真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

トーナメント形式における「階層構造」

[トーナメント形式]
◎「トーナメント形式」について続きを書きたい。それは、「階層構造」(fromWikipedia)を成している。今回は、その特徴・特質を述べてゆきたい。
注)引用の大部分は、"Wikipedia"の「階層構造」項目から拝借している。
[階層構造]
◎「階層構造」とは、「各階を、下層から上層へと順に積み重ねて全体を構成している場合の構造」のことである。ビルを思い浮かべていただくと分かりやすい。階層について特に「積み重ね」を強調する場合には、「重層構造」とも呼ばれる。
[まとまった全体を構成]
◎システムが、さまざまな質の異なる性質を持ちながらも、それらがまとまった一つとして「全体を構成」させるには、「階層構造」を取らざるを得ない。
[単純から複雑へ]
◎つまり、「単純から複雑」へと進み、しかも「全体を一つのまとまりとして構成」させるには、どうしても「階層構造」が必要である。
[目に見えない階層構造]
◎とはいえ、「階層構造」が常に目に見えるわけではない。もちろん、目に見える場合もあるが。抽象的なシステムとして存在する場合には絶対に目に見えない。例えば、「会社の人的組織構成」のように。
[入れ子構造]
◎その「組織構成」方法は、「ある要素が複数集まることでひとつのユニット(集合体)を形成し、そのユニットが複数集まることでさらに大きなひとつの大ユニットを形成し、その大ユニットが、、、、という構造」を作る。
[一つ階層が上がる]
◎「ユニットが複数集まることでさらに大きなひとつの大ユニットを形成」する場合には、一つ階層が上がる。つまり、複数集まった「親ユニット」(1階)をひとつの大ユニット(=「子ユニット」(2階)とする場合には、「子ユニット」は「親ユニット」より一つ高い階層にある。
[ユニットから大ユニットへ]
◎さらに、複数集まった「子ユニット」をひとつの大ユニット(=「孫ユニット」(3階)とする場合には、「孫ユニット」は「子ユニット」より一つ高い階層にある。
[上に積み上がる階層構造システム]
◎要するに、「親ユニット」の上に「子ユニット」が乗り、「子ユニット」の上に「孫ユニット」が乗るという階層構造を作る。その形式を「トーナメント形式」(階層構造システム)と私は呼ぶ。
[言語構造]
◎この特徴を典型的に示すのが、「言語」である。「言語」では、「親ユニット」=文字、「子ユニット」=単語、「孫ユニット」=文。「ひ孫ユニット」=段落というように階層構造を形成する。
[高次階層は低次階層の性質をすべて持つ]
◎階層構造の中で、「高次の階層は、低次の階層が備える性質をすべて持っている」。これも言語で説明すれば、「ひ孫ユニット」=段落は、その中に、「文」も「単語」も「文字」も含んでいる。
[階級の関係は親子関係]
◎これを別の表現で言い表せば、「各階級の関係は、親子関係として取り扱われ、親の特質が、子に継承される」となる。
[親の特質が子に継承]
◎もちろん、「親の特質が、子に継承される」としても、それが顕在化しているとは限らない。逆に、たいていの場合は、その特質は、「潜在化」している。各階には、顕在している要素と、潜在している要素とがある。
[潜在して意識されない]
◎具体的には、単語の階層では、「単語」が顕在(自律・全体)しているが、「文字」は潜在(依存・部分)する。例えば、単語「赤」には、文字「あ」と「か」が存在するが潜在(部分)化しているので意識されない。色の場合には、「赤」と「青」を統合すると「紫」になる。「紫」を見ても、そこに「赤」も「青」も潜在して意識されない。
[トーナメント形式で分割される受精卵]
◎「親の特質が、子に継承される」例をもう一つ示す。すべての情報が含まれている「受精卵」は、最高階層にあり、それが時間が経つに従ってトーナメント形式で分割される。
[同じ遺伝子]
◎分割された結果出来上がった「それぞれの細胞」には、「受精卵」と同じ遺伝子の形で「すべての情報が含まれている」が、それらがすべて顕在化することはない。
[プラナリア]
◎所が、「著しい再生能力を持つことから、再生研究のモデル生物」として有名な「プラナリア」は、「メスを使い100を超える断片になるまで滅多切りにしたが、その全ての断片が再生し100を超えるプラナリアが再生した」そうである。
[それぞれが顕在化]
◎これは、「親の特質が、すべて子に継承され」、しかもそれぞれが顕在化した具体例である。1匹のプラナリアを100に分割しても、それぞれが1匹ずつの完全なプラナリアに成長する。
[顕在化は自己限定]
◎これは分割されたそれぞれに、「親の特質」がすべて含まれていたからこそできる能力である。1匹のプラナリアのどの部分も1匹の完全なプラナリアに成り得る能力を持つが、通常は、西田的に言えば、「自己限定」している。
[独自特徴が顕在化する創発]
◎別の特質として、「子供(上位)の階層は、親(下位)の階層にない独自の特徴を備えている」ので、「親(下位)の階層」から「子供(上位)の階層」に上昇すると、独自の特徴が顕在化する。それを「創発」という。
[潜在能力の顕在化]
◎これは、トップダウンによる「自己限定」の逆バージョン、ボトムアップによる「自己復活」といってもいいのではないか。表面化せずに、潜在していた能力の顕在化と見る。舞台裏にあった特質が、回転(上昇)することによって表舞台に立つ。
[階層が上昇するほど統合力が増す]
◎また、階層が上昇するほどに、「統合力」が増す。逆から言えば、「統合力」が強いからこそ、上位でいられる。高いリーダーとは、部下をより多く束ねられる能力の持ち主であり、そうあらねばならない。
[西田幾多郎の統一力]
◎私は、このブログで書いた記事「トーナメント形式における「統合と分解」の統合力の根源」(2010/01/25)の中で、西田幾多郎の「統一力」という言葉を紹介した。
[トーナメント形式の最高階層]
キリスト教における神は、「全知全能」である。私のいう「トーナメント形式」の最高階層は、すべての情報を持ち、すべてを統合する位置(一)である。キリスト教では「神」といい、仏教では「仏」といい、中国では「太極」(太一)(fromWikipedia)と呼ぶ。
[神や仏を思想する]
◎神や仏とはそういう存在である。逆から言えば、そういう存在を神・仏と呼んでいる。だから、神・仏の存在を思想するのは自然な流れである。当然の帰結である。実際に存在するか否かは別として。