真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

先が見えない閉塞感、行き場のないエネルギー

[埼玉県父親刺殺事件]
◎2008/7/19、埼玉県川口市での、中学3年女生徒による就寝中の父親刺殺事件。新聞や報道を見聞きする限り、父親刺殺への明確な動機が見えてこない。
[関係者の言動などを列記]
◎数日間のその事件に関する新聞報道を追ってみた。本人や母親や父親の関係者の言動などを列記する。
[勉強しろに反感]
◎本人(中学3年女生徒)は、「両親から『勉強しろ』と言われることに反感があった。父親とは普段からあまり会話はなかった」と供述する。
[言われると、うっとうしい]
◎また、「親から勉強しろと厳しく言われると、うっとうしいと思うこともあった」とも供述する。
[親子関係は何も問題はなかった]
◎母親は、「父と娘はけんかをすることもなく、親子関係は何も問題はなかった」と話している。
[普通の父娘]
◎また、母親は、「2人は仲がよかった。大きなけんかもなく普通の父娘で、動機に思い当たることはない」と話している。
[成績が下がり追試験]
◎女生徒が通う私立中学による話。彼女は事件前日の18日、期末試験で成績が下がったため英会話の追試験を受ける予定だったが、無断欠席。
[長男が電話に応答]
◎それで、担任が18日、自宅に電話すると小学6年の長男が「風邪で寝ている」と答えた。その時両親は留守だった。
[周囲に「お父さんがむかつく」と話す]
◎関係者によると、学校の成績は中位で、バスケットボール部を2年時に退部した。将来の夢を「薬剤師」と語る。彼女は父親が学校の成績に対して厳しいことに不満を抱いていて、普段から周囲に「お父さんがむかつく」と話す。
[父親と長男と彼女で買い物]
◎とはいえ、事件当日には、父親と長男と彼女の3人で近くのスーパーに夕食の材料などを買いに行き、帰宅後、父親と彼女の2人でチキンカレーを作り、家族4人で食べた。
[お父さんが家族を殺す夢]
◎私から見て、とても気がかりな出来事は、彼女が「お父さんが家族を殺す夢を見た」と話したことだ。その内で特に気がかりなのは、夢の中での父親は、「彼女を」ではなく、「家族を」殺したことだ。
[家族全員の心を殺してしまうほどの存在]
◎つまり、彼女にとって、父親が、そのような存在、彼女のみでなく、家族全員の心を殺してしまうほどの存在として心の奥底では感じられていたのだ。
[夢を見た直後]
◎彼女が父親殺しを決意したのは、その夢を見た直後であったことだ。その夢は、行動実行への引き金(トリガー)の役目をしたように思える。
[生き物はエネルギーを持つ]
◎樹などは、先端を切られると、その横から新しい芽を出して、伸びてゆこうとする。生き物は、エネルギーを持っている。エネルギーは次から付きへと補給され続ける。
[ホースの先端をふさぐと水は出口をなくす]
◎所が、樹と違って、水が出て来る蛇口に直結されたビニールホースの先端をふさぐと、その水は出口(行き場)をなくす。ビニールホースの途中で穴が開いていれば別だが。
[エネルギーは順調に流れていない]
◎彼女は、期待されていたのだろう。それに応えられていない現実があったといえそうである。彼女の持つエネルギーは順調に流れているとは言い難い。受けるべき、英会話の追試験を受けなかったのだから。
[親からの叱責落胆などの怖さ]
◎追試を受けざるを得ないのは、期待に応えられていない現実を意味する。それを親には素直にいえない。たぶん、親からの叱責、落胆などの怖さからだろう。
[窮鼠猫をかむ]
◎これらの状況に対して、状況から、私は、「窮鼠猫をかむ」ということわざが思い浮かんだ。追い詰められて出口を失ったエネルギーはどこかに出口を見つけ出そうとする。その時、夢が、その出口を指し示したと。
[エネルギーは使い続けなければならない]
◎生きているとは、エネルギーが絶えず泉からわき出しているということである。そして、そのエネルギーは使い続けなければならない。つまり、どこかに出口を見つけ出し続けなければならない。
[エネルギー処理は苦しい作業]
◎先が見えない閉塞感に陥った人間にとって、このコンコンと心のドアを叩いて湧き続けてくるエネルギーを処理することは、苦しい作業である。
[不意の爆発さえも引き起こさせる]
◎この停まってくれはしないエネルギーが、閉塞感に陥った人間にとって、苦痛の種である。これがイライラを発生され、怒りを引き起こし、時には、不意の爆発さえも引き起こさせる。