真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

知価社会とは、横(水平)構造社会・協調性(女性優位)社会への移行である

私は、最近、「堺屋太一」にハマっている。私は、彼の本で、歴史の見方を開眼(!?)できたと感じた。例えば、石炭の利用方法を身につけたことが時代を塗り替えてしまったとか。
高い火力が出せる石炭によって、鉄、銅、陶器などが良質のものを大量に生産できるようになった。その結果、鉄で出来た農機具で、農産物の生産高が伸びた、銅の大量生産で貨幣経済が進んだとか交易が盛んになったとか。
その彼は、戦後からバブル崩壊までを、「官僚主導・規格大量生産社会」だという。それが、バブル崩壊とともに、その思考(志向)も崩れた。
その後はスランプ状態にあり、最近、立ち直りつつある。堺屋氏は、元の社会に戻るのではなく、今日本に来つつあるのを、知価社会だという。
まずは、「知価社会」に関して、私のブログ「産業革命は、社会構造の変革をもたらした」から引用。
「知価社会の特徴は、多様化、情報化、省資源化、である。世界の流れは、規格大量生産の近代工業社会から、知価社会へ、と方向転換し始めた」。
参考)「情報はもはや国防や消防などと同じく、誰もが手に出来る公共財なのだ。 皆が手にした今、以前に情報に内在していた価値は消えてしまい、 無料かつ無限の資源となったのだ。 そして、その無限の資源を生かして、膨大な新しい価値を創造できる「知」にこそ価値がある」。引用from受験勉強法Blog |知価社会
知価社会へ移行したからといって、以前の「規格大量生産の近代工業」方式が消えてしまうわけではもちろんない。
ただ、主流から傍流へと退却するだけである。私はこのことを「階層構造」という発想で見ている。
つまり、「規格大量生産の近代工業」の上に新たに「知価主義」が重層したと考える。第一次産業の上に第二次産業が重層したように。
注)日本国内でも、農業社会の地域があり、規格大量生産の近代工業社会があり、知価社会がある。世界的に見ても、同様である。
堺屋氏は、「知価社会の特徴は、多様化、情報化、省資源化、である」という。上の参考のところで示したように、情報自体にもはや大した価値は置けない時代となった。
ネットにある、「無限の資源を生かして、膨大な新しい価値を創造できる「知」」に価値が置かれる時代となったということである。
もっと言えば、規格大量生産品のハードウェアから、知に価値を置いたソフトウェアの方に軸足が置かれるようになったということである。
ソフトウェアが主になり、ハードウェアが従となる関係になった。その典型がコンピュータである。それは、個々のハードウェア(画面、キーボード、ハードディスク、DVDドライブなど)を基本ソフトが統合して動かす。
私は、それを、このブログ内で、"攻撃性(男性優位)社会から協調性(女性優位)社会へ"という題名で示した。
そこから引用。「攻撃性(男性優位)社会から協調性(女性優位)社会へと移行するとは、「切断する」父性原理優位から「包含する」母性原理優位への転換である」
例えば、「セロトニン」。上の記事から引用。「セロトニン神経は、二つの神経(ノルアドレナリン神経:ストレス[不快]の神経/ドーパミン神経:快の神経)を制御するという。快と不快、好きと嫌いが行き過ぎないように、上から制御する働きがセロトニン神経である」
例えば、「癒やし」。「ゆるキャラ」。「草食系」。「健康志向」。などなど。これらは、「協調性(女性優位)社会へと移行」を暗示しているように思える。
私は、以前(2007/08/10)、このブログで、"異業種のコーディネート"という記事を書いた。そこから引用。
「その異業種を横断してとりまとめる職種を、勝手に"コーディネート"と呼ぶ。コーディネートとは、"まとめる、組み合わせる"ことである」
「服飾の分野では、髪型、化粧、服装、バッグなどの持ち物、アクセサリーなどを統合的に組み合わせてまとめ上げる仕事である。これは特にトータルコーディネートとも呼ばれる。そのようになされたものを、トータルファッション、トータルルックと呼ぶ。分割細分化された分野を統合する職種である。科学の世界ではこれを"複雑系"と呼ぶ」
つまり、知価社会の誕生とは、縦(垂直)構造から横(水平)構造への移行である。日本が得意とする縦型の系列ではなく、横(水平)構造への移行である。グローバル化もその流れである。
中央集権体制の官僚機構は、典型的な縦型なので、官僚が主導権を握ると、どうしても、組織・機構・システム・思考方法などが縦型に成り、知価社会への発展を阻害する。