真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

いじめを止めるには、保護プログラムが必要

1)今、いじめが大きな社会問題となっている。これを、社会全体で、考え、議論するきっかけ、機会となることを強く願う。それについて、私なりに、思うところを述べたい。
注)私は、今までに、このブログ内で、いじめという言葉を含むブログ記事を、19本も書いている。その内で、題名に、いじめという言葉を使っているのは2本ある。
1]いじめを生まない学級経営の一つの提言 - 真 夢人 日記
2]イジメの構造化 - 真 夢人 日記
2)いじめられている側(被害者)が、いじめられていると告白するのは、加害者に、ナイフを渡して、僕を刺してくださいと、言い渡すようなものである。それほどに、被害者から、いじめという言葉を引き出すのは困難である。
3)というのは、加害者は、必ず、被害者に、口止めをするからである。だから、教師が、被害者や加害者から、いじめという言葉を引き出すのは至難の業である。
4)だから、教師たちによる、単なる聞き取り調査では、いじめという言葉を引き出すことはできない。その結果、教師たちは、いじめはありませんでしたと、公表せざるを得ない。
5)つまりは、教師集団は、加害生徒はもちろんのこと、被害生徒や、周辺の生徒たちから、全く信頼されていないのである。全く頼りにならない存在でしかない。
6)教師たちは、生徒たちを守り切れるとは、生徒たち自身からは、全く思われていない。先生たちは、生徒たちからそのように見られているのである。
7)これは、教師世界は、個人個人が独立王国であるからだ。教師の独立性が極めて強く守られている。それが逆に、組織的行動を取れない原因でもある。
8)そのことを加害生徒たちはよくわかっている。つまり、担任の先公さえ、かわせれば、いじめ放題なのである。そして、担任が頼りないとわかれば、周辺生徒も手出しはできなくなる。
9)極端な言い方をすれば、加害者の活動範囲は、治外法権と化し、そこで、独裁政治、恐怖政治が行われる。加害者の空間は、学校内で異次元化する。
10)別な言い方をすれば、一匹の狼と羊の群れ。狼は、弱いもの、ひ弱なものを選び、群れから、孤立させて、安々と襲いかかる。他の羊たちは、しばらくは私達は安全だ、と心のなかで安堵する。そんな状況が生み出されてしまう。
11)そうならないためには、つまり、生徒たちから信頼を勝ち取るためには、対象生徒(被害生徒、通報生徒など)を守り切る保護プログラムの存在である。
12)ある意味、暴力団の報復と同じである。対象生徒(被害生徒、通報生徒など)が、最も恐れているのは、加害者からの報復なのである。教師集団によって報復を防いでもらえるとは、からっきし思われていないのである。
13)だから、本格的ないじめは、担任一人の手に負えるシロモノではない。ゆえに、組織的な保護プログラムというシステムを構築しておく必要がある。
14)いじめの疑いがあるという段階で、学校全体による、保護プログラムの発動を宣言する必要がある。周辺生徒からのいじめの通報は、もはや火の手が担任一人では背負いきれないほど大きくなっている証拠だと見るべきである。というのは、思い余っての必死の行動(叫び)だからである。
15)やるべきことは、全校生徒への、氏名などを自由記載にした上で、いじめについて、アンケートを実施する。これは、加害生徒にとって大きな心理的圧迫がある。
16)そして、休み時間や放課後の、二人一組などの先生の巡回を定期的に行う。これによって、生徒たちは、先生はもはやいじめの存在がわかっていると感じ取る。でも、これだけで収まることはないだろう。
17)次に、保護者会を開いて、いじめの可能性を宣言する。そして、家庭や地域に対して、情報の提供をお願いする。これによって、学校の意気込みが生徒達に保護者に地域(校区内)に伝わる。
注)いじめが起こった場合に、保護者に応援を依頼して、休憩時間や放課後に、保護者の方々に、組みを作って、順番に、学校内を巡回してもらっている学校もある。これも効果があったようだ。
18)そして、全校集会を開いて、いじめは、れっきとした犯罪なので、警察に通報することもあり得ることを明言する。出来れば、専門家を呼んで、講演してもらう。
注1)「いじめは犯罪、警察と連携を」:日経ビジネスオンライン
注2)「攻撃はやめない」と加害生徒が宣言。その時、教師は:日経ビジネスDigital
19)もちろん、教育委員会へは、定期的に報告する。このように、どれだけ事を大きくできるかが勝負である。しかし、自分たちの恥(自分たちだけで収められないことに対して)だという意識が強いので、逆に、事をできるだけ小さくまとめようとしがちである。
20)しかし、収束できない場合には、火の手をますます燃え上がらせて、学校内ではどうにもならない段階にまで達する。
21)生徒のことを中心に考えれば、事をできるだけ大きくするほうが良い。一回それを実行すれば、それが前例となり、保護者や、生徒、将来的にいじめ加害者になりそうな生徒への今後への強力な抑止力となる。
22)また、先生たちも動きやすくなる。つまり、防災訓練と同じである、回数が多くなればなるほど迅速な的確な活動ができる。