真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

日本の殺人死亡者数と交通事故死者数と自殺者数と

[社会実情データ図録]
◎今日ここで書く記事の多く(ほとんど?)を「社会実情データ図録」から拝借している。このサイトにはすさまじいほどのグラフや図版や解説文が掲載されている。感謝、感謝。
[自殺者数3万人超]
◎日本では連続10年自殺者数が3万人を超えている。日本のこの自殺率は、先進国中第1位であり、世界101カ国で見ても第9位である。このように日本は欧米先進国と比較すると世界1の自殺大国である。
[他殺率は世界第2位の低さ]
◎日本の自殺率は極めて高いが、他殺率については非常に低い。日本の他殺率は150カ国の内、ジャマイカにつぐ世界第2位の低さである。
[高い自殺率]
◎日本の自殺率は、このように国内の混乱が続く体制移行国に次いで高い自殺率であることから考えて、異常な数値である。
[他殺死亡者数が自殺者数の50分の1]
◎日本の高い自殺率に比べて世界最低水準にある他殺率については、他殺による死亡者数が2006年に580人と自殺者数の50分の1のレベルとなっている。
[日々80人以上が自ら命を絶つ]
◎つまり、毎日1人〜2人が殺されているのに対して、日々80人以上が自ら命を絶っている。
[道路交通事故死者は16,765人がピーク]
◎次に道路交通事故については、高度成長期の後半(1970年)に16,765人のピークを見た後、オイルショック後の不況の中で1万人を割った。
[6千人台の交通事故死者]
◎1988年には再度1万人を越え、1992年には11,451人の第2のピークをみた。その後、シートベルト等数々の交通安全対策により現在は6千人台となっている。
参考資料⇒「交通事故死減少は真っ赤なウソ!? 軍事国家時代から続く「大本営発表」のカラクリ」=from"のり・たまみのへんな社会学"

(警察庁は)単に数字を減らすために「24時間以内に死んだ時だけ数に入れる」という操作を行っています。厚生労働省の「交通事故死」は、「事故後1年以内に亡くなった人」という定義なので、警察庁の発表と3,000〜4,000人も異なる
[死亡者数の比較]
◎では、日本での殺人死亡者と交通事故死者と自殺者との毎年の死亡者数を比較してみる。殺人死亡者は580人であり、交通事故死者は6千人台であり、自殺者は3万人超である。
[殺される確率]
◎要するに、日本では、殺される確率(殺人死亡者と交通事故死者)は、自ら命を絶つ確率(自殺者)の四分の一以下である。
[何故日本の自殺率が高い]
◎では、何故これほどまでに日本の自殺率が高いのだろうか。それについて、WHO精神保健部ホセ・ベルトロテ博士はこう言う。
「日本では、自殺が文化の一部になっているように見える。直接の原因は過労や失業、倒産、いじめなどだが、自殺によって自身の名誉を守る、責任を取る、といった倫理規範として自殺がとらえられている。これは他のアジア諸国キューバでもみられる傾向だ」

[自殺を気高いものと見なす]
◎ロンドンエコノミスト誌(2008.5.3)はこう言う。
「日本社会は失敗や破産の恥をさらすことから立ち直ることをめったに許容しない。自殺は運命に直面して逃げない行為として承認されることさえある。サムライは自殺を気高いものと見なす(たとえ、それが捕虜となってとんでもない扱いを受けないための利己心からだとはいえ)。仏教や神道といった日本の中心宗教は明確に自殺を禁じていたアブラハム系信仰と異なって、自殺に対して中立的である」
[倫理規範としての自殺]
◎ホセ・ベルトロテ博士とロンドンエコノミスト誌とは、ともに「倫理規範」、「自身の名誉を守る、責任を取る、逃げない、気高い」態度を取る手段と、自殺を見なしている。
[武士の心意気としての潔さ]
◎私は、前回の記事「論理思考より感情思考の日本人」の中で、「武士の心意気としての潔さ」をあげた。相手にその「思い切りがよい、未練がましくない、さっぱりとしている」潔さを求めると。
[名誉を守る、責任を取る自殺]
◎日本人の自殺者の何割かは、その「名誉を守る、責任を取る」「潔さ」の表現として自殺を選んでいるのかもしれない。日本には、「生き恥をさらす」という表現がある。
[潔さとは精神]
◎「潔さ」とは精神であり、精神の表現である。「名誉」や「責任」も精神の表現である。そのような精神を重んじるということである。これは日本人が精神性を高く評価している印なのかもしれない。
[萎えていく精神に耐えきれずの自殺]
◎とはいえ、人生に目標・目的を見失って、萎えていく精神に耐えきれずの自殺も多いような気がする。目標・目的のない人生ほど苦痛なものはないのではないか。
[精神亡者に導きの灯台を建てる]
◎今の日本での政治の最大の課題は、「精神の時代に入った」日本において、この「人生に目標・目的を見失ってさまよえる精神亡者」に、導きの灯台を建てることではないか。