真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

自暴自棄、絶望を思い留まらせる防波堤

[子供たち全員、保育所育ち]
◎私と妻とは、共働きで、4人の子供たち全員は、ほぼ一歳未満から保育所育ちであった。私の友人は、「子どもは母親の手元に置いて育てるべきだ」と強く主張した。事実、彼の子供たち2人は、母親が四六時中手元に置いて育てた。
[二家族一緒に泊まりがけ旅行]
◎我々(彼と私の)子供たちが小学校時代に、二家族一緒に泊まりがけの旅行をした。私の子供たちは、無邪気に活発にはしゃぎ回り、存分に楽しんだ。
[親の後追いをする]
◎だが、彼の子供たちは、親のそばから離れようとはせず、親の後追いをするように、常にそばにつきっきりだった。私たち夫婦を見ても、おずおずとして、私たちが話しかけても親の陰に身を潜めた。
[子供たちを習い事やスポーツなどに通わせる]
◎その後、彼は子供たちを習い事やスポーツなどに通わせるようになった。それまで彼は常に子どもを保育所に預けるのはかわいそうだ、親の手で育てるべきだと主張していた。たぶん、私たちの子どもの様子を見て考えが変わったのかも知れない。
[クラスに最低一人は不登校児]
不登校児童生徒数が報道された。平成19年度は過去最高を記録した。特に、中学校では、34人に1人が不登校である。クラスに最低一人は不登校児が存在することになる。
[子どもを自分の手元に置き過ぎる]
◎今の親は、平均的に子どもを自分の手元に置き過ぎるのかも知れない。今時の親子の姿を見れば、それを痛切に感じる。それが、「モンスターペアレント」として表面化しているのだろう。
[嫌われないよう顔色を見て生きるのに疲れた]
◎埼玉県で父親を殺害した中学3年女生徒は、「人の顔色を見て、嫌われないように生きるのに疲れてしまった」と犯行動機について供述した。
参考資料→(私のブログ)「先が見えない閉塞感、行き場のないエネルギー」
[よく思われたいから一生懸命勉強]
◎彼女は、「お父さんとお母さんによく思われたいから、一生懸命勉強をやっていた」と話した。
[親の期待はとても励み]
◎子供たちにとって、親の期待はとても励みになる。誰かが期待を持って自分を見ていてくれることが、意欲へとつながる。
[勉強する動機]
◎所が、彼女が言うように、その結果、「一生懸命勉強」する動機が、「お父さんとお母さんによく思われたいから」となる。
[両親から見捨てられる不安、恐怖]
◎逆転してしまえば、「期待通りの成績を取らなかったら、お父さんとお母さんによく思われ」ないと判断してしまう。両親から見捨てられる不安、恐怖が募ってくる。両親が、彼女にとって、押しのけられない重圧として頭にのし掛かってくる。
[人生の暗闇]
◎精神的に、「親のそばから離れようとはせず、親の後追いをする」依存から抜け出せていないならば、「両親からの見捨てられ」は人生の暗闇である。真っ暗闇の野原に一人取り残された心境かも知れない。
[すべてを終わりにしたい]
◎「両親からの見捨てられ」=「人生の暗闇」が、「何もかもがいやになった。すべてを終わりにしたいと思った」と彼女が事件に至った経緯の説明ではないだろうか。
[自暴自棄や絶望]
◎「見捨てられ」たとの自暴自棄や絶望。そういう時に、それを思い留まる防波堤になるのは、友人であり、先輩であり、家族である。
[成長指標の一つは人間関係]
◎子どもの成長指標の一つは、人間関係である。赤ん坊から小学校中学年あたりまでは、家族がその子どもの主たる依存対象である。
[友達がより大切な人間関係]
◎しかし、小学校中学年あたりから家族よりも、友達がより大切な人間関係と見なされる。この当たりから友人が上手く作れるかどうかが重大関心事となる。軸足が家族関係から友人関係へと移りゆく。
[中学校時代から心の友]
◎とはいっても、小学時代は所詮遊び友達の域を超えない。中学校時代から、心の友の関係に入り始める。
[ある程度の自立心が必要]
◎ここで大切なことは、友達関係に入るには、ある程度の自立心が必要である。つまり、「対等に、助けてもらったり、助けたり」の関係を保てなければ、相手は重荷と感じて離れてゆく。
[意識的に自立心を育てるしつけ]
◎子どもを世に送り出す親にとって、是非ともしておきたいことは、中学時代までに、意識的に「自立心を育てるしつけ」をすることである。自分たちが殺されたくなければ。もはやこれは単なる冗談ではない事態である。
[親子関係が重すぎるほどの比重]
◎父親を殺害した中学3年女生徒の場合、いまだに、親子関係が重すぎるほどの比重を持って、彼女の上にのしかかっていたのだろうと思える。