真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

NHKテレビ番組100分de名著」「ボーヴォワール」の「老い」の一回目を視聴しての感想

NHKテレビ番組100分de名著」「ボーヴォワール」の「老い」の一回目を視聴しての感想。
先ずは作家紹介。
シモーヌ・ド・ボーヴォワール は、フランスの哲学者、作家、批評家、フェミニスト理論家、活動家である。
第二の性」(1949)を描いた人物でもある。女性は女性として生まれるのではなく、女性に成るのだ、と言った。老いにしても同じである。女性としての存在価値は社会が決める。そして、女性はその価値に合うように自らを作り替えていく。
老人についても、社会は老人の存在価値を決めている。残念ながら、その存在価値は極めて低い。だから、自分が老人という範疇に落ち込んだら、自らを嘆かざるを得ない。
実言う私は、73歳目前の高齢者である。ああ~~!
他人達は、個個の個人を見るのではなく、個個の個人を概念(女性、老人などなど)に落とし込んで、概念という仮面を相手に被らせる。そして、その仮面だけを見ながら対応する。
いやいや、相手(他人)だけでなく、自分自身も、自身を個人としてではなく、張り付けられた概念(仮面)を見て、自己を評価する。なんと哀れなことか。
これは、差別一般と同じ構造である。個個を見ないで、概念で評価する。そんな流れから私は実存主義を思い浮かべる。
実存主義とは、他のものと代置しえないこの個別的実存のもつ哲学的重要性を強調する立場をいう。
NHKテレビ番組100分de名著」「ボーヴォワール」の「老い」の解説者は、上野 千鶴子氏である。彼女は、日本のフェミニスト社会学者。専攻は、家族社会学ジェンダー論、女性学。東京大学名誉教授。