真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

規格大量生産社会から知価社会へは相転移である

以前(2013/10/23)、私は、このブログで、"知価社会とは、横(水平)構造社会・協調性(女性優位)社会への移行である"という記事を書いた。
そこから引用。「例えば、「癒やし」。「ゆるキャラ」。「草食系」。「健康志向」。などなど。これらは、「協調性(女性優位)社会へと移行」を暗示しているように思える」
知価社会は、協調性(女性優位)社会であると述べた。それを指し示す社会現象を提示した。
今日は、知価社会へと移行しつつある事実を、別の角度から示したい。また、それを早める方法も提示したい。
まずは、題名にある、「相転移」の説明から。その前に、「相」について説明。物質が化学的・物理的に一様であるとき、その均質な部分を相と呼ぶ。例えば、山では植物相が高度とともに変化する。
注)「森林であれば高木層、小高木層、低木層、草本などのように重層構造をな」す。引用from"植物相について"
微視的には特徴のない分子でも, 無数に集合すると多彩な様相を示すようになる。これら巨視的な集合形態を区別する目的で、相という用語が用いられる。
次に相転移であるが、物質がある相から異なる相に移ることを相転移、または相変化、単に転移ともいう。
有名な相転移は、固体(氷)⇨液体(水)⇨気体(蒸気)、と相転移する水である。氷も水蒸気も、水分子の集合体としての、1つの系の異なる状態にすぎない。要は、密度と活動性の違いから見え方が変わる。
つぎに、相転移する臨界点。その前に、原子力発電で知られているが、連鎖反応の量が反応を持続できるほどの規模に達しておらず時間とともに減少する場合、この状態を臨界未満または未臨界という。
逆に、連鎖反応の量が時間とともに増加していく場合は、臨界超過(超臨界)という。この未臨界から超臨界への転換点を「臨界点」という。
ということで、今日の本題。国民の志向の変化。その変化は徐々に起こっているが、意識下レベルでの変化であり、目には見えない。
しかし、それが臨界点(閾値しきい値)に達した時、目に見える形で変化が進み、しかもその速度が速まる。ということで、国民の志向の変化(相転移)がはっきりと知れる。
注)「刺激の存在、あるいは刺激の量的差異を感覚するに必要な最小限の刺激値(刺激閾と弁別閾)」を、閾値しきい値という。
知価社会は、知的労働、しかも、教養的知識ではなく、専門的知識や能力を必要とする労働、つまり、専門知識技能者が主役を引き受ける社会である。
以前(2013/08/29)、このブログ内で、"「なぜ国家は衰亡するのか」を読みながら考えたこと"という記事を書いた。そこから引用。
産業革命後、学校が当たり前になったのは、多数の模倣者を生み出すためだったのだといえる。日本でも、それを効率よく遂行するために、一斉授業、暗記中心の受動的授業が行われてきたのが、納得できる」
規格大量生産社会では、知的労働者ではなく、模倣者を大量に必要としていた。そして、それに向くような学校教育が行われた。でも、知価社会では、その方式は適さない。
そこで、知価社会への移行を促す方法。就職率の低い大学への補助金を減らして、就職率の高い専門学校への補助金を増やす。
今や、平成22年度の就職率において、大学は60.8%であり、短期大学は、65.4%であるのに対して、専門学校は、74.7%に達している。
しかも、19年前に当たる、平成3年度の就職率においては、大学は81.3%もあり、短期大学にいたっては、87.0%もであった、専門学校は、87.7%と、三者には大きな開きがなかった。
参考)専門学校のススメ/高卒資格.com
これは、今の大学では得られない専門的知識や能力が要求されているからだろう。だから、それに答えられるところを選ぶと自然と、専門学校に行くこととなる。
これなども、時代が知価社会へと大きく移行しつつある現実を反映させているのではないか。
就職率の低い大学は淘汰されるべきではないか。その淘汰を促す方法が補助金である。就職率で、つまり、社会貢献度で補助金の率を変えていく。
参考)法科大学院、5段階分類 統廃合推進へ補助金傾斜 文科省方針- MSN産経ニュース
これによって、試験の方法を国が変えなくても、大学は大きく変化するのではないか。これによって、大学の倒産、合併併合、学部の大きな変更が促されるように思う。不良債権をたくさん抱えた銀行群が、倒産、合併併合したように。
参考)日本人、学歴高すぎ? 仕事上の必要以上に「ある」3割:朝日新聞デジタル「学歴がスキルの水準を示す指標として機能していない」「日本では就職してから、仕事を覚えていくスタイルが一般的。企業は潜在力を求めるのでオーバー・クオリフィケーションの人が多くなる」