真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

八ツ場ダムから見る民主主義と地域主権と地域エゴと

[違和感を感じる出来事]
◎最近、気がかりで、違和感を感じる出来事を見て、それについて書きたいという気持ちが強くなった。それは「八ツ場ダム」中止についての地元住民の反応である。
[住民の反応は地域エゴ]
◎正直な気持ちを言えば、住民の反応は、どう考えても「地域エゴ」ではないかという感じがしてしまう。それについて述べたい。
[民主党の公約]
◎建設反対は民主党の選挙中からの公約であった。だから、「前原国交相「建設中止の方針は変わらない」」(=from"日テレNEWS24")という意見表明は当然だと思う。

群馬県知事や地元町長との懇談で、前原国交相はあらためて建設中止の方針を示し、中止に反発する地元住民との話し合いは結局、行われなかった。
[中止を貫くべき]
◎引用中にもあるように、「中止に反発する地元住民は話し合い」を持とうとしない。気持ちは分からぬでもないが、私には、日本全体という視点からは、中止を貫くべきだと考える。
[八ツ場ダム事業中止の方針]
◎「前原誠司国土交通相は23日、八ツ場ダム(群馬県)を視察し、事業中止の方針を重ねて表明した」
[白紙に戻してほしい]
◎それに対して、「地元自治体の首長は「建設中止をいったん白紙に戻してほしい」(大沢正明群馬県知事)などと反発、予定した住民との意見交換会も開けなかった」=from"日本経済新聞"
[政治と階層構造]
◎私は、以前(2009/09/14)、このブログで「政治と階層構造と」という記事を書いた。それはこの件が念頭にあったからである。
国の組織も階層構造である。最小単位は個人で、個人が集まって家族を構成し、家族が集まってご近所を構成し、ご近所が集まって、地区町村を構成し、地区町村が集まって市を構成し、市が集まって都道府県を構成し、都道府県が集まって地方(近畿地方など)を構成し、地方が集まって国を構成する。
[国が最高決定機関]
◎地区町村や市の上に都道府県があり、その上に国がある。国が最高決定機関である。民法や商法などの上に憲法があるように。
参考資料→「国家戦略局が閣内の議論をリードするようにならないと」結局は個別の役所で政務三役が官僚と戦う構図になり、官僚に有利な展開になってしまうのではないでしょうか」
[目的に沿う形で予算を組む]
◎「国(政府、民主党政府)が、立てた目標、目的に沿う形で、予算が組まれるべきであり、本来ならば、それに合致しない、補正予算は返納すべきであろう」と、私はそこで述べた。
[地域主権]
◎地方が国からの指示に従うことになれば、民主党の掲げる「地域主権」との整合性が問題となる。とも考えられる。
[自由と責任とお金]
地域主権は、「自由」(主体性)と「責任」と「お金」がセットで与えられる。今回、それはどうなっているのかと言うことになる。
[地域住民は一旦受け入れよ]
◎私としては、まず最初に国の考え、「建設中止」を地域住民が一旦受け入れて、そこから、改めて話し合うべきだと考える。
[自分たちの責任の元で]
◎ダム建設を、地域が主体となって、地域住民が自分たちの責任の元で、建設を進めるなり、中止をするなりすればよい。その場合には、地域や関係方面が責任とお金を出し合って。
[地域主権と地域エゴ]
◎そういう点で、地域主権は、地域エゴとは違う。地域エゴとはならないためには、国から交付される自由なお金を建設に投資するなり、その他の事に使うなりすればよい。
[依存的な態度]
◎地域エゴは、「責任」よりもはるかに多くの「権利」を要求する。つまり、人で言えば、子どもっぽい依存的な態度である。地域主権は、それに対して、「大人」の態度を示すことである。
[最大の最高の目標]
◎最大の最高の(最高階層の)目標は、国民からの負託を受けた政府が掲げた目標である。それに合致しないお金はこれ以上投資すべきではない。
[地域がお金を出し合って]
◎それでもなおかつ続けたいのであれば、それに関係する地域や関係方面がお金を出し合って、継続すればよい。国から借金をしても構わない。
[有意義性は棚上げ]
◎私に、一番気がかりなのは、これからもお金を国に出させることを当然だと、中止すれば、そのお金が入ってこないからということで、そのダム建設の有意義性は棚上げにされるのではないかという思いである。
[完全に地域エゴ]
◎もし、ダム建設の有意義性をきちんと検証しないで、今までの成り行きだけから、建設継続を望むならば、それは完全に地域エゴである。
[国全体の予算配分という視点]
◎政府が掲げた目標の実現に向けた国全体の予算配分という視点から、見ていくという大人の態度が国民全員に求められる。それを確保保証した上で地域主権は成り立つ。それがなければ単なるわがままに堕してしまう。
[国民をそっちのけで予算配分]
◎その視点を忘れてしまうと、自民党が陥った、利権を継続するため、政治家と産業界と官僚とが、国民をそっちのけで、予算配分してしまうという弊害が再現してしまう。
参考資料→「八ツ場ダムとJAL 「政官業癒着」の構造は同じだ | 時評コラム 」=from"nikkei BPnet 〈日経BPネット"
参考資料→「八ッ場ダム関連に国交省176人天下り!」=from" (高野孟の「極私的情報曼荼羅」)"
[目標の実現に向けた予算配分]
◎そのためにも、今回から厳密に「政府が掲げた目標の実現に向けた国全体の予算配分という視点」を最優先させねばならない。
[民主党自民党と同じ轍を踏む]
◎それを理解した上で、地域住民は、要求を出してゆかねば、地域主権とは呼べない。それを求めねば、民主党自民党と同じ轍を踏む。