真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

本質とはどんものなのだろうか、その三

[心引かれる川柳]
◎今日は、本を読んでいて、その中で引用されていた、とても心引かれる川柳(俳句)に出会った。ので、それを取り上げたい。
[憎しとて叩くにあらず雪の竹]
◎その川柳とは、「憎しとて叩くにあらず雪の竹」、である。ネットで出典や作者を調べてみたが、残念ながら分からなかった。
参考資料→「ふれあい講座」ここには同様な川柳(俳句)がいくつか取り上げられている。
[下の者への厳しい教育]
◎文字として表現されている、「叩く」という行為と、その行為の背後にある意図(憎しにあらず)。私には、これは、上に立つ者が、下の者への教育やしつけについて、その心情を吐露した俳句だと感じられた。
[表面的な意味]
◎この句の表面的な意味はといえば、「雪の重みでゆがんでしまった竹を叩いて、その雪を振り落として、また元のような真っ直ぐ上を向く姿勢を取らせる」、ということであろう。「竹のように真っ直ぐな」という表現も下敷きにしているのかも知れない。
[自然の情景を詠む]
◎俳句やことわざなどは、表向き、自然の情景を詠むが、その相似形を、人とのやり取りや人生の中にも見出すことを期待しているという場合も多い。
[比喩]
◎あるいは、「自然描写」を比喩として、間接的に「人とのやり取りや人生」を表現するといってもいいかもしれない。目的とする方向は、「人とのやり取りや人生」の表現の方である。
[皮相と本質]
◎このような、表面の意味と真意。「表に見える行為」と、それを実行させた「意図(心)」。即ち、行為と心。表層と深層。表面と裏面(内面)。皮相と本質。浅と深。
[問題の本質を捉えるには]
◎私は、以前このブログで、「問題の本質を捉えるにはどうすればよいか」(2007/01/12)という記事を書いた。私は、「本質ってなんだろう」という疑問を常々抱いていた。
[本質とは何だろうか]
◎また、2008/11/28にも、「本質とは何だろうか」という記事を書いた。そこで、「無駄なもの、表面的なものをそぎ落として、なおかつ残っているものが、本質」である。と「本質」を定義した。
その記事から引用を三つ。
(1)"皮を超え、肉を超え、種(骨)にまで達する切り込みを入れないと、本質は捉え切れない、見えて来ない。そのままを丸呑みするだけでは、盗用・盗作に過ぎない。そこまで行かなくとも、上辺をなでた浅い記事に過ぎない。"
[盗作にならずに済むには]
◎誰しも完全に自分のオリジナルの文章を書くことはできないだろう。ほとんどは、他人からの借り物である。それが「盗用・盗作」にならずに済むには、自分で咀嚼した上で、自分らしい言葉で表現するという作業を挿入することだろう。
(2)"ほとんどの「病気」(根治療法でいう根っこ)は、表面には現れない。現れるのは、病状である。例えば、「38度の熱がある」とか、「背中に発疹がある」とか、「頭が割れるように痛い」などである。"
[事象の裏にある共通因子]
◎これは個々の事象を表面に表している裏面にある本質とも言い換えられよう。ニュートンが個々の事象の裏にある共通因子をつかみ取った瞬間が、たまたまのリンゴの落下であった。その場合の共通因子とは、引力(万有引力)であった。
(3)"表面に現れたいくつもの病状と、本人から聞き取った(問診した)病状と、検査によって現れた結果とを、総合的に判断して診断が下される。これは「本質」の捉え方と同じであろう。"
[総合的に判断]
ニュートンは、さまざまな動きから総合的に判断して「万有引力」という判定を下した。医師が、「総合的に判断してどんな病気かの診断を下す」ことが、「本質の捉え方」と同じならば、これは要約と同じであろう。
[全体を包み込む]
◎全体を見て、全体を包み込む文で表すのが要約(要点を短くまとめること)なのであるから。もしそれが文で表すのではなく、短い語句ならば「見出し」といえよう。科学ならば、「専門用語」と呼ぶかも知れない。
[キーワード]
◎もしそれが単語ならば「象徴」となろう。あるいは、「キーワード」と言い換えてもいいかもしれない。とすれば、本質とは、全体を包括する、網羅する文、語句、キーワードと言い換えられよう。
[国語力、読解力]
◎そうなれば、本質を捉える能力とは、国語力、読解力である。全体を見渡して、それをエッセンスとして絞り出す能力である。皮を超え、肉を超え、種(骨)にまで達する切り込みを入れることである。深くまで掘り進むことである。
[事件の重要度]
◎私は、ニュースを読んだり、見聞きしたりしたときに、この事件の重要度を知りたいと思う。そんな時に、解説者、コメンテーター(評論者)の言及がありがたい。
[影響の大きさ、強さ]
◎重要度は、それが他へ及ぼす影響の大きさ、強さで表せられるだろう。そのためには、それにまつわる関連する出来事や事件を数多く知っている必要がある。
[地下に伸ばす根の全体像]
◎これは、あたかも、表面で出ている樹が地下に伸ばしている根っこの全体像をどれだかつかみ取れているかという比喩で表現できるだろう。
[高い位置から広くを見渡す視点]
◎私たちが本質をつかみ取るためには、高い位置から広くを見渡す視点を獲得することが必要になる。また、たくさんの経験をし、たくさんの情報に接し、それをまとめる読解力が必要だといえる。