真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

小沢流の選挙戦術が完全敗北

「2010年参院選は何が争点だったのか」
◎前回(2010/07/11)、このブログで、「2010年参院選は何が争点だったのか」という記事を書いた。その続き的な事柄を書きたい。
「タレント・有名人が17人立候補」
◎今回の2010年7月11日投票の第22回参議院選挙には、タレント・有名人が17人立候補した。彼らに対する投票結果は、17人中当選したのは、たった3人である。
「3勝17敗」
◎内訳は、女優の三原じゅん子(自民・比例)、柔道の五輪金メダリストの谷亮子(民主・比例)、元プロ野球選手の石井浩郎(自民・秋田)。
「小沢流の選挙戦術が完全敗北」
◎これは、無党派層に向けてタレント・有名人を立候補させるという、小沢流の選挙戦術が完全敗北したことを表している。もはやタレント・有名人という顔と名前だけでは選挙は戦えないことを如実に表している。
無党派層を見くびっている」
◎もし、小沢氏が、本気で彼らが当選すると考えていたのなら、無党派層を余りにも見くびっている、なめている。また、当選者は、当選はしても過去の小泉チルドレンの轍を踏む可能性が大きい。つまり、使い捨てコンタクトレンズである。二度と小沢氏の目には入らない。
今流行の表現を使うと、小泉チルドレンとかけて、使い捨てコンタクトレンズと解く。その心は、二度とお目にはかからない(or二度目はない)。
「時々で最善なものを求める層」
無党派層とは、その時々で最善なものを求める層である。彼らは組織よりも個人を優先させる。組織の指示よりも自分の考えを優先させる。自分の思考と肌感覚で動く。
「全くお呼びではない人たち」
知名度にだけ頼っているタレント・有名人ならば、無党派層にとっては全くお呼びではない人たちである。今回無党派層が選んだのは、「みんなの党」であるのだから。
「小道具としての消費税増税
◎一説によると、菅首相は、選挙戦術として、「政治と金」「普天間」という争点を隠すための小道具として「消費税」を持ち出したという情報がある。
「戦術に関しては大正解」
◎もしそれが事実とすれば、その戦術に関しては大正解であったといわねばならない。とはいえ、議席を大幅に減らすという痛いおまけ付きであったが。
「不利には働かないという読み」
◎先に消費税10%を言い出したのは自民党だった。だから、「消費税」を持ち出してもそんなに不利には働かないという読みがあったのだろう。
「言葉の重み」
◎事実、「消費税」を持ち出した自民党議席を伸ばしたのだから。でもしかし、与党と野党では「言葉の重み」が全く違う。それは今までの数々の首相による手痛い経験を見ればわかるだろう。
「野党の言葉は風船のように軽い」
◎与党では口に出した言葉が実現する可能性は高いのに対して、野党では言いっ放し、打ちっ放しが当たり前という認識が国民の中にはある。野党の言葉は風船のように軽くて割れやすい。
「地方の高齢者が自民党支持
◎その辺りが原因で、1人区では自民党が大勝利した。民主党に鞍替していた、地方の高齢者が、自民党支持者に返り咲いたということだろう。
「馴染みの味に戻った」
◎感覚としては、長年食べ慣れた自民党に対して、新鮮で魅力的な民主党が新発売されたので、試食してみた。でも、それほど美味しくはなかったので、馴染みの味に戻ったのだろう。
「消費税は長い目では良い」
◎地方にとっては、都会よりも、日々の暮らしを左右する問題が、それだけ大きい、重くのしかかっているのだろう。消費税は長い目(日本の将来)では良いが、短い目(日々の暮らし)では酷である。
民主党からみんなの党へと乗り換え」
◎消費税問題が、地方の票を民主党から自民党へ再び反転させた。安易な解決策である消費税増税提示が、都会の無党派層の票を、民主党からみんなの党へと乗り換えさせた。
「ムダの徹底的排除による財政再建
◎昨年(2009年)の衆議院選挙で、民主党は、ムダの徹底的な排除によって財政再建を目指すと、国民に約束したはずである。それからまだ1年も立たないのだ。
「新たな財源を求めない」
◎さらには、国民から新たな財源を求めないとも言った。であるのに、菅首相はその約束を就任早々180度転換させ、消費税増税を前面に打ち出した。それが嫌われた原因である。
民主党に投票せず」
◎私も、今回は今まで応援していた民主党には投票しなかった。であっても、自民党のように、自分の党が実行してきた過去の事例を踏まえずに、民主党を白々しく批判する態度には激しい嫌悪感をもよおす。
「現実的な回答が出せないのならば」
◎さらに、社民党共産党は原理原則を貫く党なので、原則を当てはめるだけでは応用問題は解けそうにない。今の時代に必要な、今の状況(問題)に即した現実的な回答が出せないのならば、お呼びがかからない。
「新党に新鮮味は何も無い」
◎また、自民党が崩壊しそうだから、そこから飛び出してキャスティングボードを握ろうという思惑だけで創設された新党、「新党改革」、「たちあがれ日本」などに新鮮味は何も無い。
「かしてやってくれるかもしれない党」
自民党には全くできなかった。期待した民主党にもやり遂げられそうにもない問題を解いてくれないかもしれない、もしかしてやってくれるかもしれない党として、「みんなの党」が急上昇したのは当然の成り行きである。
最小不幸社会には賛成」
◎とはいっても、私自身は、菅首相のいう「最小不幸社会」という大きな枠組には賛成である。幸せは各自がそれぞれ自分の思うところを築きなさい。もし、経済的に不幸になれば、その部分については国が支援(セーフティネットを張り)しましょうということである。
みんなの党と手を組んで本気で遂行」
◎見捨てられたわけではない民主党に急激な復活があるとすれば、かつてマニュフェストにうたった「ムダの徹底的な排除」を、みんなの党と手を組んで、本気で遂行する心構えを見せるかどうかである。
民主党が敗北して本当によかった」
◎だから、民主党を応援してきた私としては、今回民主党が敗北して本当によかったなと思っている。これによって、国民が本当に願っている政策(ムダの徹底的な排除)を実行してくれる可能性が高まったのだから。