真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

日本はなぜ成長しないのだろうか

[どう支える高齢者の“食”]
◎3月4日(木)放送のNHK、「クローズアップ現代」を見た。私はしばしばこの番組を見る。いつも考えさせるテーマを選んでいる。今回の題名、テーマは、「どう支える高齢者の“食”」であった。
[様々な職種からなる医療チーム]
◎内容は、「食事が困難になった在宅患者に食べる力を取り戻させるため、様々な職種からなる医療チームが発足し、サポート活動を始めている」というものであった。
[食べる力を取り戻させる実践活動]
◎様々な職種の医療チームによって、高齢者の食べる力を取り戻させる実践活動が紹介された。私は複雑な気持ちでそれを眺めていた。
[深く考えさせられるテーマ]
◎今年62歳になる私にとって、深く考えさせられるテーマである。私は妻に、「わしはそこまでして生き延びたくはない」と感想を述べた。私のモットーは、「活き活きと生きる」である。
[1ヶ月の医療費は6o万円]
◎私の母は、認知症になり、ついには家族の手に負えず(その頃まだ介護保険はなかった)、老人病院に入院させた。そこでの1ヶ月の医療費は何と平均「6o万円」であった。もちろん、私たちが払ったのは数万円であったが。
[子供たちが活き活きと生活できる]
◎私の近年の最大のテーマは、「子供たちを如何に活き活きと生活できるような状況、環境を作っていくか」である。そのためには、「私は75歳までに死にたい」と願っている。
[日本はなぜ成長しないのか]
◎最近、私は、「日本はなぜ成長しないのだろうか」と疑問を持った。「成長しない」というよりも、逆に「反成長」、即ち、「衰退」の坂を転がっている、もう20年ほど転がり続けている。
[急速に成長していく中国やインド]
◎それに対して、お隣の遅れているといわれる中国や眠れる獅子インドが、なぜあれほどに急速に成長していくのだろうか。身近に実感する中国の成長は目を見張るものがある。
[戦後20年頃は成長期]
◎とはいっても、日本も、戦後20年ほどたった頃には、成長期に入っていた、若々しい青年のように。今の中国と同じように、急激な成長期を存分に謳歌していた。
[給料が2〜3万円]
◎私が働き始めた頃は、給料が2〜3万円ほどだったように思う。それが数年間で、あれよあれよという間に、10万円を超えてしまった。
[給料を1ヶ月の間に2回も]
◎時には、給料を1ヶ月の間に2回もくれることがあり、「ええっ、なぜなんだ」と、絶句に近いものがあった。単なる喜びをはるかに超えていた。
[なぜこんなにくれるんだ]
◎なぜこんなにくれるんだと、不思議でならなかった。10万円を超えると、次には20万円になり、さらに、その壁を突き破ると、30万円になりと、まさしくバブりまくっていった。
参考資料⇒「戦争による破壊を経た後、日本は高度経済成長という世界的にもまれに見る急成長を遂げ、1970年代にようやく欧米諸国に追いつきました。1955年から1970年にかけての一人当たりのGDPの伸び率は、実に年8.7%というものでした。わずか15年の間に、豊かさが3.5倍になった」
[バブルの崩壊とともに]
◎しかし、それは永遠に続きはしなかった。バブルの崩壊とともに、倍々ゲームは、はかなく消え去った。しかし、いずれはまた持ち直すだろうと楽観していた。
参考資料→「バブル景気」(fromWikipedia)

日経平均株価については、1989年の大納会(12月29日)に最高値38,915円87銭を付けたのをピークに暴落に転じた
[高コストという重し]
◎だがしかしである。後に残ったのは、「高コスト」という成長の足を引っ張る「重し」だけである。この何かにつけて高い人件費。もちろん日本人自身は高いとは思わずに、安いとさえ思っている。
[社会保障費などなどが高コスト]
◎さらに、社会保障費などなどが、高コストとして足を引っ張っている。といっても、日本だけでなく、先進諸国においてはどこも同じである。(下のグラフを参照あれ)。
[高コストが停滞を余儀なくさせる]
◎この「高コスト」が「停滞」を余儀なくさせていると確信する。重しが多い気球は、低空飛行に甘んじなければならないのと同じである。
[社会保障とは]
◎なお、「社会保障」(fromWikipedia)は、
個人的リスクである、病気・けが・出産・障害・死亡・加齢・失業などの生活上の問題について貧困を予防し、貧困者を救い、生活を安定させるために国家または社会が所得移転によって所得を保障し、医療や介護などの社会サービスを給付すること、またはその制度
日本の人口の高齢化は世界で最もスピードが速いと言われ、年々増大する高齢者医療や高齢者介護や老齢年金の財源をいかに確保するかが最大の課題
社会保障に要する国の負担は、2007年度は、21兆円を超え国の一般歳出の半分に近付きつつある
[成長しない理由への解答]
◎日本には、「借金」(それによる膨大な利払い)と「高コストの人件費や社会保障費」が社会の活力を消費している。それ故に、未来への投資ができない。これが「日本はなぜ成長しないのだろうか」への解答ではないだろうか。もちろん、これだけが原因とも思えないが。
[水は高いところから低いところへ]
◎それに対して、中国は人件費や社会保障費が格段に低いので、「高コスト」の先進諸国から仕事を受注し、製品を輸出している。水は高いところから低いところへと流れる。
[先進諸国と同じようにいずれ停滞状態]
◎だから、中国やインドも、人件費が高騰し、社会保障が充実してそれに要する費用などが高コストになれば、今の先進諸国と同じように、いずれ停滞状態に入るだろう。一つ過ぎればまたその次へと、「成長のバトンタッチ」が行われてゆく。