NHKの「100分de名著」で、「資本論」を取り上げていた。
私は、資本主義の矛盾が大きくなり過ぎて、共有主義(シェアリングエコノミー)に移行しつつある、とみている。番組で、資本論を見ていて、その共有主義を思い浮かべた。
資本論では、富と商品を区別している。お金で買えるものを商品として、国民の共有財産(空気、水、公園、道路、図書館などなど)を富とする。所が、資本主義下では、あらゆるものが、商品化されていく。交換の手段であるお金さえ、商品化された。明治や昭和時代は、富がたくさんあった。しかしながら、高度経済成長によって、富がどんどん商品化されて行った。
だが、余りにも商品化の行き過ぎが甚だしくなり、資本主義の矛盾が大きな格差を産み出した。
それへの解決策としての共有主義では、資本論でいう富を、共有財産として、無料で買えるあるいは少額で、利用し合う、制度である。
勿論、富を国有財産とはしないで、個人所有であり、それらの所有品を、幅広くシェアする。つまり、商品の使用価値に重きを置く。つまり、商品の有効利用を高めて、少額で、快適な生活を得られる制度を、共有主義とする。
メルカリなどのショッピングサイトも、その主義に近い。カーシェアサービスも、その主義に近い。
もっと近いのは、COOKPADのような、お互いに持ち寄ったものを、お互いに利用し合う体制である。
あるいは、クラウドファンディングである。そこには、資本家と労働者という階級は関係ない。持ち寄り主義である。
今までの共産主義を実践した、国々がことごとく失敗したのは、国有財産を管理する官僚体制が、すべからく独裁政治を行ったからである。つまり、持てる官僚対持たざる国民へと国が完全二分化されたからである。
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