真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

安倍・黒田演出のイルージョンの終焉

(なぜマイナス金利で株価は下落し円は高くなるのか?)を読んで、この題名を思いついた。最近の、円高と株安について思うことを述べたい。
「裸の王様」という言葉をご存知だろう。仕立て屋という触れ込みで現れたある男に、王様が衣装を作ってもらった。しかし、馬鹿者には見えない、と言われたので、誰も、見えない、とはいえない。
皆は、王様が素晴らしい衣装を着ている、と誉めそやす。世間は、素晴らしい衣装を王様が着ている、という前提で、振る舞う。
しかし、ある時、無垢な少年が、「王様は裸だ」、と叫ぶ。その言葉で、皆は、魔法から解き放つ呪文を聞いたかのように、仕立て屋が演出した幻想から解き放たれた。
別の例を述べる。金や太鼓のお囃子が、村中に響き渡った。その音を聞いて、村人達が、各自の仕事を放り出して、お囃子に合わせて、踊り出て来た。村中が、輪になって、踊り狂った。
そこへ、役人が通りかかって、「皆ども、踊りを止めて、仕事に戻れ」、と一喝すると、皆は我に返って、仕事場に戻って行ったとさ。
経済についても全くの素人の私であるが、今回の、円高・株安は、安倍・黒田演出のイルージョンの終焉を意味するように思う。
参考)「ドル円は購買力平価の100〜105円めざす | 市場観測 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
もっとはっきりいえば、安倍・黒田演出のイルージョンに乗っかって、踊っていた人達が、踊りの輪から一斉に、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す姿のように思える。
参考)「黒田日銀の白旗宣言inNY~異次元緩和の失敗を示すマイナス金利政策=吉田繁治 | マネーボイス
ハイハイ、もう祭は終わりましたよ、後の祭りですよ、皆さん、職場に戻りましょう、とのお開き宣言であるように感じる。
つまり、皆は半ばバブルだろうと、薄々感じながらも、皆が踊りの輪を作り、そこへ参加をするので、イルージョン世界が現出した。
しかし、中国から暗雲が現出して、世界中を覆い尽くしつつある。更には、中国経済失速による原油消費減から発した原油安で、生産国が、不況の嵐に巻き込まれている。
参考)「世界金融市場は「崩壊の危機」に直面している | 小幡績の視点 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
原油安によって、財政危機にある産油国オイルマネーが、投資先から、どんどんと引き上げられて、新興工業国は、貸し剥がしで、バタバタと倒れつつある。
参考)「産油国バブル崩壊は通貨危機の連鎖に繋がる | 市場観測 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
参考)「アングル:主要産油国の政府系ファンド、日韓株を大量売却か - ロイター」「アングル:主要産油国の政府系ファンド、日韓株を大量売却か」
それだけでなく、好景気だといわれていた、シェール革命によって石油輸出国の仲間入りしたアメリカも、原油安で採算割れして、景気の腰折れになりつつある。
中国の過剰生産によって、輸入する国々では物価がデフレ傾向にあり、経済縮小に向かいつつある。などなど中国発の不況が世界を飲み込もうとしている。
突然の夕立で、街行く人達が、雨を避けようと、あちらこちらへと、逃げ惑う様によく似ている。
だから、今回は一時的な狼狽売りなんかではなく、全員による手じまい売りなのではないだろうか。