真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

新しいものを創造するか、古いものを維持するか

◎以前(2010/03/05)、このブログで、「日本はなぜ成長しないのだろうか」という記事を書いたことがある。そこからの引用で話しを始めたい。

この「高コスト」が「停滞」を余儀なくさせていると確信する。重しが多い気球は、低空飛行に甘んじなければならないのと同じである。
◎日本が再浮上しない理由を別の言葉で言い換えれば、「新しいものを創造するか、古いものを維持するか」という点にあると言える。
◎さらに言い換えれば、「発展途上国と先進国との状況の違いである」とも言える。これから伝統・文化を創り上げてゆく発展途上国と、伝統・文化維持に重きを置く先進諸国。
◎さらにもっと言い換えれば、「若者と高齢者の違いである」と。これに置き換えるのが最も分かりやすいだろうと思える。
◎つまり、日本を始め、先進諸国が再浮上しない理由は、「下り坂をとぼとぼと降りてゆく高齢者」というイメージである。それに対する若々しい中国。
◎所で、最初に示した引用内で、「この」として、その記事内で「人件費」と「社会保障費」を上げた。さらに上げれば、「インフラ維持費」である。
◎例えば、道路にしても、空港にしても、公共施設にしても、一度作れば、もはや費用を出さなくて済むということではない。関空などは一兆円の負債をかかえている。支払う利息でも大変な額である。
◎道路などは、常に維持費がかかる。建物にしても、補修をしなければ、耐用期間はそれだけ短くなる。道路にしても、建物にしても、維持に要する高い人件費が重荷になっている。
◎つまり、インフラ維持のために、新しいものを作る余地が殆ど残されていない。別の面から言えば、もはや新しいインフラを整備する余地もほとんどない。
◎しかも、高齢者であれば、必要なものはすでに一揃え所有している。後は、壊れれば、それを修理に出し、修理できないものだけを買い換えてゆく生活を送る。
◎それに引き換え、何も持たない中国の消費や購買欲は凄まじいものがある。かつての昭和時代の日本のように。ゼロからスタートする強みである。
◎高齢者になれば、ファッションや装飾など、必需品ではない物に、実用品ではないものに、あまりお金をかけようとはしない。日常だけが存在する。
◎日本では、高齢者だけでなく、若者も、ブランド品を所有したり、車を所有することに、喜びを見出すことはなくなっりつつある。楽しみは多様化している。
◎今は、日本でも、「所有から共有へ」と意識は移りつつある。「車の所有から、レンタカーへ、さらにはカーシェアリングへ」、と意識は向かいつつある。
◎これらを一言で言い表せば、「実用主義」である。「ネームバリュー」(有名なものを持つ価値)などに重要性を置かない、意味を見出さない。
◎例えば、グッチー、ボルボなど、昔はステータスシンボルとして、機能や実用性と離れて、自尊心をくすぐるような価値に対して高いお金を出した。
◎だか、もはや、今の若者達の多くは、そのようなもので自分を飾らない。私の子供たちも、自分で所有しないで、必要な場合には、持っている友だちから借りる。
◎もし、自分が持っていれば、友達に貸してあげるという貸し借りを頻繁にする。それを当たり前だと思っている。私たちの若者時代であれば、それは恥ずかしいことであった。
◎若者たちは、もし買うとしても、流行を追わないで、使い続けられることを基準に、品物を選ぶ。昔は、毎年毎年流行が大きく変わっていったので、去年の服などはもう恥ずかしくて着られない。
◎私の(3人いる)娘たちは、皆地味な、黒とか紺とか茶色とかの色を好んで買う。それならば、いつでも、どこへでも着ていけるからである。あるいは、誰とでも貸し借りができるからである。
◎共有、貸し借り、流行を追わない。なので、国内に向けて、景気刺激策をとっても、効果は本当に限定的である。線香花火的効果か、大きくても打ち上げ花火的効果に過ぎない。
◎若者たちは、日本の現状(下り坂を転がっている事実)を肌でしっかり感じ取っている。これは高齢者も同じである。もはや日本人の財布からお金を引き出すことは期待できない。
◎つまり、景気刺激策は長続きしないその時限りの効果でしか有り得ない。国内だけでお金の回転をさせても、一回転すればお仕舞いである。ただ、使う時期が移動するだけである。
◎日本はすでにそれを何回も経験してきたではないか。なのに、なぜ無駄な景気刺激策をとるのか。また、経済評論家などが、それを未だに唱えるのか。
◎輸出によって外から国内へお金を流し込む以外に手はない。つまり、外需(輸出)だけが、日本を救える唯一の道である。
◎それができないならば、消費税で速く、不良債権(借金・1000兆円近い)を解消して、その時また消費税の引き下げなどを議論すればいいのではないか。
◎といっても、消費税という甘い汁を政府が手放すとも思えないが。たぶん、その時には、政権維持のために、自党に有利に、お金をばらまくだろうが。