真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

日本の大手企業は重篤な大企業病に陥っているのでは?

ブログをまた書きたくなった。1年以上の空白である。

東京新聞に次のような見出しが載っていた。"東京新聞:ソニー赤字 過去最大 3月期見通し 電機3社総崩れ:経済(TOKYO Web)"

そこから、私が思い浮かべた言葉が、江戸時代の"身分制度(士農工商)"である。家電企業、特に、ソニーパナソニックなどの大企業は、江戸時代の士農工商の士の位置にあぐらをかいてしまったのではないか。

別の言葉で言えば、"おごる平家は久しからずや"である。あるいは、過去の"自民党"である。あるいは、過去の"社会党"である。社会党は、攻撃することだけにあぐらをかいていた。

もっと言えば、"殿様商売"(もうけるための努力工夫に気を使わない商い方)。あるいは、"武士の商法"(いばってばかりいて失敗)である。

日本は、"技術立国"という言葉で、自惚れてしまったのかもしれない。あるいは、物づくり技術さえあれば、ということで、進むべき方向を見失った。方向を見誤った。つまり、"裸の王様"になってしまった。
注)裸の王様とは、周囲がイエスマンばかりで、直接耳の痛いことを言う人間がいない場合、陰では酷評されているにも拘わらず、自分が言ったりやったりしていることは正しいものだと勘違いしているトップ。

更には、時代が、厳しい世界的競争の時代に入ったのに、能力のないものが、等しく優遇される"終身雇用制度"によって、実力主義が機能しなかった。能力評価が機能しなかった。大企業は、ぬるま湯の職場になってしまった。

その結果、朝日新聞デジタルの見出しのように、能力のあるものは、去っていった。そして、並の人材ばかりになっていった。"朝日新聞デジタル:韓国サムスンが日本人技術者引き抜き加速、人材戦略弱い国内勢 - ロイターニュース - ビジネス・経済"

下手なリストラは、有能者が率先して去っていく結果にもなる。ソニーのリストラもそのような他国や他の企業を利するような結果にならなければよいが。"電機にリストラの嵐 ソニーも1万人削減 | インサイド (その他、全般のニュース)"

このような"大企業病"が、日本に蔓延しているのではないか。これを総合的に別の言い方をすれば、上位階層が、エンドユーザ(企業にあっては従業員)と向き合わないと言うことでもある。
注)"大企業病とは、主に大企業にて見られる企業体質で、組織が大きくなることにより経営者と従業員の意思疎通が不十分となり、結果として、組織内部に官僚主義セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義などが蔓延し、組織の非活性をもたらす"(from Wikipedia)

士農工商でいえば、大企業は、"士"で、中小企業は、"工"で、販売店が"商"である。大企業は、工や商を従えて、ユーザと向きあわなくなったのではないか。役所は、同じく、士農工商の士の位置にいる。つまり、大企業は、役人的体質に変質してしまったのだろう。

それと、更にいえるのが、日本企業は、ガラバゴス化(日本への過剰適応)してしまった。進化論的に言えば、環境がすっかり変わり、グローバル化(国単位から世界全体への視野の拡大)の時代に入っていたのに、相変わらず、日本(全体から見ればごく一部)に過剰適応し続けた。

その典型が、携帯市場である。日本は、垂直統合型であった。特に、効率を重視して、国内で完結したがる。だけども、時代は、グローバル的水平統合型になった。

江戸時代、幕藩体制だったが、それでは、西欧諸国に対応できないということで、日本は集権体制的全国統一を成し遂げた。だのに、携帯市場では、その幕藩体制(キャリア内で完結する極端な囲い込み)が敷かれていた。そして、ご存知のように、海外からのスマホ(黒船)に、日本中を蹂躙されてしまっている。

私も、携帯電話は使う気がしなかったが、スマホ(iphone)が販売されて、この素晴らしさにやられてしまった。6人家族の我が家も、全員がスマホ使用者である。

技術立国は、過去の言葉になってしまった。オンリーワンではない、並の製品作りでは、中国韓国に追い上げられて当然である。付加価値というが、その付加価値も、1年以内に、追い上げられてしまう。賞味期限が極端に短いのである。

更には、更には、日本では、今でも、オリンパスのような、企業風土が当たり前である。まったく、閉ざされて、開かれていない。個人商店のような企業風土である。これでは、世界展開は、不可能に近いのではないか。

世界展開したいならば、社内とはしがらみのない、日産のゴーンのような、(過去から決別して大改革を実行する)経営感覚を持った社長を迎えるべきである。しかし、依然として、社内から、無難な(過去を引きずる)人事で社長になるケースが多い。

これでは、日本の企業は、並の企業に落ちていくのは、火を見るよりも明らかである。自民党の後に民主党が政権をとったが、民主党も、自民党の亜流(自民党の引き写し)でしかなかった。日本全体が、坂道を転がり落ちている。

日本の大企業ばかりではなく、日本の政治世界も、大企業病に陥っていると言わざるをえない。そんな政治を選んだのは、紛れもなく、我々日本国民である。