真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

坐禅と前頭前野の関係は???

◎以前「集中力」(「集中力を理論する実践する」)について書いて電子出版した。今回「セロトニン」(「セロトニン概説」)について書いて電子出版した。
参考資料⇒「「集中力を理論する実践する」を電子出版しました」
参考資料⇒「「セロトニン概説」を電子出版しました」
◎次には、「前頭前野」について書きたいと思っている。これらは落語家が演席などで即席で創作する三題噺のお題のような感じである。
参考資料⇒「三題噺」=from"Wikipedia"
◎三題噺とは、それぞれ違うお客からバラバラな三つの言葉をもらい、そこからひとつのお話をその場で創作する。それらをひとつの流れに放り込ん落語に仕立て上げる。
◎私の場合では、その流れとは、「坐禅」である。あるいは、共通するキーワドといったほうがよいだろうか。坐禅は、集中力を鍛える、セロトニンを鍛える、前頭前野を鍛える。
◎「前頭前野を鍛える」に関しては、より正確には、前頭前野も鍛えるというべきであろう。私には脳全体を鍛えるように思える。
◎というわけで、前頭前野に関する知識・情報を集めるべく、今「前頭葉は脳の社長さん?」という本を読んでいるところである。これを書き上げた時点ではすでに読み終わったが。
◎その本の中で見かけて、「なるほど」と感じた事柄を紹介したい。それは、「意識的思考」と「無意識的直感(直観)」との能力的な違いについてである。
◎それらの違いを調べるための実験が行われた。それについての概略を説明する。四台の車の性能(スペック)について書かれた情報(カード)を見て、そこから最高の車を選ぶというものである。
◎もう少し説明すれば、それぞれの情報は四秒ずつだけ見せられる。すべてを見終わってから、四分後に判定を求められる。
◎結論だけを言えば、合計の情報(四項目×四=十六情報)が少ない場合には、無意識的直感よりも意識的思考の方が正解率が優れていた。
◎しかし、情報が多く(十二項目×四=四十八情報)なれば、四分の間他の作業をすることで考える時間をもらえずに即座に出す無意識的直感の方が、四分間考えて出す意識的思考よりも優れていた。
◎結論的に言えるのは、意識が扱える情報量はそんなに多くないので、一時に扱う情報量が多ければ、意識的思考よりも無意識的直感の方が信頼できるということになる。
◎つまり、情報量が多ければ、それらをまず頭の中に放り込んで、熟成されるのを待って、答えが自然とポッと意識に放り込まれるのを期待するほうがより良い選択となる確率が高い。
◎では、それぞれの思考方法を受け持つ脳部署はどこだろうか。両方の思考共、主役を演じるのは、前頭前野である。それは機能的に大きく三つに分けられる。
◎1)内側前頭前野、2)外側前頭前野、3)底部前頭前野である。その内で、意識的思考は、2)外側前頭前野(ワーキングメモリ=作業記憶を含む領域)が受け持つらしい。
◎それに対して、無意識的直感は、3)底部前頭前野が担当していると見られている。まだまだ断定できるほど確たる証拠があるわけではないらしいが。
◎この「無意識的直感」が脳内で行っている作業過程を見える化する方式が、さまざまな道具を使った思考方法ではないのだろうか。
◎その内で、私が最も感歎した思考方法は、川喜田二郎氏の「KJ法」である。これは、脳が細切れの情報をだんだん統合して最終的な結論へと導く方法とすごくよく似ていると感じる。
参考資料⇒「KJ法」=from"Wikipedia"
◎ことわざに、「下手の考え休むに似たり」とある(ちなみにこれは誤用だそうである)。私たちが意識的に考えるよりも、脳に情報を放りこんで、脳(無意識)に考えてもらって自分(意識)は休んでいるほうがよっぽと素晴らしい考えが出てくるという体験があるからだろう。
◎で、今日の題名の「坐禅前頭前野の関係は???」であるが、坐禅は、意識的思考よりも無意識的直感の方を大切にしなさいと言っているのではないかと思う。
道元は、意識的思考を迷いといい、無意識的直感を悟りといっている。また、意識的思考を人間側の行為といい、無意識的直感を仏側の行為だといっている。

「前頭葉は脳の社長さん?」from(ブルーバックス)

「知性を司り、人を人たらしめているといわれる前頭葉は本当に脳の中でいちばん大事な領域なのか。脳の中に住んでいて意思決定を行うと考えられている小人=ホムンクルスの正体は前頭葉なのか?最新の研究成果から前頭葉神話を検証し、私たちの「意思」の脳内メカニズムに迫る」
注)アマゾンに掲載された文章からの引用。

目次
第1章 前頭葉は脳の最高経営責任者
第2章 前頭葉損傷による症状
第3章 前頭前野は脳の重役室
第4章 企画担当重役―クールな外側前頭前野
第5章 営業担当重役―儲かって何ぼの底部前頭前野
第6章 総務担当重役―調整役の内側前頭前野
第7章 特別仕様の前頭前野
第8章 前頭葉から意思は生まれるのか