真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

危機下での勝ち組と負け組と進化論

[未曾有の経済危機下]
◎今(2009/1/8現在)は世界中が未曾有の経済危機下にある。そこで、今日は、危機が進化論と関係し、勝ち組と負け組とも関係するという話をしたい、前回の続き的な内容だが。
参考資料→(私のブログ)「危機は不備を洗い出す」
[ダーウィン進化論]
◎私は、(ダーウィン)進化論に興味を持ってはいても、あまり専門的知識を持ち合わせないので、ずぶの素人による似非進化論となりそうであるが。
[適者生存による勝ち組]
◎適者生存による「勝ち組」は、今の状態がいつまでも続いて欲しいと願う「現状維持派」である。だから変化は望まない、「今のままがいい」という。
[負け組は改革派]
◎それに対して、「負け組」は「改革派」である。今の環境は居心地が良くない。自分にとって居心地のよい新天地(フロンティア)を待ち望む、「変化」(CHANGE)を求める。
[環境が勝ち組と負け組を分かつ]
◎でもどうしたら、負け組改革派に勝利があるのだろうか。ヒントは、勝ち組も負け組もすべてが「環境の中に生きている」である。その環境が勝ち組に負け組にどのような風を吹かせるかである。
[シアノバクテリア]
◎そこで例を一つあげる。はるかはるか昔(25億年前頃)に、シアノバクテリア(藍色細菌)が発生した。その細菌は葉緑素(クロロフィル)をもち、酸素発生型の光合成をおこなう。
[嫌気性生物は負け組に転落]
◎この酸素生成によって、今まで勝ち組だった嫌気性生物は、負け組に転落し、酸素呼吸する生物=好気性生物は、勝ち組として負け組(嫌気性生物)と立場が入れ替わった。
[進化は好気性生物が担う]
◎それ以降、進化は好気性生物が担うこととなった。ことほどさように、シアノバクテリアは以降の進化を決定づける生物となった。人間が存在するのもこのバクテリアのお陰である。
[勝ち組恐竜が死に絶えた]
◎さらにもう一つの例。最近(と言ってもとてつもなく昔ですが)では、地球に巨大隕石が落下(火山活動説もあり)するという環境変化(長い年月太陽光が遮られた)によって、それまで我が物顔で闊歩していた勝ち組恐竜が死に絶えた。

大量絶滅の直後には、空席になったニッチ(生態的地位)を埋めるべく、生き延びた生物による急激な適応放散がおきる。例えば恐竜が絶滅したことにより、白亜紀には少数派であった哺乳類は、急速に多様化・大型化が進み、生態系の上位の存在として繁栄を享受することとなる。
「大量絶滅」(fromWikipedia)
[日陰のリスほどの猿]
◎その時代まで負け組で日陰のリスほどの猿(夜行性が幸いした)がどんどん進化の階段を駆け上がり、ついには人間にまで進化した。
[新しく出現するのは環境変化による]
◎このように、進化的に上位の生物が新しく出現するのは、環境変化によってである。逆に、現状維持派の勝ち組は環境変化に対応できずに、絶滅か、日陰の身へと退いてゆく。好気性生物の出現までは、嫌気性生物が我が世の春を謳歌したように。
[新しい環境へと適応]
◎それに反して、改革派の負け組は、新しい環境へと適応する機能や構造を勝ち取って、勝ち組へと進展してゆく。
[負け組から敗者復活]
◎もちろん、負け組のすべてが勝ち組へと進展するわけではない。逆に、ほとんどが現状維持か、あるいは最悪では敗退(絶滅)へと追い込まれる。そうやすやすと、負け組から敗者復活で、勝者になれるわけではない。
[突然変異を取り込む少数改革派]
◎勝ち組として進展できるのは、新しい環境に適合する突然変異を取り込めた数少ない改革派だけである。
[構築した堅固な枠組み]
◎それに引き替え、勝ち組だった現状維持派は、それまでに構築した堅固な枠組み、システム、組織を作り上げている。
[新しい環境には当然不適]
◎それらは、今までの古い環境にとっては最適なものであったが、新しい環境には当然不適である。であっても、環境が変化したからといって、強固な牢獄から抜け出すことは限りなく困難である。
[古いシステムにしがみつくしかない]
◎今までの最適環境に適合したシステム(生態的地位)の中でしか生きられない個体群は、沈むと分かっていても、いつまでもその古いシステムにしがみつくしか方法がないからである。
[最適環境は食料の種類が決める]
◎動物でいえば、最適環境は食料の種類が決める。例えば、パンダは笹がなければ生きてゆけない。食性を変更するのは至難の業である。環境変化によって笹が生えなくなれば、命取りになる。
[マイクロソフトは最強の勝ち組]
◎更に別の現代まさに起こりつつある例をあげる。個々のパソコンが独立的に存在している環境下では、パソコンにインストールするソフトを製造するマイクロソフトは最強の勝ち組となった。
[GoogleやYahooが勝ち組]
◎だが、ネットワーク、インターネットによって、パソコン同士の結びつきが強くなり、ソフトはサーバーに置いておく時代になると、それらを無償提供するGoogleやYahooが勝ち組へとのし上がってきた。
[新しいネット環境が新勝ち組を創造]
◎ネット中心の時代にあっては、マイクロソフトは敗者の憂き目を味わわざるを得ない。ネットワーク、インターネットという新しい環境が新しい勝ち組を創造したといえる。