真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

カウンセリングとは「見える化」(フィードバック)である

[言い訳を強く攻めない]
◎子供たちと接していると、言い訳や逃げに出会うことが多い。私としては、それに対して、強く攻めないように心がけている。といっても、内心ではいらついているのですが。そこで今日は、その「強く攻めない」理由について話したい。
[言い訳は逃避]
◎私は、「言い訳」などは「逃避」(「対面しての対決」の逆)だと見る。そして、その逃避を直接逃避と間接逃避とに分ける。
[直接逃避]
◎その内の「直接逃避」を、「自分に直接責任が降りかかってくる」方法での逃避だと定義する。たぶん、この定義は私の勝手な定義だと思うのですが。
[間接逃避]
◎「直接責任が降りかかる」「直接逃避」に対して、「間接逃避」の方を、「自分に直接責任が降りかからない」方法での逃避とする。つまり、私は「責任」を基準にして逃避を二つに切り分けた。
[精神耗弱]
◎例えば、自己防衛ではなく殺人を犯しても、その殺人者に「直接責任が降りかからない」で、無罪が言い渡される場合がある。それは犯行時「精神耗弱」などと判断された場合である。この精神状態にある人の行為には法的責任が問えない。この事例は逃避行動ではないが。
[病気に陥って逃避]
◎そこで、間接逃避の例として、試験日に試験を受けたくない受験生を取り上げる。彼(女)が、「試験を受けたくない」(これが直接逃避)と直接親には言えないときに、病気(風邪、腹痛、骨折など)に陥って逃避することである。
[仮病と本当の病気]
◎その場合でも、本人が自覚した仮病(意識が関与)という形で逃避する場合がある。もし仮病ならば、それは「直接逃避」となる。が、本当に病気(無意識が関与)に陥る場合(「間接逃避」)もそれに劣らず多い。
[正常状態に戻すのが困難]
◎このような「本当の病気」状態に陥ると、「正常な状態」に戻すのにかなり苦しい困難を伴う。その理由は、無意識関与の習慣的行為化する(orしている)からである。何か嫌な事態に陥ったら、無意識が病気に逃げ込むからである。私はこれが怖いので、「強く攻めない」のだ。
[逃避の自覚がない]
◎「無意識的病気への逃げ込み」のやっかいな点は、「本人自身に逃避しているという自覚がない」からである。そうなると精神論(精神主義)は通用しない。
[本人も不運を嘆く]
◎本人自身も、本気で、「こんな時に限って病気になってしまうんだから」と思っている。その結果、「逃げ込み」はいつまでたっても改善されない。
[その責任を問えない]
◎何故ならば、「精神耗弱」による殺人と同じように、「無意識的病気への逃げ込み」をする学生を、親も指導者もその責任を問えない。諦めるしかないのだ。だから、その学生のその逃避は続くことになる。
[人間は三層構造]
◎人間は、三層構造になっている。一番上の意識(知性・理性)より下に、感情があり、感情より下に身体がある。先ほどの「試験を受けたくない」と直接親に言う直接逃避については、意識(知性・理性・意志)活動ということになる。
[意識活動の制御が一番たやすい]
◎人間は、意識活動をコントロール(制御)するのが一番たやすい。とはいいながら、もちろん、これとてそう簡単なことではないが。その次は、感情制御である。感情を抑えるのもそんなに簡単なことではなく、かなり長期間の困難な訓練(修行)が必要だが。
[一番困難なのは身体制御]
◎しかし、一番困難なのは、身体を制御することである。普通、身体は意識(知性・理性)が直接制御できる範囲内にはないからだ。呼吸や眼球活動や手足の動きなど意識が制御できる部分や範囲もかなりあるが。
[行動への意識(意志)の関与度合い]
◎先ほどの「精神耗弱」は意識(知性・理性)の制御能力が著しく弱っていることを表す。結果、身体行動を制御できなかったのだと見なされる。よって、無罪と判定される。法律はこのように行動への意識(意志)の関与度合いを重視する。
[フィードバック]
◎意識で直接制御できない身体活動を制御する方法として、「フィードバック」がある。これは最近の言葉で言うと、「見える化」である。例えば、体温表示装置を体につけて、体温を表示(フィードバック)すると、体温制御がしやすくなる。数度も体温を上げ下げできるようになる人もいる。
[見える化]
◎このように無意識的に、習慣的に行われることに対して、「見える化」(あるいはフィードバック)することで、行動・活動を意識にまで上げる。そのことで(間接的)制御が可能となる。
[動物は行動を変えられない]
◎とはいっても、動物は行動を変えられない。その理由は「見える化」(フィードバック)がないからである。しかし、人間が訓練することによって、新しい行動を獲得することができる。人間が動物の意識の代役(代理)を果たすことができるからである。
[前頭葉]
◎動物は自分の行動を「自分の意志・意識」で意識的に変えてゆくことはできないけれども、人間にはそれができる。そのわけは、前頭葉にある。
[人間の前頭葉は他を抑制]
◎もちろん、高等動物(犬や猫)も前頭葉を持っているが、他の働き(感情や身体行動)を抑えることができるほどには発達していない。それに対して、人間の前頭葉は脳全体の大きな部分を占める。訓練次第では、感情や身体機能を大幅に制御できるようになる。
[意識(知性・理性)に訴える]
◎だから、私としては、相手の逃避を「強く攻めない」で、意識(知性・理性)に訴えていく方法を取りたいと思う。相手の逃避を「強く攻める」ことを繰り返すと、相手は、逃避を「間接逃避」にしてしまうことがよくある。
[カウンセリング]
◎そうなってしまった相手に対して、カウンセリングは、(自分を移し出す)鏡を提供することで「間接逃避」を「直接逃避」に切り替えさせる。つまり、カウンセリングとは「見える化」(フィードバック)である。
[意識が強い者は]
◎という私の考えから、直接逃避や間接逃避を、「強く叱ることで治す」のは、うまくいかない場合も多いのではないかと思っている。もちろん、もともと意識(知性・理性・意志)が強い者は、自ら、治す能力が強いので、「強く叱ることで治す」方式も有効であろうが。
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