真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

資本主義は共有主義に遷移しつつある

資本主義は共有主義に遷移しつつあると感じている。
カール・マルクスは著書『資本論』の中で「生産手段が少数の資本家に集中し、一方で自分の労働力を売るしか生活手段がない多数の労働者が存在する生産様式」として「資本主義」と定義した」引用from"資本主義 - Wikipedia
他方の、共産主義は、物質主義で、物質にしか価値を見出さなかったことが、最大の欠点である。マズローの欲求5段階説を見れば、早晩破綻する思想であったのは明瞭だろう。
しかし、資本主義の方も、共産主義にある程度近い、共有主義に向かいつつあると、私には感じられる。
その共有主義を私なりに定義すると、
「生産手段や生産資源を社会的共有財産とする制度」と、特に、「多くの人々が少しずつ持ち寄ったものを、生産手段や生産資源として社会的共有財産とする制度」とする。
これは、今のところ、ネット内でだけ成り立つ制度である。とはいえ、村などで、池や山を村の共有財産とする制度は昔からあった。
参考1)共存主義、共有主義、共産主義が可能な時代に突入した - 真 夢人 日記(2010/05/18)
参考2)独占所有から共有化へ - 真 夢人 日記 (2008/01/08)
しかし、少数の資本家に集中するとされた資本主義は、株式を導入することで、少し共有主義に近づいた。
「株式会社が事業に必要な巨額の資金を調達する際に、資本を細分化し、小額の出資を多数の出資者から募ることが可能になる」方式が株式である。
株式が、資本を細分化し、小額の出資を多数の出資者から募るので、マルクスの言う、「生産手段が少数の資本家に集中」することを避けることもできるようになった。
だから、株式は、資本主義を共有主義に近づけたといえる。
NISAが現れた時、これは共有主義を高める機能を持つのかなと期待したが、「毎年100万円を上限とする新規購入分を対象に、その配当や譲渡益を最長5年間、非課税にする制度」なので、大きな期待はできそうもない。
参考)引用from資金は消費者提供、「共感」が覆すものづくりの常識:日本経済新聞
1)「クラウドファンディング:不特定多数の人からインターネット経由で「ファンディング(資金調達)」するサービス」
2)「クラウドファンディングは、個人が単にモノを買うだけでなく、企業主の事業趣旨に賛同して、参加する意識を共有できる。資金提供者は、“投資家”として長期にわたって活動を応援することも多い」(同レポートから引用)。これは、いわば商品の魅力と同時に、新しいアイデアやコンセプトに共感し、資金提供を通じて活動を支援するという行為に一般消費者が大きな関心を寄せるようになった」
共有主義を体現している例として、インタネットで行われている、"Wikipedia"などの集合知があげられる。
共有財産化した、集合知は、利用者の才能次第で、すばらしい生産手段や生産資源として機能する。
口コミも集合知であり、それを活用したサイトが沢山林立している。私は、料理作りが好きなので、COOKPADを愛読している。これも集合知で成り立っている。
ネット内にあるものを、あるテーマにそってまとめる、まとめサイトも、林立している。このように、ネット内の情報は、生産手段や生産資源としての意味、価値を持っている。
これは、変形した共産制度であろう。
という意味で、私は、資本主義は共有主義に遷移しつつあると感じている。特に、ネットがそれを大きく促進していると。