真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

「身体的な経験と感覚」の右脳と「頭で理解」の左脳

[齋藤孝の「3分間」アカデミー]
◎以前(2008/08/05)"齋藤孝の「3分間」アカデミー"(日経BPネットコラム)コラムに関して、「「勤勉と道徳心はどこへ消えたのか」の問いかけに応じて」という記事を書いたことがある。
[情動の驚異]
◎今日(2008/10/27)は「人間の身体はすごかった!「情動」の驚異 〜感応バージョンその2 | 時評コラム | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉」を読ませていただいて感じたことを書きたい。
[スポーツオノマトペ]
◎そのコラム記事内に、『スポーツオノマトペ』(藤野良孝著/小学館)という本からの事例紹介が載っていた。それを孫引用させていただく。

子どもに跳び箱を指導するとき、一連の動作を言葉で説明すれば、「助走をつけて踏切板でジャンプし、両足を広げると同時に両手をまっすぐに伸ばして跳び箱の上に突き、向こう側に着地する」ということになる。しかし、これを聞いただけで跳べる子はいない。
 ところがこのとき、「サーと走ってタンと跳び、パッと手を突いてトンと着地する」と教えると、俄然跳べる子が増えてくるという。「サー・タン・パッ・トン」という軽快なリズム感からコツを掴んでいくからだ。
[身体的な経験と感覚]
◎それについて、斉藤氏は、引用の前半部分は「頭での理解」だという。そして、後半部分は「身体的な経験と感覚」に訴えるという。
[頭に訴える]
◎これを「齋藤孝」教授に逆らって、(前回の記事も反論的な内容になったが、私は若くて男前に無意識的反感を持っているのだろうか)「頭で理解」しようとおもう。つまり、皆様の頭に訴えていきたい。
[言葉は階層構造を成す]
◎まず、言葉は「階層構造」を成すといえる。「サー・タン・パッ・トン」(擬声語、擬音語)と「助走」「踏切板」「ジャンプ」の言葉は階層を異にする。
[筆記具の階層]
◎例えば、「鉛筆」や「ボールペン」は、「筆記具」に属している。だから、「筆記具」は「鉛筆」や「ボールペン」よりも階層が上である。「鉛筆」や「ボールペン」を束ねる言葉が「筆記具」である。
[文具の階層]
◎さらに、「用紙」(ノートや画用紙など紙類)や「筆記具」は「文具」である。だから、「文具」は「用紙」や「筆記具」よりもさらに階層が上である。
[階層構造]
◎つまり、「文具」(高い・上位)→「用紙」、「筆記具」→「鉛筆」、「ボールペン」(低い・下位)と階層構造を成している。
[具体物、具体性]
◎分類上で、上位に属すほど、具体物、具体性、つまり、「身体的な経験と感覚」(「サー・タン・パッ・トン」:擬声語、擬音語)から離れてゆく。
[頭で理解するとは]
◎逆に言えば、「頭で理解」するとは、分類上、「階層」の上位にある言葉(「助走」「踏切板」「ジャンプ」)で理解することである。
[左脳(言語脳)で理解]
◎そして、抽象的言葉(助走や筆記具など)は、通常(通俗的には)、左脳(言語脳)で理解するという。
[身体的な経験と感覚は右脳に属す]
◎逆に、事実かどうかは別にして、「身体的な経験と感覚」は右脳に属していると見なされている。
[日本語が作る脳]
◎ここで、「サー・タン・パッ・トン」(擬声語、擬音語)も言語ではないかという疑問を持たれたかも知れない。ということで、そこをうまく説明している「JOG(240) 日本語が作る脳」からの引用を示す。
人間の脳は右脳と左脳とに分かれ、それぞれ得意分野がある。右脳は音楽脳とも呼ばれ、音楽や機械音、雑音を処理する。左脳は言語脳と呼ばれ、人間の話す声 の理解など、論理的知的な処理を受け持つ。
西洋人は虫の音を機械音や雑音と同様に音楽脳で処理するのに対し、日本人は言語脳で受けとめる
母音、泣き・笑い・嘆き、虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎ、邦楽器音などは、日本人は言語と同様の左脳で聴き、西洋人は楽器や雑音と同じく右脳で聴いている
擬声語、擬音語が高度に発達しているという点が、日本語の特徴
[日本人は情緒的で西欧人が論理的]
◎さらに、その記事内で、理論物理学者の湯川秀樹博士は、角田教授との対談で、日本人は情緒的で西欧人が論理的にはこのような原因があったという趣旨の発言をされている。
参考資料→(私のブログ)「脳は右脳と左脳との矛盾的自己同一」
[日本語の特徴]
◎「虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎ、邦楽器音」を左脳で聞くというのは日本語の特徴である。ここから推論すると、外国人は擬声語、擬音語は右脳で処理し、日本人は左脳で処理しているとなろう。
[そのまま言語化した擬声語、擬音語]
◎「身体的な経験と感覚」の体験は右脳に収まっているが、それをそのまま言語化した擬声語、擬音語は日本人の場合左脳に収まっている。
[体験へ直に結びついている]
◎これは、言葉と音の中間的な擬声語、擬音語と、「身体的な経験と感覚」の体験とが直に結びついているのではないかと思う。
[経験と感覚を呼び覚ます]
◎それ故に、擬声語、擬音語や具体語は、「身体的な経験と感覚」を呼び覚ます、直に訴える力が強いのだと思われる。