真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

100分de名著 「金子みすゞ詩集」 第3回目を視聴しての感想

私は、基本的に、文学は苦手で、ノンフィクションに心が向かう。だから、残念ながら金子みすずの文学を語れない。だったら書くなよ、としかられるかもしれない。ということで、100分de名著 「金子みすゞ詩集」の番組内容とは、かなり視点が異なることをご承知頂きたい。
金子みすずが生まれた大正時代は、江戸時代(徳川体制)が崩壊して、新しい国作りに邁進した明治時代の後に続く時代であった。明治時代は、芥川龍之介森鴎外夏目漱石などの男文学の時代であった。そしてその後の大正時代は、どちらかと言えば、女流文学、優しい文学が、花開いた時代であった。
ここまで書いて来て、これは過去にもあったなと感じた。
それは平安時代である。その前の奈良時代は、中国を手本とし、仏教を思想的基盤として、国作りを完成させた時代である。その後の平安時代は、紫式部清少納言など女流文学が花開いた時代であった。
これを家庭で例えると、暮らしを営むための基盤である家が建ち、その後に、内装に取り掛かる。家具を買い、生活道具を揃える。
大正時代に生まれたみすずは、そういう立ち位置にいたと思う。
視点が、具体から抽象へ、物から心へ、物質から精神へ、と内転した時代であるのが、平安時代や大正時代である。
そういう面では、金子みすずは、時代精神を背負い、体現し、具現化しようとした、時代の申し子である。
ちなみに、私は、日本の明治時代から現在までを、三区分する。明治時代(1868年)から昭和20年(敗戦:1945年)までを、力(武力)優先の時代とみる。次の昭和20年(1945年)から昭和のバブル崩壊(1989年)までを、経済優先の時代とみる。その後の、バブル崩壊後から現在までを、文化優先の時代とみる。その文化の先駆けが、漫画である。