真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

高齢者の行方不明と姥捨て山

「高齢者の行方不明」
◎最近、ある一人の高齢者の事例から、もしかすればということで、調べが進んで、高齢者(百歳以上の老齢者)の行方不明(所在不明)が頻繁にニュースで取り上げられている。
注)「厚生労働省は(2009年09月)11日、100歳以上の高齢者が9月15日時点で4万399人となり、初めて4万人を突破すると発表した。前年比で11%の増加で、このうち87%にあたる約3万5000人が女性だった」from「日本の高齢者、100歳以上が4万人突破」=from"AFPBB News"
「 1,201 件のニュース」
◎グーグルニュースで、「高齢者の所在不明」というキーワードで、検索をかけた。そうすると、検索結果として、約 1,201 件が釣り上がってきた。凄まじいニュースの数である。
「日本中が揺れている」
◎今や、高齢者の所在不明問題で日本中が揺れているという感じである。来る時代を暗示するかのような事件である。
「100歳超、全国で279人所在不明 京阪神3市に集中」=from"asahi.com朝日新聞社)"
参考資料⇒「高齢者行方不明続出「世界一の長寿国を誇る日本を当惑」−英紙 2010/08/04(水)[サーチナ]」
参考資料⇒「戸籍で生き続ける「行旅死亡人」100歳以上の不明者含まれる?」=from"MSN産経ニュース"
行旅死亡人
◎見慣れない言葉、「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」=from"Wikipedia"が目についたので調べてみた。それの引用。

飢え、寒さ、病気、もしくは自殺や他殺と推定される原因で、本人の氏名または本籍地・住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない死者を指すもので、行き倒れている人の身分を表す法律上の呼称
「大都市部に集中」
◎話を戻すが、「兵庫県112人、大阪府88人、京都府21人、東京都13人など大都市部に集中し、東北や北陸などの26県は一人もいない」という記事内容が気にかかった。
「279人所在不明」
◎上の引用は、朝日新聞からであるが、「279人所在不明」は、まだまだ数字が膨らんでくるだろうと想像される。
「現代版姥捨て山」
◎これらの報道に接して、感じたことは、これはもしかすれば、現代版「姥捨(うばす)て山」かも知れないということである。
楢山節考
◎姥捨て山といえば、姨捨山伝説をベースに、信州の寒村に住む人々を描いた、「楢山節考」=from"Wikipedia"が有名で私も見た記憶がうっすらある。
「山奥に捨てられるならわし」
◎昔の「姨捨山」=from"Wikipedia"とは、「六十歳になると、里から五里以上も離れた山奥に捨てられるならわし」であった。注)「楢山節考」では、「村の年寄りは七十になると楢山まいりに行くのが習わし」とある。
「食糧事情が大いに関係」
◎これは食糧事情が大いに関係している。働けない年寄りにタダ飯を食わすわけにはいかないという社会・村・支配層からの強い圧力があった。
「死者を葬らない例」
◎悪く取れば、現代は、死者の収入を当てにする家族による年金をもらい続けたさに、死者を葬らない例もあるだろう。
参考資料⇒「返信なければ年金差し止めへ=生存確認の書類、臨時郵送−厚労省」=from"時事ドットコム"
参考資料⇒「死亡者に年金」サンプル調査=今月中旬に結果公表−厚労省」=from"時事ドットコム"
参考資料⇒「102歳不明者、16年前には近くの山で白骨体」=from"YOMIURI ONLINE(読売新聞)"
「精神的な姥捨て」
◎とすれば、現代の姥捨てには、家族親族による精神的な姥捨てともいえる側面を持つ。近隣縁者の人々によって、死を弔ってもらえないという姥捨て。
「自らによる姥捨て」
◎しかしながら、「自らによる姥捨て」もあるのではないか、と報道を見ながら思えた。老齢の身で、他人の大きな負担になるのを嫌い、自らを姥捨てしているのかも知れないと。
「隠居という地位」
◎たぶん、もちろん裕福な時代であれば、これは大きな負担とは感じなかったかも知れない。江戸時代などでは、隠居という地位を与えられていただろうから。
「死を自分で決定できる方法」
◎「自らによる姥捨て」から、私自身、「自らの死を自分で決定できるひとつの方法」ではないかとも感じた。まあ、ある意味自殺ではあるが。
「自力的死出の旅」
◎今回の一連の報道を見て、高齢者にとって、「行方不明による行旅死亡」も、ひとつの「自力的死出の旅」であってもよいのではないかとさえ思えてきた。
「高齢者は肩身の狭い思い」
高齢化社会、高齢社会で、高齢者は肩身の狭い思いをしていかねばならないと感じる。若者、子供や孫への負担もずいぶんと重い。
「どんな旅を選ぶだろうか」
◎そんなこんなを考えると、私自身の死の方法として考慮してもいいかなとも思えた。もし私ならば、「自力的死出の旅」として、どんな旅を選ぶだろうか。
坐禅を組みながら自らの死期を待つ」
◎ふと思いついたのが、夏山に登リ、滝か小川のほとりで、坐禅を組みながら、自らの死期を待つと空想してみた。とても格好が良い死出の旅である。
「夜の暗闇の怖さに耐えられるだろうか」
◎人間は水だけを飲んでも一ヶ月ほど生き長らえるらしい。とはいえ、その状況を頭の中で思い描くと、夜の暗闇の怖さに耐えられるだろうかという自身の気の弱さがなんとも物悲しい。
参考資料⇒「水分の補給があれば絶食状態で1〜2ヶ月程度生存でき、この限界を越えれば餓死に至る」「餓死」=from"Wikipedia"