真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

保護育成か自然淘汰か

[残る文化は必死さが違う]
「橋下知事が芸術論「残る文化は必死さが違う」」を読んで感じたことを書きたい。
[自然淘汰と保護育成]
◎その記事中に出て来た、「需要がなければ消えるのが当然。弱肉強食」の自然淘汰自由主義。「需要がなくても守るべきものを守れ」保護育成・保護主義。この二つの対立語句を軸に考えてみた。
[世界貿易機関]
◎折しも、世界貿易機関(WTO)が、「世界の自由貿易の新たな枠組みを作る多角的通商交渉の大筋合意を目指し、閣僚会合」を開いている。
[世界的に見て高い日本食品]
◎日本国内の食品価格は、国内の農産物市場の保護のため、農業分野の輸入品に課す高率関税の結果、世界的に見ても極めて高い。
[自由貿易推進]
◎この自由貿易推進という市場開放要求(外圧)を構造改革の好機と見て、日本は国内農業の生産性を高める改革を進める方向へと舵を取る手もあろう。
[完全に守りに入る]
◎保護育成に死守するのか、自然淘汰に身をゆだねるのか。日本は、農業分野(保護主義)を優先させるがために、強い分野(自由主義)に関しては、強く押し出せない。完全に守りに入っている。
[高い関税の矛盾]
◎どこの国でもそうだが、自国の弱い分野は、 高い関税をかけて保護育成したい。しかし、自国の強い分野に関しては、相手国の高い関税が大きな障壁となる。
[自国の強みを殺す保護優先]
◎自国の保護を優先することは、自国の強みを殺すことになる。発展の方に重きを置くのか、維持と保護に重きを置くのか。日本で自民党政治が終焉・崩壊しかけていると関係ありそうな気もする。
[体を鍛える発想]
◎寒いといって、厚着をさせるだけで、その寒さに耐えうる体力をつくるために、体を鍛えるという発想は出てこないのだろうか。とはいえ、寒さで風邪を引いた子どもはどうすればいいのか。
[強者がどんどん勢力を伸す]
◎例えば、自然のまま放っておけば、自然淘汰の力によって、強い者がどんどん勢力を伸ばしてゆく。マイクロソフトがそのよい例であろう。世界のパソコン環境は、WindowsとOfficeに占領されてしまった。
[最たる者が人間]
◎自然界では、その最たる者が人間である。人間は、自分中心に、自分たちのために、自然破壊をどんどん進めている。では、自然はそれに対してなすすべ無くただ呆然としているのだろうか。
[自然自身による反撃]
◎今のところ、これを押し留めるのは、自然自身による反撃である。今、自然はそういう意味では、どんどん反撃をし始めている。これなども、長い目で見れば、自然淘汰なのだろう。最後には、人間自身が淘汰されるだろう。
[日本の労働分野]
◎別の面では、日本の労働分野においては、自然淘汰自由主義が闊歩して、企業側は、安い労働力が手に入りやすい状況である。安い外国の労働力と闘う必要があるという名目で。
[苦しい労働者の労働と生活環境]
◎結果、労働者は日々の暮らしがやっとといえるほどの低賃金に甘んじ、さらにはサービス残業名ばかり管理職、正社員から派遣社員への切り替えなどによって、労働者の労働と生活環境は苦しくなるばかりである。
[日本全体がやせ細ってゆく]
◎またその結果、高い頭脳がどんどん海外に流出してゆく。これなども、自由主義だからといって、放っておくと、日本全体がやせ細ってゆくのは目に見えている。
[企業にとっても大きな負債]
◎すでに日本は、負のスパイラル(循環)に陥っている。長い目で見れば、日本全体の衰退となって、今はプラスに作用している企業にとっても、大きな負債(優秀な労働者不足、国内消費市場の衰退)となって返って来る。
[自らブレーキを踏むめない]
◎これらの例から考えれば、自然淘汰自由主義にゆだねて放任しておくいては、極端に走りすぎて、自らブレーキを踏むことができなくなる恐れが極めて大である。転がる石はもはや自力で止められなくなる。
[勝者も敗者も納得できるルール]
◎スポーツは世界に数々あれども、ルールを持たない競技は存在しない。強い者、弱い者が互いに戦い、どちらかが勝利しても、納得して終われるのは、ルールのお陰であろう。強者も弱者も、勝者も敗者も納得できるルールの存在。
[自由競争と保険のバランス]
◎人間であれば、大人になるまでは、社会が手を貸し扶養してゆくが、大人になれば、自由競争という鍛える場の中に入れる。だけれども、体力が衰えたり、病気になれば、やはり、手を差し延べ、支えるという保険を提供する。