真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

真実とは何か、心の持ち方、線引きの仕方如何だ

[実に良かった]
◎私は毎回欠かさずTBS 日曜劇場「Tomorrow」を見ている。今日(2008/8/31)も実に良かった。今回が今まででもっとも感動した回だった。
[遠藤紗綾の秘密が明かされる]
◎何故かとても心惹かれていた遠藤紗綾(緒川たまき) の秘密がついに明かされた。彼女が何故金に執着するのか、謎の植物状態の女性患者との関係。それに彼女が何故患者や他人一般に冷たい態度を取っていたのか。
[謎はこの一点]
◎すべての謎は次の一点にあった。「彼女は、母親から愛されていなかったと感じていた」に。植物状態の女性患者は彼女の母親だった。でも何故の延命治療だったのか。
[償い、和解の言葉を聞きたい]
◎彼女が植物状態の母親を延命させていたのは、意識が戻って、紗綾に、「ゴメンね、許して、これからは大切にするわ」との償いの言葉、和解の言葉を聞きたいがためであった。それ故に高額な治療費を払い続けていた。
[母親の真実の心を知る]
◎ここで、紗綾は母親の真実の心を知る機会を持った。母親の財布には、紗綾が載った新聞記事(大学入学、医師国家試験合格、彼女の特集記事など)が大切に保存され、それらには優しい言葉が添えられていた。
[心は涙とともに洗い流される]
◎これを見ることによって、彼女の心は涙とともに洗い流された。彼女は、母親に抱いていた悲しみ、苦しみから解き放たれた。

追記)彼女の軽い涙が気にかかる。本当ならば、慟哭、嗚咽ほどの強い感情の吐露があってしかるべきではないか。
[そこから解き放たれた]
◎今までの彼女はその一点(母親から愛されなかったとの思い)からしか世界を見ていなかった、その一点にだけ基づいて行動していた。彼女はそこから解き放たれた、心は自由になった。無垢の心で世界を眺めることができるようになった。
[自分への温かい思いやりを知る]
◎私は彼女のその心の動きを見ていて、涙してしまった。彼女は子ども時代からずっと、母親を冷たいと思っていた。が、母親の新聞記事の切り抜きを見て、「自分への温かい思いやりを持っていたんだ」と理解した。
[固定観念を作り上げて判断]
◎私たちは、愛に関してだけでなく、自分や他人をこうだと判断して、その判断を基準にして固定観念を作り上げて、自分や他人を見てしまう、判断してしまう、行動してしまう。
[世間は甘くない]
◎とはいっても、私は、冷たく見える世のすべての母親が、本当はそうではないんだと、言いたいわけではない。世間はそう甘くはない。
[悪循環の輪]
◎実際に、世間の十人中九人までが、その母親は冷たいと判断せざるを得ない程の母親も大勢いるのは事実だから。とは言っても、その母親も親から冷たい仕打ちを受けてきたのかも知れない。悪循環の輪を巡っているだけなのだろう。
[親は冷たい⇒世間の大人は冷たい]
◎そのような母親の子供たちが、紗綾のように、その一点(親は冷たい⇒世間の大人は冷たい)からしか世界を見ていない、その一点にだけ基づいて行動する場合も多々見受けられる。
[回る因果の糸車]
◎そのような彼らを、大人側が、冷たく突き放せば、彼らは、「やっぱりな」と益々確信を持って大人を眺めるようになるだけである。悪循環の輪を回すだけである。「回る因果の糸車」である。
[包容力で包むまゆ]
◎輪を切り放つには、彼らに対しては、母親の代理を務める大人が、彼らと格闘しながらも、母親的な包容力で包む期間(まゆ)が是非とも必要である。あるいは、少なくとも、「自分は母親に暖かく包まれていたんだという確信」が。
[内観法]
◎話は変わって、心理療法に、「内観法」(fromWikipedia)という療法がある。その療法は、「吉本伊信」(fromWikipedia)が創始した。
注)内観法の方法はWikipedia「吉本伊信」の方が詳しく載せている。

母親をはじめ身近な人に対する自分を1週間研修所にこもって3つの観点から反省する。自分を客観視することが出来るようになり、しばしば劇的な人生観の転換を起こす
(fromWikipedia「内観法」)ことが期待されている。
[事実への解釈を変える]
◎これは事実の方を変えようとするのではなく、事実への解釈、判断の方を変えようと目指す。紗綾が母親の新聞記事の切り抜きを見て、今までの凍った心が解放されたように。事実がどうであるかではなく、その事実をどう解釈・判断するかである。心理学はそういう。
追記:2010/08/12)すべての事実は、伝えられる中で、解釈し判断されているので、伝えられた事実はそのまま、あるがままではありえない。
追記:2011/02/12)事実は、言葉に置き換えられる段階で判断が価値付けが行われている。だから、表現された事実は、すべて解釈済みである。
[温かな愛で溶けて心が解放されますよう]
◎親に対して、悲しい思いで鉛のように重い心を引きずっている方がおありであれば、紗綾が受けたように、凍てついた心が温かな愛で溶けて心が解放されますようにお祈り申し上げます。悲しい因果の糸車が回らないように。