真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

依存から自立へだけではうまくいかない自律分散

「集団と個人」
◎若い頃の私にとっての課題は、「集団」と「個人」との比重のかけ方、距離・間合いの取り方であった。私はどちらかと言えば、「個人」の方に比重を置きたい、軸足を置きたいたちであった。
「依存と自立」
◎それは、別の角度から見れば、「依存」と「自立」との比重のかけ方、距離・間合いの取り方でもあった。私はどちらかと言えば、「自立」の方に比重を置きたい、軸足を置きたいたちであった。
「それぞれの異なる関係」
◎「集団」と「個人」、「依存」と「自立」の関係は、「集団」重視は「依存」重視、依存重視は「上下関係」重視と重なり、「個人」重視は「自立」重視、自立重視は「水平(フラット)関係」重視と重なる。
「自立への旅立ち」
◎このように理論的にはいろいろ言えるが、自立への旅立ちは、親子であれば、親にとっても、子供にとっても感情面では悲しいものである。
参考資料⇒(私のブログ記事)「空の巣症候群、空白の恐怖が去った後に」
参考資料⇒(私のブログ記事)「空白・欠如・無の恐怖」
参考資料⇒(私のブログ記事)「燃え尽き症候群、空の巣症候群、うつ病を重う」
参考資料⇒(私のブログ記事)「花嫁の父症候群」
参考資料⇒(私のブログ記事)「空白の恐怖」
「あえて依存から自立へ移行」
◎悲しみを伴うものであっても、あえて依存から自立へ移行しなければならないのはなぜなのだろうか。なぜ悲しみ苦しみをおしてまで、自立へ向かうのであろうか。
「自立の苦しみは子の側が圧倒的」
◎動物の場合には、自立の苦しみは子の側が圧倒的に大きく、親の側はごく小さい。親にとっては、次の子作りという課題が待ち受けているが、子の場合には自力でのエサ取り(と自己防衛)という難問が待ち構えている。
「人間の場合には」
◎しかし、人間の場合には、親は、子の自立によって新たな課題を探さねばならない。そのために、現代では親の側が強い苦痛を受けることが多い。それ故に、親の子離れが課題となる。
「パラサイトシングル」
◎さらには、現代日本では、子の側でも自力でのエサ取りという難問が待ち構えている。そのために子の側でパラサイトシングル(自立できない)症候群が多発している。
「それがないと不快」
◎「依存」という言葉を使ってきたが、そもそも「依存」とはどんな状態なのだろうか。「依存」は、それがないと不快な精神的・身体的症状を生じる精神的・身体的・行動的状態である(=from"Wikipedia")。
「それがあると快を生じる」
◎逆から言えば、それがあると、快を生じるということである。あれば快を生じ、なければ不快や悲しみを生じさせるがために、その状態から抜け出せない依存症が生まれる。自立とはそれ程までに難しいともいえる。
「なぜ楽な依存を捨ててまで自立」
◎依存の反対である自立は、「他への従属・支配・助力から離れて独り立ちする」ことである。あらためて疑問が生じた。なぜ楽な依存を捨ててまで自立へと向かわねばならないのだろうか。
「依存から自立へは自明」
◎依存は楽であっても、自然界の生物であれば、「依存から自立へ」は自明のことであるように思える。宇宙は、自律分散が基本原理であるのだろうか。
「自律分散システム」
◎自律分散システムとは、「自律的に行動する各要素の相互作用によって全体として機能するシステム」である。釈迦が悟った「縁起の法」である。
参考資料⇒(私のブログ記事)「はじめに言葉、法、情報があった円環構造」
「自分の中に核を作り出す」
◎私なりの理解では、自立するのは、自分の中に「核」を作り出すためである。核とは、拠点、根拠地、自走するプログラム、哲学的思想体系、軸足、などなどである。
「集落や街が発展する拠点」
◎例えば、集落や街が発展する拠点(核)は、西洋では、「教会」であることが多い。まずは教会づくりから始まる。日本では、城(城下町)、港、寺院などが多い。
「教会が核となり集団形成」
◎「教会」づくりは、住民が総出で、木材を切り出したり、レンガを積み上げたりなど、周辺住民主体で行われる。このようにして、教会が核となり、集団形成が行われる。
「自律のためには核が必要」
◎宇宙では、自立(自律)のためには「核」が必要なのではないかと思える。「イラン」や「北朝鮮」の話ではないが。生物における細胞は、自己展開するために情報倉庫として染色体(遺伝子倉庫)を持つ。
「自分の希望を叶えさせるには」
◎ところが、自前の核(情報・手段など)を持たず自立できないと、例えば、子供では、駄々をこねることによって、自分の希望を叶えさせるということにもなりかねない。
「自分で叶える手段を持たなければ」
◎駄々をこねる、おもねるなどは、相手に自分の思いを叶えさせる依存的気持ちと行為である。自分の思いを自分で叶える手段を持たなければ、他に強く依存せざるを得ない。
共産主義の弱点」
共産主義の弱点は、強い中央集権体制を持たねばならないことである。それは、各要素(国民)を無力な依存関係に置くことになりがちである。日本の中央政府地方自治体との関係のように。日本はそういう意味ではかなりの社会主義国である。
「自律分散システムは民主主義体制」
◎「自律的に行動する各要素の相互作用によって全体として機能する」「自律分散システム」は民主主義体制である。機能する全体と自律的に行動する各要素とが、ともに十全に機能するには、全体と各要素とのバランスの取り方が重要である。
「全体と各要素とのバランスの崩れ」
◎社会で起こる問題の多くは、全体と各要素とのバランスの大きな崩れ、全体との相互作用なき孤立、「依存」と「自立」のバランスの大きな不均衡などから来ているように思える。
「姥捨て現象、虐待事件の共通点」
◎今話題の高齢者の姥捨て現象、親による子供の虐待事件も、全体との相互作用なき孤立から来ている可能性も大きいのではと感じる。これは個人重視の負の側面だろうか。