真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

散逸構造と自民党の崩壊前夜

[堅い用語]
◎今日(2009/8/24)は、かなり(or極めて)硬い表現になるのでご勘弁願いたい。
[メガブレイン]
◎私は今、「メガブレイン」(byマイケル・ハッチソンfrom総合法令出版)を読んでいるので、そこで見つけた内容の受け売りである。その内容に触発されてこの記事を書くことにした。
[巨大な頭脳]
◎この本はとても興味深い本なので、皆様も読まれるようにお勧めする。「メガブレイン」とは、直訳すると、「巨大な頭脳」である。副題として、「脳の科学的な鍛え方」を掲げている。
[素人の脳科学探求者]
◎作者は、作家で、素人の脳科学探求者である。どこか、日本の「立花隆」的な存在に思える。この人も面白い経歴の持ち主である。
[現在の政界を思い浮かんだ]
◎と、本の紹介はそこまでにして、本を読んでいて、現在の自民党、現在の政界を思い浮かんだので、急きょ、これを書いている。
[進化は環境の中から]
◎「進化の過程」は、「環境に適応し、組織化し、成長を続けながら、個特有の方向性を持ち、さらに複雑になる」。進化は環境の中から生まれ出る。環境にとって、最適なものが生き残れる。
注)「」内は「メガブレイン」からの引用である。以下も同じ。
[秩序は無秩序の中から]
◎「秩序は、無秩序を元に起こる。生命はエントロピーから発生する」。つまり、秩序は、無秩序の中から、あたかも、苗が、土から芽を出すが如くに、立ち上がる。無秩序を秩序化したものが芽を吹き、その無秩序からさらにエネルギーを吸収できたものが成長する。
[個人や組織をまとめる核]
◎政界で、政党とは、個々バラバラの個人や組織を、まとめる核(秩序)である。自民党は、戦後の混乱の中から、立ち上がってきた。そして、日本を引っ張り上げてきた。この功績はたたえねばならない。
[閉鎖系]
◎「閉鎖系は、その系と外部との間に物質やエネルギーの出入りがない、完全に独立した系である」。しかし、事実上、閉鎖系は存在し得ない。でも、自民党は個人個人からエネルギーを吸い上げるというシステムではなく、企業という組織からのみエネルギーを吸い取ってきた。
[エネルギーや物質をやり取り]
◎「散逸構造は、絶えずエントロピーを系外に押し出すことで秩序が保たれ、その構造を維持する。系の外からエネルギーや物質をやり取りする非平衡性の開放系である」。
[散逸構造論]
◎「散逸構造論は、種子、社会、都市、生命体、生態系、道路網などあらゆる開放系に当てはまる」。もちろん、政党などの非物質的システム、自民党にも、民主党にも当てはまる。
[代謝]
◎「構造を維持するために、系の外からエネルギーや物質をやり取りするのは、代謝である」。政党にとって、「エネルギーや物質」として、入ってくるのは、声や票である。出ていくのは、政策の実行(行動)である。所が、利権やお金のやり取りも行われがちである。
[不安定な、移ろいやすい環境]
◎「外部と、物質やエネルギーの交換が、自由に行われる散逸構造は、平衡には遠い、エネルギーに満ちた、不安定な、移ろいやすい環境から生まれ、発達する」。
[移ろいやすい環境から生まる]
◎「エネルギーに満ちた、不安定な、移ろいやすい環境から生まれ、発達する」が、人はどうしても安定を望む。既得権益をいつまでも手放さない。様変わりした環境に合わせた政策を打ち出せず、相変わらず旧態依然とした政策で取り繕う。
[安定と発達は反比例]
◎安定は、自ら発達を否定することである。安定と発達は反比例する。自民党は安定にあぐらをかきすぎた。その結果、自民党の発達は止まってしまった。
[変動を吸収し内部秩序を維持]
◎「外部環境が、非常に変化しやすく不安定なため、散逸構造自体、変動しやすいものとなる。構造は、ある程度まで変動を吸収し、エントロピーを外に散逸させ、内部秩序を維持する」。
[自己再生能力、自浄能力]
◎「ある程度のショックならば吸収し、ダメージを受けても自己組織力で、自ら癒すことができる」。この2〜3年の自民党を見ると、自己再生能力、自浄能力のなさは目に余った。環境(国民)からの要求に自己変革する自己再生能力が自民党から消えている。
[ついに崩壊へと至る]
◎「ある限度を超えると、その不安定さは余りにも大きくなり、吸収し、癒すことができなくなり、ますます不安定になる」。そしてついに崩壊へと至る。
[自民党の崩壊前夜]
◎私は、今、自民党の崩壊前夜だという気がする。この前の参議院選挙と、今回(2009/8/30)の衆議院選挙で、解体、崩壊、崩落するのではないかとも感じられる。
[循環の維持ができない]
◎崩壊寸前なのは、「エネルギーに満ちた、不安定な、移ろいやすい環境」から、声や票を吸い取り、政策の実行で返していくという循環を保たせることができなくなったからである。
[社会環境を読み取れない]
◎不安定な、移ろいやすい社会環境を読み取ることができなくなった当然の結果が、今回の衆議院選挙での各新聞社による投票結果予想に現れている。