真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

紙新聞対Googleニュースの役割の違い

[野口悠紀雄氏のコラム]
◎私が、コラム「新聞は紙面を4ページに減らし、 ウェブへのポータルに特化すべし|野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道」(fromダイヤモンド・オンライン)を読んでいて、違和感、首をかしげる文に出会ったので、今回はそれを取り上げたい。
[キーワードは超]
◎このコラムの著者「野口悠紀雄」氏のキーワード、キャッチフレーズは、「超」である。私は、氏の著書の内、「超」整理法と、超「超」整理法とを読ませていただいた。
[アナログ情報の整理法]
◎前者は、アナログ情報の整理法であった。その方法は私にとって、目から鱗だった。後者はデジタル情報の整理法である。後者については、以前に私のブログで「超「超」整理法を読んで」という題で書いた。
[けもの道をひた走るイノシシ]
◎野口氏は、これ以外にも数々の「超」シリーズの著書を出し続けておられる。「けもの道」のコラムを書いておられるが、私にはけもの道をひた走るイノシシのような存在に見える。
[違和感を感じた部分]
◎本題に戻るが、氏の言葉で違和感を感じた部分を引用する。

紙の新聞には、他のメディアには代替できない役割があるためだ。最大のものは、「見出し」が果たしている機能だ。このニュースがどの程度の大きさの見出しで報道されているかを見たかったからである。つまり、ニュースの内容そのものではなく、その評価を知りたいと思ったのである。「ニュースがどれだけの大きさで、どこに載っているか」を新聞が提供する最重要な情報として捉えている。日々のニュースの重要度に関する評価は、人々が新聞に対して求めている最大の機能だ。
[Googleニュースでは重要性の判断が不可]
◎見出しの大きさとその場所によってニュースの重要度に関する評価を見る野口氏は、その直後に、「Googleニュースでは、ニュースの重要性の判断ができない」と言われた。
[大いに疑問を感じた]
◎が、私はそうは思わない。新聞の役割については否定する気はないが、「Googleニュースでは、ニュースの重要性の判断ができない」という部分について大いに疑問を感じた。
[Googleニュースを毎日読みに行く]
◎私は「Googleニュース」を読みに行かない日はないくらい勝手に無料で定期購読している。そして、すごく有り難く利用させていただいている。感謝、感謝。
[610以上のサイトから記事]
◎その「Googleニュース」は、「610以上のサイト」から記事を集めている。そして、それらを社会面や経済面やスポーツ面など9つに分類する。
[類似記事は一つにまとめる]
◎日々どれほどの記事数を集めるのか分からないが、類似・同類の記事は一つにまとめる。その結果、代表記事の下に「関連記事」数が明記される。
[数が重要度に関する評価]
◎私はこれを「重要度に関する評価」として捉えている。あるテーマの記事数が数百(300〜400)に上ることも珍しくはない。
[同類記事数によって判断]
◎野口氏が言われるように、アナログ新聞では、「見出しの大きさ」から評価を判断するが、デジタル新聞では、「同類記事数」によって判断できる、少なくとも私はそうしている。
[新聞社の権威に頼る]
◎だが、この評価の仕方に大きな違いがある。アナログ新聞では、その新聞社の権威に頼っている。つまり、その新聞社の編集者による「経験と勘」である。そこに新聞社の方針が見えてくる。
[新聞社によって評価が変わる]
◎逆に言えば、各新聞社によって、ニュースに対する評価が変わってくるということだ。それはまた、どの新聞を取るかという個人の考え方も関わってくる。
[CGM的機能に頼る]
◎それに対して、デジタル新聞では、その重要度については、「610以上のサイト」から集める記事で構成するというCGM(消費者が内容を生成するメディア)的機能に頼る。
参考資料→「Consumer Generated Media」(fromWikipedia)
[多数の一般者に頼る]
◎これは少数の権威者に頼るか、多数の一般者に頼るかの違いともいえる。これもアナログ世界での一握りの専門家対デジタル(ネット)世界での多数の一般者という構図が当てはまる。
[Googleニュースの特長]
Googleニュースは自身の特長をこう述べている。
1つの話題についてさまざまな観点から書かれた記事の選択肢を提供していることです。 Googleニュースでは1つのニュースについて複数の記事をリンクしているので、気になる話題について、様々なニュースソースから提供される記事を読むことができます。記事の見出しをクリックすると、そのニュースの提供元サイトにアクセスして全文を読むことができます。
[専門家への大きな信頼]
◎氏が、新聞の見出しにこのような大きな信頼を置いているのは、専門家へのやはり大きな信頼なのだろうと感じる。Googleニュースのような多数の一般者による投票的な評価に全幅の信頼は置けないだろう。
[百科事典]
◎だがしかし、百科事典においては、少数の権威者が執筆するアナログ百科事典は多数の一般者が投稿するネット百科事典(Wikipediaに代表される)に敗北した。
[少数の権威者対多数の一般者]
◎少数の権威者対多数の一般者という構図は、リアル世界の「トールヘッド」対ネット世界の「ロングテール」という構図とも符合する。
参考資料→(私のブログ)「失敗を保険する」
[紙の新聞の役割は、ウェブへの目次、窓口]
◎野口氏はこうも言う。
新聞が果たすべき最重要の機能が見出しだとすると、新聞の全体が、「目次」になってしまってもよいのである。詳細な情報はウェブで提供すればよい。紙の新聞の役割は、ウェブへの目次であり、窓口であり、案内である。
[この意見に賛成]
◎私はこの意見には賛成である。新聞がニュースの概略を載せて、ネットで詳細な情報を提供する。しかし、紙新聞はそのような役割に甘んじるつもりはなさそうである。
[記事の書き分け]
◎最近、紙新聞の紙面に占める分野別の記事の割合がかなり変化してきたようである。それはネットにも上げる記事(ニュース記事)と紙にしか載せない記事(特集的記事)との書き分けである。ネットではこんな記事は読めませんよと挑戦しているように感じる。