真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

自分と自分以外を身体機能はどのように区別しているのだろうか。

◎ここ数日、花粉症に悩まされている。といっても、悪性とまで行かないが。外出から部屋(室内)に入ると、鼻汁が出、目が痒くなる。だが、たいてい30分ほどで收まる。
◎でも、ティッシュはかなりのスピードで消耗されてゆく。ということ(?)で、今日は「花粉症」を取り上げたい。なお、「花粉症」(fromWikipedia)の定義は次の通りである。

植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状が特徴的な症候群
◎つまり、といっても鼻づまりのことではないが、花粉症は「アレルギー症」の一種である。ということで、次に、「アレルギー」(fromWikipedia)について引用する。
免疫反応が、特定の抗原に対して過剰に起こる
◎私たちの周りには、三種類の存在がある。それらは、1)「敵」、2)「味方」、3)どちらへも振り分けられない「中性」である。
◎免疫は、その内で敵(抗原)を排除するのは当然であるが、中性であるはずの花粉にまで敵として過剰に排除しようと反応する。それが花粉症である。
◎ところで、免疫、免疫反応、免疫機能、とは一体何なのだろうか。Wikipediaから引用を二つ。
免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能
生体内で病原体やがん細胞を認識して殺滅することにより生体を病気から保護する多数の機構が集積した一大機構
◎敵(体内の病原体、がん細胞)に対して、殺滅するのは万々歳である。というよりも、それがなければ、生まれてもそんなに長くは生きながらええない。
◎国で言えば軍隊に当たる免疫が、時には、味方(自国民)をも攻撃したりする。それを「自己免疫」という。それについて「免疫」(fromWikipedia)からの引用。
自己免疫病は、正常組織に対しあたかも外来生物に対するように攻撃を加える
自己免疫病のような免疫不全の一方の極端をなす。ここでは免疫系は、自己と非自己を的確に区別できないで、自己の身体部分を攻撃する
◎正常に敵に免疫するのに対して、中性ですらない自己自身を攻撃する自己免疫は同士討ちである。そこまで行かないのが、花粉症などの、過敏症である。
過敏症は自己の組織に損傷を与える免疫応答
◎下手をすると命に関わるのが、自己免疫病で、そこまで行かない比較的軽い段階が過敏症でだろう。ところで、私たちのよく聞き知っている免疫反応として、移植拒絶反応がある。
◎せっかく心臓、腎臓、などを移植しても、免疫機能が、異物として排除しようとする。それを避けるために、自分の細胞を培養して臓器を作る再生医療が世界中で盛んに研究されている。
参考資料⇒(私のブログ記事たち)1)「あらためて、iPS細胞って、何なのだろうか」、2)「京都大山中伸弥教授、再生医療へのさらなる一歩」、3)「世界初の心筋シートを心臓に張る再生治療例」、4)「再生医療へ向けた新たな一歩か」
◎膨大な進化過程を通じて発達してきた自己を守るための免疫機能である。それが、適者生存をする進化であっても、自己と非自己との区別は、そう簡単ではない。
◎身体自身もこれが自己か非自己かで時に間違う。がん細胞は攻撃して欲しいが、正常細胞にまで攻撃されたらたまらない。
◎それほど、自己と非自己の境界が曖昧だということだろう。身体は、常に外から身体内に異物を取り入れ、しかもなお異物を排除しながら生きている。
◎心の方も同様に自己と非自己との区別をつけかねる。私の子供たちは、自己だろうか、非自己だろうか。これには正解などないだろう。
◎親がわが子を非自己として虐待し、わが子を自己として溺愛する。溺愛まで行けば、自己とみなされた子供は災難かも知れない。
◎とはいえ、宗教は答えを出している。自己を侵害されると、攻撃的感情として怒りが生じ、回避的感情として不安や恐怖が生まれる。
◎怒りや不安や恐怖の感情を生まないようにするには、自己を無我にすればよい。自己を消去すればよい。そのように宗教は訴えている。
◎自己を無我にすれば、自己と非自己の区別が不要になる。でも、無我になっても、花粉症がなくなるという確信は持てないが。