真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

犬や猫を見ていると、癒やされるのは何故か

我が家には、ヒマヤランという種類の猫がいる。夏は死の地獄を味わっている。また、去年までは、犬もいた。
犬や猫を見ていると、癒やされる。でも、それは何故なのだろうか。
犬や猫だけではない、赤ん坊もそうだけど、それは、彼らが素直だからだ。自分に正直だからだ。
それに対して、ほとんどすべての人間は、素直ではない、自分に正直ではない。私も、自分の心がネジ曲がっていると、いつもいつも感じざるを得ない状況に出会う。
そんな人間が、癒やされるとは、心が洗われる、素直でいられる、正直でいられる、身体的面で言えば、病気から回復することを意味する。
注)「癒やす」とは、「傷や病気などを直すこと。苦しみや悲しみなどを和らげること」引用from"日本語表現辞典 Weblio辞書"、つまり、正常から逸脱している状態から正常に戻すこと。
精神的な面で言えば、癒やされるとは、正直でない、素直ではない状態から、正直で素直な心に戻れることである。本来の自分(赤ん坊時代)に戻れることである。
正直でない、素直ではない状態とは、心理学的に言えば、防衛機制を作動させていることである。凸レンズや凹レンズを通したかのように、心がまっすぐに進まない。
防衛機制とは、自分(主に心、精神)を守るために、さまざまな機制(仕組み、機構、メカニズム)を身につけることであり、その身につけた機制を言う。
その機制は、何度も発動させると、自動化してしまう。つまり、意識がその機制を働かせなくても、それと同じ状況に置かれると、無意識側が自動的にそれらを発動してしまう。
だから、自分の心がそれを発動しているとは思っていない。つまり、自分に気づいていない。気づいているのはむしろ他人である。
前回(2014/08/14)、私は、このブログで、「一人と一人ぼっちとルールと」という記事を書いた。そこから引用。
「「一人ぼっち」には、寂しい、悲しい、恥ずかしなどの感情が伴う」。
そんな感情を味わうのは辛いので、それから逃げるために、何らかの防衛機制を身につける。それは人によって異なるので、これだというものはない。便所飯もその一つである。
しかし、私達は、相対する相手に共感するという能力を持っている。なので、たいていは、相手がどんな感情を味わっているのかは、無意識面では感じ取っている。
そんな感情が相手から伝わってくると、たいていは、自分の中にも同じ感情と、同じ感情を味わった、過去の経験とが蘇ってくる。
そんな感情と経験を味わいたくないし、思い出したくないので、ほとんどの人は、そんな場から不愉快げに離れ去っていく。
しかし、犬や猫は、そんな防衛機制は身につけていないので、彼らと相対しても、自分のいやな過去の感情や経験を思い出させられることはない。安心して、眺めていられる、接することができる
それが癒やされる(心身ともにリラックスできる)ということである。
私達は、未熟であればあるほど、自分の内部からくる感情や、他人から共感した感情が、自分の心をかき乱し続ける。そんな状況を避けるのが防衛機制である。
しかし、逆に、味わいたくないし、思い出したくない感情と経験とに、向き合うことによって、解消するという方法もある。
それには条件があって、その感情とそれにまつわる記憶の中に浸るという時間(経験)をもつという必要がある。中高齢者に、それをする時間と余裕を持っている場合が多い。
注)瞑想や座禅は、それも目的の一つとして行われる。
中高齢者を中心に韓流ブームが起こった理由の一つがこれである。韓国のドラマは中高齢者が過ごした日本の昭和を思い起こさせる。
そうすることによって、慟哭したり、ハラハラと涙をながすことによって、その感情とそれにまつわる記憶とが、中性(無力)化する。
そういうことを経験する毎に、その人は、防衛機制を働かせないで済むようになり、徐々に、素直でいられる、正直でいられるようになる。
もし、自分が、誰かを見て、あるいは、ドラマを見て、イライラしたり、不愉快になったりすれば、それは、その誰かが、ドラマが、あなたの中に、不快な感情や経験を無意識的に思い出させているからである。
多くの依存症や、薬物中毒なども、不快な感情や経験を無意識的に思い出させるものや、人や、状況からの逃避の手段であることが多い。
空白の時間は、その人の過去が浮かび上がってくるときである。だから、暇な時間、空白の時間を作るのを、嫌がる人がとても多い。
参考1)「空白の恐怖」(2006/10/10)from"真 夢人 日記"
参考2)「空白の恐怖から無の恐怖へ」(2006/12/07)from"真 夢人 日記"
参考3)「空白・欠如・無の恐怖」(2009/10/31)from"真 夢人 日記"
参考4)「空の巣症候群、空白の恐怖が去った後に」(2009/11/29)from"真 夢人 日記"
我々人間は、防衛手段(防衛機制)を身につけられる能力を持つことが、素直や正直であることから遠ざかり、面と向かって対決する機会から逃げてることを容易にしている。
注)依存症や、薬物中毒なども、防衛機制の一つである。
仏教でいう、悟りとは、この防衛機制から自由である(解放されている)ということでもある。
防衛機制は、エビやカニの殻と同じである。身を守ってくれはするが、自分が成長する際には障害となる。
あなたは、身を守ることに重点を置いているのだろうか、それとも、成長することに努力を傾けることに注力しているのだろうか。
成長したいと願うならば、壁を打ち破ることからはじめなければならない。
注)気が付かなかったが、「アナと雪の女王」の歌、"Let It Go"。
「Let it go」は「忘れる/(心配や不安などを)手放す」というのが本来の意味。映画の主題歌では「自分を縛りつけていたものから解き放たれる、自由になる」という意味なのだろう。
引用from"「ありのままの」女性がモテない理由 - LAURIER (ローリエ)(1/2)"