真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

文化文明の進化論的な栄枯盛衰(1)

人類学(人類に関しての総合的な学問)においては、人間と自然や動物の差異を説明するための概念が"文化"である。引用(fromWikipedia)
結局は同じことをいうのだが、動物から、人間を分かつものは、「余剰」と「外化」だと感じる。ものの余剰と知の余剰、知の外化と身体の外化。
例えば、自転車や車は、足(身体)の外化したものと、包丁は歯の外化だと捉える。つまり、外化とは、道具(化)である。身体機能を身体外の道具に移し替える。本などは、知(情報)、脳機能の外化である。
知の外化に関して、"ミーム(meme)"という用語がある。動物行動学者、進化生物学者であるリチャード・ドーキンスが創作した語である。
それ(ミーム)は、人々の間で「心から心へとコピーされる情報」のことであり、文化を形成する様々な情報となっている。例えば、習慣や技能、物語といった、人から人へコピーされる情報である。
ミームにも進化という現象が生じており、それによって文化が形成される、という。「複製、伝達、変異」という三つの条件を満たしていれば、遺伝子以外の何かであっても、同様に進化するはずだと見ている。(fromWikipedia)
この余剰と外化が、文化文明を発展させてきたと思える。その内で、主に、知の外化を文化と呼び、身体の外化を文明と呼ぶ傾向がある。
宗教・道徳・学問・芸術などの精神的な"文化"に対して、"文明"とは、技術・機械の発達や社会制度の整備などによる経済的・物質的文化をさす。引用(fromデジタル大辞泉)
注)逆に、ものの身体化という言葉もある。例えば、自転車を乗りこなすとは、自転車をあたかも身体の一部であるかのように、乗りこなすことを言い表す。それを、自転車の身体化とも呼べるかもしれない。身体の外化の後に、物の身体化、再取り込みが生じるとも言える。
ハーバート・マクルーハンは、身体の外化ではなく、テクノロジーやメディアは人間の身体の「拡張」であると主張する。自動車や自転車は足の拡張、ラジオは耳の拡張であるというように、あるテクノロジーやメディア(媒体)は身体の特定の部分を「拡張」する、と表現する。引用(fromWikipedia)
注)メディアとは、情報が、送り手から受け手に届くまでに経由する、途中に介在する道具や手段を指し示す。例えば、音楽を歌手から聞き手に送り届ける手段として、ラジオ、CD、テレビ、あるいは、マイクなどがあり、それらをメディアと呼ぶ。送り手の意思を伝える手紙もメディアである。
身体(知)の外化の一つの例示をする。
情報の受発信の手段の変遷:声⇒手紙・紙⇒固定電話⇒携帯電話⇒スマートフォン⇒ネットワーク端末(操作基地:屋外=スマートフォン/屋内=PC的テレビ):情報はクラウドに置いておく。
今、ネットワーク端末として、ipadの発売以来、Kindle Fire(読書端末)やタブレット、さらにはスマートフォンが隆盛している。
これからは、さまざまなものが(クラウド化した)ネットワーク網に組み込まれ、その末端的端末(画面付きリモコン)として、スマートフォンが位置づけられるだろう。
声は情報伝達手段として動物(特に二本足の鳥類)でも使えるが、人間は、すぐさま消え去る声を変換(固定化)する文字を発明し、それを載せる物的手段を発明することで、飛躍的に発展してきた。
原初的な文化は、動物にも見られる。例えば、宮崎県の幸島の半野生のニホンザルの中で、ある子ザルがエサのサツマイモを小川で洗った。この行動は、母や兄弟姉妹、近くのこどもたちへと広がった。その後、この行動が、海水で洗うということに変わっていった。これも今までに見られなかったし、その後群れに定着したので、文化といえる。
注)文化、あるいは文明の定義:知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣行、その他、人が社会の成員として獲得した能力や習慣を含むところの複合された総体。引用(fromWikipedia)
注)以前の主役(例えば、固定電話)は、消滅するわけではなく、脇役へと引き下がる、という形で、積み重ね(積み上げ)られていく(重層構造、階層構造)。
産業においても、最初に一次産業が発生し、その後に、二次産業がその上に積み上がり、さらに、その上に三次産業が建て増された。
進化を全体から見ると、階層的な拡大である。例えば、地球の進化とは、動植物が生息できる領域が、海だけ⇒海辺(水辺)⇒陸地⇒空(空中)と、生息域の拡大である。新しい生息域へは、新しく進化(適応)した生物が進出する。
そういう意味では、そのような(新しく生まれ出た)領域は、フロンティアであり、未開拓の分野、新しい分野、学問・技術の最先端である。
生物の進化も、生存域の拡大につれて、どんどんと階層的に(階層が深くなる)進化拡大していった。
情報の受発信の手段の進化も、過去の他の手段・道具の進化を取り込みながら、階層的な拡大を遂げていっている。
そういう点では、遅れて誕生してくるものほど、それだけたくさん過去の遺産を相続することで、進化的により高い位置を確保できる。だから、人間が最後に登場したのも当然である。
物の元である、原子(元素)も進化してきたといえる。それぞれの原子の生成(誕生)は、温度と圧力によって異なっている。つまり、生成誕生環境が異なる。原子にとって、進化は、温度という環境の違いによって、成し遂げられてきた。
例えば、温度が約1,000万を超えると(4つの水素原子から1つのヘリウム原子を作る)水素核融合が起こる。
更に高い約1億程度になると、3つのヘリウム原子核がトリプルアルファ反応(つまり、ヘリウム3つが結びついて炭素が出来る反応)を起こし、炭素が生成される。
温度がずっと高い30億度に達すると、ネオンが核融合を開始し、シリコン、硫黄、カルシウム、アルゴン、などが誕生する。
超新星が爆発する瞬間、恒星とその周辺は超高温の状態となる。このことによって、恒星での元素合成では果たせなかった、さらに重い原子の合成が行える環境が作り出される。超新星爆発は、重い原子の合成工場である。
(環境)温度が高くなればなるほど、より複雑な原子(元素)が生成される。ということで、これらの現象は原子・元素の進化と呼べるだろう。
水素は、陽子1つと電子1つからなる最も簡単な原子で、宇宙に最も多く存在する原子である。ヘリウムの原子核は、2つの陽子と2つの中性子からなり、周りを2つの電子が回って構成される。炭素の場合は、陽子が6つ,中性子も6つ,電子も同じく6つ持つ原子である。
ヘリウムは、水素よりも複雑だったので、水素の誕生後でしか誕生し得なかった。つまり、過去の遺産を受け継ぐという形でしか進化はできない。より複雑なシステムは、より単純なシステムを元にしてそれを取り込む形で形成される。これは宇宙原理(進化)の大原則である。同時に、これは弁証法的進化である。
弁証法では、古いものが否定されて、新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのではない。古いものが持っている内容のうち、積極的な要素が新しく高い段階として保持される。ということで、それらを含めた用語として、止揚という語を用いる。引用(fromWikipedia)
つまり、弁証法は、特にヘーゲル弁証法は、進化を説明する論法である。世界や事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法・法則とされる。引用(fromWikipedia)