真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

死刑の執行停止を求める国連総会の決議

[死刑の執行停止を求める総会決議]
◎国連が、死刑の執行停止を求める総会決議を採択した。具体的には、死刑執行の一時停止を加盟国に要請する決議案を、賛成104、反対54、棄権29で採択した。
[欧州連合加盟国など87か国が共同提出]
◎この決議案(2007/12/18)は、世界中の死刑制度廃止を目指す欧州連合加盟国など87か国が共同提出したものである。また、南米、アフリカ、アジア各地域の87か国が決議の共同提案国になった。
[死刑制度存続国は64か国]
◎死刑制度存続国は中国、イラン、サウジアラビア、米国など64か国であり、日本、米国、中国など死刑制度を維持する国々は反対に回った。死刑制度を維持し、実際に執行も続ける国は日本を含め世界の少数派になった。
[133か国が事実上死刑制度廃止]
◎なお、この決議に法的拘束力はない。 すでに、国連加盟192か国中、133か国が死刑制度を廃止するか、事実上取りやめている。
[日本は世界の潮流に逆行]
◎日本は世論の支持が高いという理由から死刑制度を存続している。しかし、世界の潮流に逆行することで、国際的な肩身の狭さをひしひしと感じなければならなくなる。
[死刑と無期懲役]
◎日本の刑法で、死刑に次いで重い刑罰は、無期懲役である。
[服役年数10年で仮釈放]
◎しかし、この無期懲役は、終身刑の最低服役年数10年が過ぎれば、仮釈放されることが大半である。
[死刑と無期懲役の間に差がありすぎ]
◎つまり、言葉上無期であるが、実際上は、社会復帰が可能である。結果、この二つ量刑、死刑と無期懲役、の間に差がありすぎるので、仮釈放のない絶対的終身刑を導入するべきだという意見もある。
[死刑の抑止効果はない]
◎所で、死刑、終身刑およびほかの懲役刑も含めて個別の刑罰の抑止効果はあるのだろうか。実のところ、統計上効果が実証されていない。
[死刑廃止後も犯罪傾向に変化なし]
◎逆に、死刑廃止後に劇的に犯罪が増加したり、凶悪化した典型的ケースはこれまでに報告されていない。
[心理的効果は期待できない]
◎ということで、 死刑があるから凶悪犯罪が減る抑止効果とか、ないから増えるとかの心理的効果としては、期待できるものではない。
[死にたいがために殺人]
◎犯人の動機が、「死にたいから、死刑になるために事件を引き起こした」というように、死にたいがために殺人を犯した事件も散見されるように思う。あるいは、多数を無差別に殺して、その後に自分も自殺をするという(道連れ自殺)事件も実際に数々起こっている。
[被害者感情としての死刑要望]
◎犯罪への抑止力としての死刑ではなく、被害者感情としての「死刑の要望」も無視できないように思う。家族が被害者になった場合には、裁判所と行政が、被害者に成り代わって、敵討ちをするという一面もあるのではないか。
参考))私のブログ記事、「犯罪被害者と遺族感情」と、「犯罪被害者救済」
[子供が殺された親の自然な感情]
◎それがなければ、赤穂浪士の討ち入りが行われかねない。もしも私の子供が殺された場合、絶対に、裁判では、犯人に対して死刑を望む。子供の無念さを考えれば、それが親としての自然な感情ではないのだろうか。
[人の命は地球より重い]
◎「人の命は地球より重い」は、福田赳夫首相(現福田首相の父上)が言った言葉である。地球より重い人の命を奪った殺人犯が、10年で刑務所から社会復帰するのは、余りにもバランスが崩れすぎてはいないだろうか。