真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

ノストラダムスと予言と不安と

私は、オカルトものも好きなので、NHKの「幻解!超常ファイル」を録画して、時々、視聴している。
少し前になったが、"NHKネットクラブ 番組詳細 幻解!超常ファイル「予言者ノストラダムスの謎(1)(2)」"(2014年12月13日:土)(2014年12月20日:土)が放送されていたので、録画版を視聴した。
前半で、ノストラダムスの生涯や予言書を書いたいきさつが語られた。予言集は、四行詩のような形式になっている、ほとんどのものには年号が記されていない。
さらに、その表現は、曖昧であるので、それを読む人が、さまざまに解釈が可能である。番組内でも言っていたのだが、ロールシャッハ・テストのように、読み手がそこに自分を投影してしまいがちである。
注)「ロールシャッハ・テスト」とは、「スイスの精神科医ロールシャッハが考案した、左右対称なインクのしみが何に見えるかという反応をもとに被験者の人格を理解しようとする検査」
過去に書かれた予言の中に、実際に起こった出来事とかなり合致したものがあれば、読み手は、これを、ノストラダムスがすでに予言していたと解釈する。
年月日が記されていないので、未来に起こるであろう事柄には適用することができない。過去の事柄にしか適用でないのだ。
過去の出来事を記した歴史の価値は、現在や未来でどう生きるかへの手がかりや参考を与えてくれることにある。手がかりを過去の出来事に求めて、相当に合致したものの中から、先を見通す手がかりやヒントを引き出す。
聖書などの宗教書なども、同じような役割を果たしてきた。つまり、教科書的な役割である。となれば、ノストラダムスの予言書は予言とも言えないのではないか。
私達は、先が見通せないと、イライラしがちである。原因に対する結果が見えないと、不安になってくる。
不安とは、「漠然とした危険が迫り、自分がそれに対処できないかもしれないと感じたときに、生まれる感情」(引用from"UTU-NET うつ病教室"である。
この原因に対して、どういう結果が生じるかわからない時に、不安が生じる。この原因に対して、必ずこういう結果が生じると、固定されていれば、不安は生じない。
不安とは、固定されていない、一定でない、出来事に対して生じる感情である。
そのような不安の感情は、苦しいので、それを何とかして解消しようと図る。つまり、法則化しようとする。
ある原因に対して、必然的に、必ず決まった結果が生じる場合、そこに法則があるという。科学は、物質について、法則を発見する学問である。
一見混沌とした、データの中から、必然性を見出して、そこにこうすればこうなるという法則を見つけ出す。
昔から人々は、法則を発見しようと努力してきた。例えば、月や太陽や星の動きを観測して、そこに法則を見出して、それを元に農作業の時期を決めてきた。
私達は、現在や未来がどうなってゆくのかを知りたくて、ぼうだいな観察から生み出された、星占い、トランプ占い、手相などなどに頼ってきた。
諸行無常(この世の現実存在はすべて、すがたも本質も常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができない)というが、恒久的なものも存在する。
それは法則部分である。常に不規則的に流動変化するものの中に見いだされる法則は恒久的なものである。