真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

マイクロソフトからアップルへ、そして更にグーグルへ

2月2日に、この記事、「グーグル、時価総額69兆円 アップル抜き世界首位に:朝日新聞デジタル」、を読んで、マイクロソフトとアップルとグーグルに関して思ったことを書きたい。
先ずは、その記事から引用。2016年2月「1日時点の米株式市場の時価総額ランキングは、3位がマイクロソフト(約4350億ドル)、4位エクソンモービル(約3240億ドル)、5位フェイスブック(約3200億ドル)と続いている」
なお、1位:グーグル5700億ドル(約69兆円)2位:米アップル(約5350億ドル)
5位までの内で、4つを、パソコン、インターネット関連企業が占めているのは、時代を象徴しているように感じる。
ここでは、マイクロソフトとアップルとグーグルの、(中心的)収益基盤、拡大戦略(開放型/閉鎖型)、ソフトウェア/ハードウェア、市場環境(戦場)、の違いを中心に考察してみた。
マイクロソフトに関しては、収益基盤はソフトウェア(主にWindows/Office)で、ハードウェアを全面的に他社に委ねた。ソフトウェアを開放型(自由参加型)にした。
結果、マイクロソフト(Windows)を核に、巨大なソフトとハードの全世界規模の生産環境圏が生まれた。Windowsがパソコン世界のプラットフォームという地位を獲得した。
他方、アップルに関しては、収益基盤はソフトウェアとハードウェアの両方である。また、ソフトもハードもアップルを頂点とする垂直統合的閉鎖型である。
マイクロソフトが、ソフトウェアに専念して、ハードウェアを市場開放したので、ソフトとハードが、共存共栄関係を保ちつつ共進化しながら、パソコン市場を独占状態に持ち込んだ。
参考)「全世界的にオペレーティングシステムの市場を独占し、全世界に渡るパソコンの新規購入費用にWindowsのライセンス費用もほぼ含まれている状態をもって、「マイクロソフト税」と揶揄する向きもある」引用from「マイクロソフト - Wikipedia
他方、アップルは、コアなファンには、熱狂的に受け入れられているが、市場占有率ではマイクロソフトとは比べもにならないレベルであった。
玄人相手とも言える、職人気質的アップルが、Windows帝国を築いたマイクロソフトをひっくり返したのは、新しい市場環境(戦場)を切り開いたからである。
具体的には、携帯端末市場を創造したからである。だが、その先駆けを造ったのは、ソニーウォークマンなのだが、アップルには、世界的に支持されたitunesという強力な後ろ盾があった。これが未来を決定づけたように思える。
固定端末(デスクトップ型パソコン)市場においては、アップルは完全に敗者となった。
しかし、携帯端末を持ち込んで、具体的には、ipodで世界をアッと言わせ、次に、iphoneで世界を歓喜させ、更に、ipadでなるほどと唸らせた。
Windowsに席巻された固定端末だが、携帯端末にはWindowsは不向きであった。動きの重さには定評があった。
マイクロソフトは、携帯端末用のソフトを持っていないし、ハードも自製していないし、お手上げで完敗であった。しかも、時代は一気に、固定から携帯へとシフトしていった。
携帯市場に、基盤ソフト(アンドロイド)を携えて殴り込んだグーグルは、収益基盤に関しては、ハードでもなくソフトでもなく、情報である。より厳密に言えば、情報に添付させる広告である。
だから、ソフトでもハードでも、収益基盤にしていない。マイクロソフト以上に市場開放型の拡大戦略を取っている。
結果、グーグルは、市場環境(戦場)は固定端末でも携帯端末でも戦える。敢えて言えば、市場環境(戦場)は、インターネットである。時代は、今や、ネットにつながらないパソコンはただの箱状態である。
マイクロソフト対アップルでは、固定端末市場では、開放型の拡大戦略を採用したマイクロソフトが勝ったように、アップル対グーグルでは、開放型の拡大戦略を採用したグーグルが勝ちを得るのもうなづける。
更に、アップル対グーグルでは、アップルが高級指向であるのに対して、グーグルは中級下級指向である。用語でいえば、アップルがトールヘッド(恐竜の頭)指向で、グーグルがロングテール(恐竜のしっぽ)指向である。
となれば、数からいえば、グーグルが占有率が高くなる。グーグルにとって、数や占有率は大きな意味を持つ。時代は、プラットフォームとして採用されるか否かが、決定的重要性を持つ。
とにかく、マイクロソフトが固定端末市場で生み出した巨大な生産環境圏よりも、段違いに全世界規模で、マイクロソフトが余り重要視しなかった、個人をも巻き込んだ生産環境圏が生まれ、実質、全世界そのものが、生産環境圏になっている。
注)なんとなく、マイクロソフトとアップルとグーグルの関係は、日本の、織田信長豊臣秀吉徳川家康との関係に似ていなくもないようにも感じられる。グーグルは、マイクロソフトが築いたパソコン市場、ネット環境と、アップルが築いた携帯市場の上で君臨しているのだから。
今や、ビッグデータのような情報が、生産資源(かつての石炭、石油、鉱物などなど)として、時代の前面に踊り出ている。それを核にして、ソフトウェアやハードウェアが生み出される時代が到来して来た。
まず情報ありきの時代の到来である。その後からその情報を最大化・最高化・最良化するハードとソフトが付き従うという時代の到来である。