真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

宇宙原理としてのトーナメント形式

[トーナメント形式]
◎前回(2010/01/21)「森羅万象は、「トーナメント形式システム」」という記事を書いた。そこでは、宇宙原理の全般を簡単に説明した。

[勝ち抜き戦]
◎今日はその中で、「トーナメント形式」というキーワードについて説明したい。「(勝ち残り式)トーナメント方式」(fromWikipedia)とは、1対1の戦いによる勝ち抜き戦である。勝負に負けたチーム(または個人)はその時点で脱落し、勝者同士で対戦を繰り返しながら勝者を決定する。
[森羅万象はトーナメント形式]
◎日本の高校野球全国大会がその典型例であろう。森羅万象は、この「トーナメント形式」という原理に従って変化展開する。
[変形されている]
◎もちろん、森羅万象は、高校野球のように、「一対一の組み合わせ」による「トーナメント形式」になることの方が数が少なく、変形されているのが普通である。
参考資料→「木構造 (データ構造)」(fromWikipedia)
参考資料→「データ構造(木)」
[言葉(言語)はトーナメント形式]
◎具体的な例で説明する。言葉(言語)は、この「トーナメント形式」原理に従って変化展開する典型例である。
[最底辺は文字]
◎日本語を例にとって説明する。トーナメント形式の最底辺に位置するのが、「あ」、「か」、「い」、「は」、「な」などの一音節文字である。
[要素を統合しながら階層構造を形成]
◎宇宙は、「要素を統合しながら階層構造を形成」する。要素「あ」と「か」を統合すると、「赤」になる。「は」と「な」を統合すると、「花」になる。
[文字階層の上に単語階層]
◎「あ」、「か」、「は」、「な」の文字の階層と、「赤」、「花」の単語の階層とは、階層を異にする。文字の階層の上に単語の階層が重層する。その上に「句の階層」が、さらにその上に「節の階層」が重層する。
[上に行くほど強い結合力・結合度]
◎上に行くほど、結合力・結合度が強くなる。このように「要素を統合しながら、それらを階層構造として積み上げる」。
[宇宙原理の一般的特徴]
◎前回に、「宇宙原理」が持つ一般的特徴として、次のキーワードを掲げた。
①上昇(ボトムアップ・中心)⇔下降 (トップダウン・周辺)、②成長⇔崩壊、③普遍(総合・上位)⇔特殊(専門・下位)、④複雑(多様・異質性・質)⇔単純(一様・同質性・量)、⑤結合(自己組織化)⇔分解、⑥全体(マクロ)⇔部分(ミクロ)、⑦自律(閉鎖)⇔依存(開放)、⑧矛盾的自己同一、⑨(多層・多重)階層構造、⑩階層間での情報・物質・エネルギーの相互作用と円循環(リサイクル・輪廻)。
[階層を上るほど]
◎階層を上るほどに、「上昇」、「総合」、「複雑」、「結合」、「マクロ化」、「多層階層構造化」が強く高くなる。

[ヘッケルの生物系統樹]
◎左の図は、ヘッケルが描いた生物系統樹であるが、この系統樹を逆さまにすると、「トーナメント形式」になる。
[生物分類の階層]
◎生物学・分類学において階級は、「門」・「綱」・「目」・「科」・「属」・「種」などの分類の階層、分類階級を用いる。なお、現生人類は、「動物界─脊索動物門─哺乳綱─霊長目─ホモ科─ホモ属─サピエンス種」である。
[タンパク質の階層構造]
◎私たちの体を構成するタンパク質に関しても、以下のような階層構造をもつ。1)一次構造 - アミノ酸配列、2)二次構造 - αヘリックス、βシート、ランダム構造、3)三次構造 - タンパク質全体の構造、4) 四次構造 - 多量体。
[原子の要素構成]
◎また、すべての物質を構成する「原子」は、正の電荷を帯びた「原子核」と、負の電荷を帯びた「電子」から構成されると考えられている。原子核はさらに「陽子」と電気的に中性な「中性子」から構成される。
[原子を組み合わせれば分子]
◎例えば、「酸素」原子は、「8個の電子」、核内の「8個の陽子」と「8個の中性子」で構成されている。また、原子と原子を組み合わせれば、「分子」になる。
[酸素原子と水素原子を組み合わせれば]
◎例えば、酸素原子と水素原子を組み合わせれば、水分子になる。このように、「電子」と「陽子」と「中性子」を組み合わせれば、「原子」になり、「原子」を組み合わせれば、「分子」になる。
参考資料→「広大な宇宙から、生物、分子、原子、原子核、そして最小基本粒子であるクォークやレプトンまで幅広きにわたり、階層構造をなしています」


[血管系]
◎人の血管系も同様にトーナメント形式を二つ逆対応的に連結する。心臓を最高拠点に動脈系と静脈系とが、トーナメント形式で展開と収束する。樹木も人の血管系によく似ている。情報伝達を担うニューロンも同様である。
[作動・変化動因]
◎このように、宇宙は、作動・変化動因(結合(自己組織化)⇔分解)を持つことによって、「要素を統合しながら階層構造を形成」する。そして、それを作図すると、生物系統樹のようにトーナメント形式として浮かび上がる。