真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

臨床心理学(カウンセリング)は相手の心の中を知ろうとする

[親や上司や指導者は相手の心の中を知る努力を]
◎今回はちょっと退屈な堅い話をしたいと思う。というのは、親や上司や指導者は相手(子ども・部下・学習者)の心の中を知る努力が要るのではないかと思うからである。
[臨床心理学(カウンセリング)]
◎心理学、特に臨床心理学(カウンセリング)は、相手の心の中を知ろうとする。もちろん、興味本位で知ろうとするわけではない。何が問題で彼(女)はあんなことをするのか知って、それを解決しようと思うからである。
参考資料⇒「臨床心理学の著書」(fromアマゾン)
[映し出す装置を持っていない]
◎心の中を知るには、心の中を見ようとする。とはいえ、臨床心理学は、レントゲン写真のように、映し出す装置を持っていない。
[心の中を何かに写し取る]
◎もちろん、手術をするように直接相手の心の中を切り開いてみるわけにはいかない。それで、やはりレントゲン写真のように心の中を何かに写し取るという方法を使う。
[自由連想法]
◎その方法が実にさまざま考え出されている。一番簡単な(?)方法が、独り言のような感じで話をさせることである。精神分析(フロイト)がその方法(自由連想法)を開発した。理性というブレーキをはずして、自由に心の赴くままに話をさせる。
参考資料⇒「自由連想法」=from"Wikipedia"
[単なる表面的なおしゃべり]
◎しかし、聞き手が十分訓練を積んでいないと、話し手は、単なる表面的なおしゃべりをするだけに終わってしまう。心の中をしゃべらせるのはそう簡単な技術ではない。
[見た夢を語らせる]
◎話をさせるとおしゃべりになりがちなので、見た夢を語らせる。これ(夢分析)はユングが得意とする。夢は心の中から噴き上がってくるあぶくのようなものである。夢の意味を知らない話し手は正直に語る。その解釈方法を知っていると、相手の心の中をうかがい知ることができる。
参考資料⇒「夢分析」=from"Wikipedia"
参考資料⇒「夢分析」に関する著書たち(fromアマゾン)
[箱庭を作らせる]
◎誰でも夢を見るとはいえ、誰もがそれを目覚め後にも覚えているわけではない。で、河合隼雄は箱庭を作らせた。話には理性(左脳)の関与が入り込みやすいが、右脳からの直接(イメージ)表現には(言語を司る)左脳の関与が及びにくい。
参考資料⇒「箱庭療法」=from"Wikipedia"
参考資料⇒「箱庭療法」に関する著書たち(fromアマゾン)
[左脳を黙らせる]
◎逆から言えば、左脳が主導権を取っている場合には、右脳は力を発揮しづらい。右脳は沈黙してしまいがちである。右脳の力を発揮させたければ、左脳を黙らせなければならない。
[リラックスは右脳を優位に働かせる]
◎リラックスは、右脳を優位に働かせやすい。それでリラックスさせながら、イメージが湧いてくるのを待つ。そのイメージを箱庭を作らせるなり、絵を描かせるなりで表出させる。
[イメージとして浮かび上がらせる]
◎逆から言えば、心の中は、まず最初にイメージとして浮かび上がらせる。それをそのまま(左脳を経由せず)箱庭なり、絵なりに表現させる。
[左脳が介在すると理性が関与]
自由連想法では、そのイメージを言語化させる。その時には左脳が介在するので、理性が大きく関与する可能性が出て来る。
[理性はそのままを表現させない]
◎理性は、自分の体面とか、自尊心とか、社会的責任とかの諸々の諸事情を考慮する。その結果、心の中にあるそのままが表現されないという結果になる。
[邪魔する理性を排除]
◎ということで、相手の心の中の真実を知りたいと願う臨床心理学は、願いを邪魔する理性をできるだけ排除しようと試みる。
[心の中を知らないまま一生過ごす]
◎結果、理性がどんな場合でも強く働く御仁には、臨床心理学は手を焼く。でも、その御仁自身、自分の心の中を知らないまま一生過ごすことになりかねない。
[理性のままに生きる]
◎その御仁は理性のままに生きたけれども、心のままに生きることはなかったという人生に終わってしまう可能性がある。
[何の絵も思いつかない]
◎理性の強い御仁に、「自由に思いつくままに絵を描いてください」といっても、何の絵も思いつかない場合が多い。
注)「理性」はトップダウンで働き、「心の中」はボトムアップで伝達する。「思いつくまま」は、ボトムアップ伝達である。
[特定のテーマを提示]
◎そんな場合には、特定のテーマを提示して書かせることになる。例えば、特定のテーマとしては、「木を描かせる」というものがある。
参考資料⇒「バウムテスト(樹木画テスト)」=from"Jinkawiki"
参考資料⇒「バウムテスト」に関する著書たち(fromアマゾン)
[木はその人自身を表す]
◎この場合の木は、その人自身を表す。その木を見ると、その人の人柄、性格、歩んで来た人生の道筋、などがおぼろげながら分かる(見える)。
[色から心理状態を読み取る]
◎私は、「オーラの泉」をできるだけ欠かさず見るようにしている。そこで、色の意味が解説されることがある。好きな色、嫌いな色からその人の人柄が分かる。心理学でも色から心理状態を読み取る。
参考資料⇒「色彩心理学」
参考資料⇒「色彩心理学」の著書たち(fromアマゾン)
[コンプレックスを浮かび上がらせる]
◎連想検査をすることもある。これは心の中のコンプレックス(解決されていない問題)を浮かび上がらせる。方法は、言葉を聞かせて、そこから連想するものを述べる。その内容やかかった時間からコンプレックスを発見する。
[知っていて損のない技法]
◎このようにいろんな方法を身につけていると、相手の言葉や態度や話す内容などから、その人の心理状態がうかがい知れることがある。上に立つ立場の人ならば、知っていて損のない技法だと思える。