真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

中国の経済成長率6.9%の意味すること。

私は、この記事「中国バブル崩壊「世界大恐慌」の可能性 | プレジデントオンライン」を読んで、ブログを書きたくなった。これから書く内容は、主にこの記事から手に入れた事柄である。
なお、常々、私は、この記事の書き手である、大前研一氏を、高く敬意を払っている。今回も、多いに、啓発された。
中国は、皆様もご存じのように、社会主義の国で、「生産手段の社会的共有と管理を目指す共産主義」経済を採用している。
思想的には、全体主義(個人主義に対する)、統制経済(自由主義経済に対する)である。つまり、一言でいえば、すべてがトップダウンで決定されるシステムを持つ国である。
とはいうものの、自由とか統制とか言っても、結局は、程度問題ではあるが。というのは、完全なる自由経済は、ほとんどの場合、結局は、統制経済に行き着いてしまう。
自由競争をさせ続けると、最終的には、一人勝ちに終わり、そのものが、独裁的に支配し、統制するからだ。
中国では、需要というかなりボトムアップ的な要求に基づいて生産されるのではない。例えば、需要を無視して、宅地を開発し住宅を供給し続けた。そのため、ゴーストタウンが至るところに出現している。
日本でいえば、採算を無視して、公共施設を建設するようなものである。日本の場合には、そのような時には、税金で穴埋めをし続けるが。
中国では、その結果、不動産バブルがはじけた。それを和らげるためにも、目をそらせるためにも、株式市場に資金を流入させて、株価を上昇させていった。
が、株式市場でも、やはり、バブルがはじけた。「7月27日の月曜日、上海市場は前営業日比8.48%の下落幅を記録。「上海版ブラックマンデー」というべき売りの奔流に押し流された」引用from"バブル崩壊 鎮火できない中国、延焼する韓国 WEDGE Infinity(ウェッジ)"
中国政府は、必死になって、株価の上昇を目論んでいる。
つまり、中国では、不動産バブルと株式バブルのダブルバブルがはじけて、巨大なバブルの崩壊が始まった。
中国の経済成長には、実需だけではなく、バブルの部分もかなりあった、ということである。
中国では、前にも言ったように、統制経済体制なので、賃金も実需に関係なく、引き上げられる。土地の価格も、同様に、実需とは無関係に、上昇させられる。
国の実際の実力、能力、実態とは無関係に価格などを決めることができる。
そのことで、経済成長率を実際よりも高く見せてこれたが、二つのバブル崩壊を受けて、もはや高い経済成長を維持することが不可能になった。
それを、中国の経済成長率6.9%が、指し示している。絶対死守すべき経済成長率7%には届かなかった、と。しかも、これが一過性のものではないこともはっきりしている。ということで、中国にとって、これは本当に、大きな意思表示である。
国内市場では全くまかないきれない供給量を生産し続ける、過剰設備を抱えている。国内は、過剰、過剰のオンパレードである。
このはけ口として、中国は、海外を目指している。その典型的な例が、インドネシア政府が、中国の提示する高速鉄道計画案を採用したことに現れている。
参考)高速鉄道、資金調達で差 中国受注に菅氏「考えられぬ」:朝日新聞デジタル
採算を度外視してでも、海外に、国内の過剰なものを供給できる相手を見つけださねばならない。
最近、日本とアメリカは、TPPという経済圏をもうけて、囲い込みを形成した。他方、中国は、陸のシルクロードと海のシルクロード構想で、囲い込みを形成しようと目論んでいる。
中国は、二つのバブル崩壊を切り抜けることができるのだろうか。