「民主党が民主党になるのか」
◎私は、このブログで、前回(2010/09/01)、「民主党が民主党になるのか、それとも自民党政治に逆流するのか」という記事を書いた。また、前々回(2010/08/24)には、「小沢氏は国民を完全無視して権力奪取へ向かうのか」という記事を書いた。
「雌雄の戦い」
◎この雌雄の戦いによって、政治世界が新しい段階に進むのか、依然として古い体制のまま立ち尽くすのかが決すると感じる。
「結果を待ち望む」
◎それ故に、ワクワクする面持ちで、その決戦の結果を待ち望んでいる。もちろん、私としては、新しい段階に上昇する菅首相の勝利を期待している。
「新しい段階への上昇になるのか」
◎菅首相の勝利が、なぜ、政治世界における、新しい段階への上昇になるのかを示してみたい。まずは、上記のブログ記事から引用。
小沢氏は、資金や権力を一手に握りる独裁的手法によって、自分に従う者にはアメを、従わない者にはムチを打つことで、民主党内でも、政治世界でも、勢力を形成してきた「X理論」
◎私は、小沢氏を上記のように評した。その文章内でも特に、「自分に従う者にはアメを、従わない者にはムチを打つ」は、「X理論」である。
参考資料⇒「民主党:小沢元代表の「アメとムチ」牧野聖修議員語る」=from"毎日jp(毎日新聞)"
「権限行使と命令統制による経営」
◎X理論(XY理論)とは、有名な「ダグラス・マグレガー」の著書、「企業の人間的側面」の中に登場する理論である。その内で、「権限行使と命令統制による経営手法」をX理論と呼ぶ。
参考資料⇒「XY理論」=from"Wikipedia"
「アメとムチによる経営手法」
◎「X理論は、低次元の欲求を多く持つ人間の行動モデルに分類され」、「命令や強制で管理し、目標が達成できなければ懲罰といった、アメとムチによる経営手法」を指す。
「短絡的な利益追求を優先」
◎「具体的に貧困な状況に置かれた発展途上国」など、「貧困からくる金銭的欲求によって短絡的な利益追求を優先する」階層に当てはまる。議員に対しては、この金銭的欲求を「票獲得欲求」と言い換えたい。
「小沢氏に付き従う太鼓持ち」
◎残念ながら、小沢氏に付き従う人物の顔ぶれを見ると、小沢氏と対等に渡り合える人物はいない。申し訳な言い方だが、太鼓持ち的雰囲気を感じる。
「小沢さんの側近には元秘書しか」
◎その原因・理由を「民主党代表選:徹底比較・菅VS小沢 批判の応酬 場外で暴露合戦も」=from"毎日jp(毎日新聞)"では次のように書いている。
批判に非寛容なのも小沢氏の特徴だ。奥田敬和元運輸相、渡部恒三元衆院副議長、熊谷弘元官房長官、二階俊博元経済産業相、藤井裕久元財務相ら大物側近が去り、「今小沢さんの側近には元秘書しかいない」とささやかれる。「小沢ガールズ」
◎さらに、数の論理を重視しする姿勢が強い。例えば、「小沢ガールズ」と呼ばれる政治思想や能力的に下積みのない、素人的な議員が、小沢氏に付き従っている。
「政治的な欲求レベルが低い」
◎彼ら彼女らは、「欲求階層説」(後で説明)から見れば、政治的な欲求レベルがかなり低いように想像される。これらを勘案すると、小沢氏は「X理論」実践者に見える。
「Y理論」
◎それに対して、「Y理論は、高次元の欲求を多く持つ人間の行動モデルに分類される」。「欲求」という言葉が出てきたが、私は、このブログで、以前(2007/05/09)、「欲求階層説と個人と国家」という記事を書いた。
「欲求階層説」
◎そこで私は「欲求階層説」を紹介した。実は、マグレガーの「XY理論」は、その「欲求階層説」をもとに、理論を組み立てている。
「段階的な階層構造を形成」
◎その「欲求階層説」をとなえたのは、「アメリカの心理学者、マズロー(1908-1970)である。わたしのブログから内容を引用。
人間の欲求は、低次の欲求から高次の欲求へと、段階的な階層構造を形成している
欲求階層は、低い段階から、1)生理的欲求→2)安全欲求→3)社会的欲求→4)自我の欲求→5)自己実現欲求と、順次高い段階へと上昇する「小泉チルドレン」
◎「小沢ガールズ」は、「小泉チルドレン」(「83会 」=from"Wikipedia")と同じ運命をたどる可能性は高い。
「82名から10名に」
◎小泉チルドレンは、2009年8月の時点では82名であったものが、2009年8月30日に投票が行われた第45回衆議院議員総選挙において当選した候補は10名(小選挙区4名、比例代表6名)にすぎない。
「X理論で動く」
◎ほとんどが次期選挙では落選となれば、多くの小沢ガールズの欲求水準は、1)生理的欲求か2)安全欲求に留まっているとみられる。そういう段階の彼らは、「Y理論」よりも「X理論」で動く。
「そうそうたる菅首相支持派」
◎それに引き換え、「菅首相」支持派には、そうそうたるメンバーが並んでいる。江田前参院議長、石井副代表、前原国交相、野田財務相、岡田克也外相、蓮舫行政刷新担当相、直嶋正行経済産業相、玄葉光一郎公務員制度改革担当相(民主党政調会長)、北沢俊美防衛相、荒井聡国家戦略担当相など。
注)小沢支持は、樽床伸二国対委員長、細野豪志衆院議員、山田正彦農相、鳩山由紀夫前首相、原口一博総務相、羽田孜元首相、輿石東参院議員会長など。
「民主代表選:小沢氏と菅氏の推薦人」=from"毎日jp(毎日新聞)"
■小沢氏推薦人「菅首相はY理論を実践」
赤松広隆、岩本司、大久保勉、太田和美、海江田万里、川内博史、川崎稔、岸本周平、小泉俊明、武内則男、田中直紀、田中美絵子、谷亮子、外山斎、中山義活、那谷屋正義、野田国義、前田武志、松野頼久、三井辨雄、皆吉稲生、村上史好、伴野豊、米長晴信、笠浩史
■菅氏推薦人
井戸正枝、岡田克也、岡本充功、金森正、菊田真紀子、玄葉光一郎、土肥隆一、中川正春、長妻昭、野田佳彦、鉢呂吉雄、藤田一枝、藤村修、前原誠司、牧野聖修、山尾志桜里、渡部恒三、石井一、江田五月、大河原雅子、岡崎トミ子、北沢俊美、白真勲、林久美子、蓮舫
◎このような顔ぶれが「菅首相」支持であることから考えて、「菅首相」は「Y理論」を実践している、あるいは、これからはますます「Y理論」実践を強めなければならないだろう。
参考資料⇒「マクレガーのX理論Y理論」
(Y理論では)企業目標と個人の欲求が統合されている場合、従業員は絶えず自発的に自分の能力・知識・技術・手段を高め、かつ実地に活かして企業の繁栄に尽くそうとするようになる「国内外への影響は計り知れない」
◎国を経営するトップが、「X理論」を元に動くのか、「Y理論」を実践するのかでは、国内外への影響は計り知れないものがあるだろう。特に、日本国民一般はすでに「Y理論」を実践しているのだから。