意欲の低さ]
◎生徒の学びへの関心や意欲に関して。「科学について学ぶことに興味がある」と答えた日本の生徒は50%で57ヵ国中52位、「理科の勉強は役立つ」との回答も42%(56位)で、科学への関心や意欲の低さが、順位低下につながった可能性が高い。
[日本は最下位から二番目]
◎特に気になる回答は、「理科の勉強は役立つ」への否定的回答と合わせて、「理科から多くのことを学んで就職に役立てたいか」への肯定的回答で、日本は最下位から二番目(56位)である。学習が人生を「生きる力」となっていないという実感の反映だろう。
[知識の活用力に課題]
◎知識を活用する力に課題がある。具体的には、「疑問を認識する」で8位、「現象を説明する」で7位と、自ら課題を設定し説明する力に弱点を持つ。このような能力を育ててこなかった証拠だろう。
[自分で問題を見つけ解決する力]
◎調査担当者に、「PISAでは、子供のどんな力を試そうとしているのか」との質問に、担当者が、「自分で問題を見つけて、解決できる力です」と答える。設問は、考え方の過程や、知識・技能の活用方法などを重視する。
[知識を使って何ができるか]
◎つまり、基礎学力(「読み書き計算」)の試験が全く出題されない。知識や教養を使って何ができるかを試す問題が中心である。
[どのように答えを導き出すか]
◎今回出題されたのも、「実社会に出てから直面する出来事に、手持ちの知識でどのように答えを導き出すか」という設問であった。それに対しての日本生徒の、「勉強は役立つ」への否定的回答と、「就職に役立てたいか」への否定的反応とを考え合わせるべきだ。
[ゆとり教育で授業時間が減った影響?]
東京理科大の沢田利夫教授(日本数学教育学会名誉会長)も「調査のたびに落ちていくのは、ゆとり教育で授業時間が減った影響であることが明らかだ。期間が長引くほどさらに低下するだろう」と指摘する。
[授業時間が少ないフィンランドが最高位]
◎しかしながら、日本より授業時間が少ないフィンランドが前回に続き、最高位を獲得したことを考えれば、そうではなさそうだ。それを裏書きするコメントが二つ。
[授業方法の改善を提示]
◎理科教育に詳しい東大の兵藤俊夫教授は、「授業時間不足で応用も学んでいなかった。活用力を上げるには、教員が社会や生活上の疑問を提示するなど授業方法を改善しないといけない」といって、授業時間不足と同時に授業方法の改善を提示する。
[答えを導き出す時間を与える]
◎また、早稲田大の中島博名誉教授は、「大切なのは子供がじっくり答えを導き出す時間的な余裕をつくってあげることだ」として、子供が「答えを導き出す時間を与える」必要を説き、授業内容(時間と量)の増加を疑問視する。
[自らの言葉で説明できない]
◎日本は記述や論述の問題で、白紙回答が他国と比較しても多く、答えを導き出した過程を「自らの言葉で説明できない」生徒が多かった。
[日本の知識重視の教育は太刀打ちできず]
◎知識を単に受け取るだけの「丸暗記」型では「生きる力」は得られず、「日本の知識重視の教育では到底、太刀打ちできない」、積極的に自らの言葉で説明する、表現力重視の授業が必要である。
[応用や活用に必要な能力を育てる]
◎事務総長(OECD)も、「単に知識の記憶だけなら、多くの国の労働市場から消えつつある種類の仕事にしか適さない人材育成となっている」と指摘する。事務総長は、日本は応用や活用に必要な能力を育てるようにと示唆した。
[現行の入試問題が諸悪の根源]
◎「日本は結局、高校や大学の入試問題が変わらないと教育は変わらない。このままではさらに順位が落ちる可能性がある」。断片知識を丸暗記で通用する現行の入試問題が諸悪の根源ではとも思う。
[フィンランド式の授業を続けた成果が見られた]
◎前回に続き最高位を獲得した、フィンランドに教師を派遣した御所南小では、児童を少人数に分けてテーマで議論させるフィンランド式の授業を続けた結果、児童が自分の考えを積極的に発表できるようになり、全国学力テストで成果が見られた。
[答えを導く過程が重視]
フィンランドは、教育方法が学校、教師に任され、答えを出すことよりも、答えを導く過程が重視されている。少人数で生徒同士が議論したり、教師と考えたりする授業が主流。授業時間は少ないが、授業についていけない生徒を個別指導で減らす教育を徹底する。しかも(or)だから、教師の信頼も厚い。
[韓国は知識詰め込みから考えさせる授業へ転換]
◎過去の結果を踏まえた韓国では、「知識の詰め込み」から、「考えさせる」授業への転換をはかっている。こういういくつもの事実を突きつけられても、日本はまだ、単に授業内容(時間と量)の増加で乗り切ろうとするのだろうか。