真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

独占所有から共有化へ

[所有観念]
◎赤ん坊は、所有観念がない。たぶん、自分の体だって自分のものだという意識はないだろう。だから、所有観念は人間になって獲得したものに違いない。それには言葉が大きく寄与していると推測する。
[外に向かう好奇心]
◎赤ん坊は、近くにあって、興味の引くものを触ってみたいと思う。生まれつき、外に向かう好奇心は所有しているはずだ。それがなければ、生存そのものが不可能だろうから。
[所有物]
◎しかし、それは年長の子供の所有物だった。その子は貸してやりたくない。赤ん坊はそれでも手を出して取ろうとする。自分のものという所有観念がないということは、他人の物という所有観念もない。
[自分と他人の区別]
◎それを見た年長の子供は赤ん坊をぶつ。赤ん坊は泣く。こういう光景を、大人ならば何度も目にするだろう。年長の子供には、自分と他人の区別はほぼ出来ている。
[貸せば貸してもらえる]
◎そこで、親は説得する。「あなたの物を貸してあげれば、あの子の物を貸してもらえるわよ」。かくて、子供は、「自分の物を貸せば、他人の物を貸してもらえる」と知る。
[互いが一つづつ所有]
◎ここに五人の子供が寄れば、互いが一つづつ所有すれば、残り四つも使える。しかるに、独占所有ならば、相変わらず、一つだけである。
[誰でも使える共有化]
◎かくて、賢者は、他人に使わせない独占所有から、誰でも使える共有化へと進む。時代は徐々に共有化へと進んでいる。
[共有主義]
◎この考えには、決定した概念が与えられているのだろうか。例えば、「共有主義」とか。早速ネットで検索してみた。驚いたことに、「共有主義」がネットの網に引っかかった。トップに掲げられていたのは、「共有主義と情報経済学」だった。
[WEB2.0]
◎ネット世界では、「WEB2.0」という言葉で、「共有主義」が語られている。ここでは、物ではなく、情報なのだが。
[共有財産として自由に使い合う]
◎私は、「共有主義」を、「みんなが少しずつ持ち寄って、大きなものを作り上げ、それをみんなで共有財産として、自由に使い合う」と定義したい。
[WikipediaYouTube ]
◎ネットでは、「Wikipedia」などが、その代表的なものだろう。もはやそれは世界最大の百科事典になってしまった。「YouTube」もそうだといっていいだろう。
[自由に見せてもらうだけ]
◎とはいえ、私は、Wikipedia にも、YouTube にも、一つも持ち寄らずに、もっぱら自由に見せてもらっているが。
[税金を保険金を持ち寄って]
◎もっとごく普通の事柄でいえば、みんなが少しずつの税金を持ち寄って、道路を建設したり、少しずつの保険金を持ち寄って、必要な人に大きな金額を手渡す。
[株式会社]
◎現在は、大企業はほとんど株式会社であろう。この株式も、「みんなが少しずつ持ち寄って、大きなものを作り上げる」という趣旨に近い。だが、現実には、株は少数者が独占所有しているに近い。
[宝くじ]
◎見方を変えれば、宝くじは、みんなが少しずつのお金を出し合って、大きな額にして、少しの人々に気前よく与える。多くの涙と引き替えに、少数の笑顔が生まれる。
[趣旨からはずれる]
◎しかし、ここまで来ると、「みんなで共有財産として自由に使い合う」という趣旨からは余りにも大きくはずれる。
[地上の天国]
◎私には、「地上の天国」とは、 共有主義があまねく行き渡った世界をいうのではないのだろうかと思える。
[独占所有欲が薄まってゆく]
◎私は、みんなの心から、独占所有欲が、出来るだけ早く薄まってゆくのを期待している。果たして、地上の天国は来るのだろうか。